コールセンターにおけるテレワーク(在宅勤務)化の導入方法と課題の分析

働き方の多様化が加速する昨今、コールセンターでもテレワーク(在宅勤務)が注目され、実際に導入が進んでおります。

そこで、今回はコールセンターのテレワーク(在宅勤務)化を考える方向けに実際の導入ステップなどについてご紹介したいと思います。

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テレワークが加速する今、コールセンターでもテレワークを導入してみてはいかがでしょうか。委託だけでなく在宅化の支援も行っていますので、コールセンター運営でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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今テレワークを検討すべき理由

まずは、なぜテレワーク化を検討すべきなのかを整理したいと思います。現在のコールセンターを取り巻く市場状況などを踏まえて、2つの理由で必要になります。

人材不足の観点から

テレワーク化を検討すべき1つ目の理由は「人材不足の観点」からです。そもそも、コールセンター市場ではここ数年「人材不足」が深刻化していました。

これは、根本的には「少子化による労働人口の減少」という日本全体の問題によるもので、短期的には改善が見込めない問題です。

そのため、コールセンターを継続するためには、いかに人材を安定して確保するかが課題であります。課題の対応策は整理すると大きく4つあります。

  • 労働者人口が減少する中でも採用人数を確保できるだけの競争優位性をもつ
  • 現状活かせていない労働力(地方、主婦、シニア、外国人など)を活かす体制の構築
  • テクノロジーを利用することによる省人化
  • 退職率を下げるための職場改善

テレワーク化することによる最大のメリットは、場所的な制約がなくなることです。

これまで、就業したくてもできなかった労働者(地方や専業主婦など)の確保や、家庭環境の変化により就業継続が困難になった労働者の退職を防ぐことができます。

コロナショックにより、現在(2020年4月時点)では、コールセンターの労働市場は「売り手市場」から「買い手市場へ」逆転しています。

しかし、長期的には供給側(労働人口)と需要側(コールセンター運営に必要な人材)のギャップが解消されたわけではありません。

いずれまた人材不足により採用が困難になる可能性はあり、テレワークは課題解決の一つの方法といえます。

BCPの観点から

テレワーク化を検討すべき2つ目の理由は「BCPの観点」からです。

BCPとは、「Business Continuity Plan(事業継続計画)」の略で、災害やパンデミックなどの発生により、事業継続(センター運営)が危機的な状況に陥った際に、損害を最小限に抑えつつ、業務継続するために多拠点化、分散化など必要な対応策を計画しておくことを指します。

日本では2011年に発生した東日本大震災時に、多拠点化、分散化できていないコールセンターが運営継続困難になりました。

もともと、日本は台風や地震など災害リスクが高いため、改めてBCPが重視されるようになり、日本政府としても、企業のBCP策定率を2020年までに大企業はほぼ全て,中堅企業は50%との具体的な目標を掲げています。

コールセンターにおけるBCPでは以下のことを考慮する必要があります。

  • 分散化/地理的な距離(人員確保/災害リスクを考慮したロケーション)
  • 運用面(マネジメント、オペレーション)/システム面の構築
  • コスト面とのバランス

また、パンデミックは地震や災害とは違い、局地的なものではないため、BCPにおいてもさらなる対策が求められています。

これまでは、自社コールセンターの他拠点化やアウトソーシングによる対応がメインでしたが、一つの場所に集まることがリスクになった今、真剣にテレワーク化によるBCPを考える必要性が出てきています。

上記以外にも、交通費の削減、テナント使用料の削減など、コスト削減効果も見込めます。

特に、今後はパンデミックの影響により、都市一極から地方分散に流れ、地方の地価が高騰する可能性もあります。

地方にコールセンターをもつ企業も長期的には検討する必要が出てくるかもしれません。

また、実際にコールセンターのテレワーク化をした企業では、欠勤率が下がるなどの効果も出ています。

ここまでは、コールセンターをテレワーク化する必要性について整理してきました。

次に、コールセンターにおけるテレワークについて整理したいと思います。

コールセンターにおけるテレワーク(在宅勤務)とは

テレワークとは

テレワークとは、2つの言葉「tele(遠隔)+work(勤務)」を組み合わせた造語です。

「在宅勤務」「遠隔勤務」「リモートワーク」などと呼ぶ場合もあります。

コールセンターにおけるテレワーク(在宅勤務)の現状

一般社団法人日本コールセンター協会の「2019年度コールセンター企業実態調査」では、在宅テレコミュニケーター導入「予定なし」の企業が70.4%(N=54)、予定ありもしくは導入済みの企業18.5%(N=8)となっており、テレワーク化が進んでいるとは言えない状況でした。

どの会社も検討すべき施策と考えながらも、優先順位としては低く、後回しになっておりましたが、今回のパンデミックが発生し、状況が一転、すぐにでも検討すべき喫緊の課題になりました。

▼関連記事
コールセンターのテレワークについて
こちらのカスタマーサポートの在宅勤務って実際どうなの?GMOペパボ株式会社の紹介でも紹介していますのでご参考ください。

テレワーク化の課題整理

ここで、コールセンターにおいて、テレワークが進んでこなかった理由、課題を整理したいと思います。

先ほどのアンケートによると、テレワーク化できない課題の上位3つは以下でした。

課題 詳細
セキュリティの問題 シンクライアント端末/VPN接続/暗号化/通信インフラの整備
労務管理などマネジメントの問題 教育・育成/人事評価/勤怠管理/モチベーション管理
品質管理の問題 モニタリング/エスカレーション対応/KPI管理

セキュリティ上の問題が一番の課題になっています。個人情報など秘匿性の高い情報を多く扱うコールセンターでは、情報漏洩の可能性があるテレワークを進めづらいのが現状です。

また、労務管理や品質管理などを遠隔でマネジメントするノウハウが業界としても蓄積できていないのも、コールセンターでテレワークに踏み込めない理由になっております。

課題の解決方法

セキュリティの課題解決のためには、情報の暗号化技術やシンクライアント環境にするなどのシステム導入を検討する必要があります。

企業によっては、コールフローの設計を見直し、個人情報の扱いがない業務からテレワーク化を検討するのも一つの方法です。

また、労務管理や品質管理もテクノロジーを使って解決する方法があります。

ノウハウ等については、すでに導入している企業の事例を参考にする、実際にテレワーク化を進めたことのあるコンサルティング会社やベンダーなど外部の知見を活かしながら進めていくことが成功確率を高めます。

総務省が提供する【テレワーク総合情報サイト】に事例集の掲載がありますので、ご参照ください。

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テレワーク(在宅勤務)化に向けてやるべきこと、ステップ

次に、具体的にテレワーク化を進めるにあたって必要なステップを整理します。

コールセンターのテレワーク導入の流れ

現状調査

現状調査では、現状のコールセンターについて可視化、整理を行います。

そもそも、すぐにテレワーク可能なのかは既存システムやオペレーション、業務の内容によります。

他社事例などを参考にしながら自社でもテレワーク可能かを検討していきます。

また、大まかなコストと投資対効果、リスクについて、数パターンシナリオを用意しておくと以降のフェーズを進めやすくなります。同時にベンダー調査も進めておくいいでしょう。

ここは、各社状況によりますが、数週間から数か月ぐらいの期間がかかることもあります。

テレワーク化を緊急で進めていかなければいけない場合は、以降のステップと並行するか、外部コンサルティングなどを使うことで、期間を短縮できます。

計画策定

計画策定では、具体的にテレワーク化していくためのプラン策定を行っていきます。

社内外で調整や承認が必要になるため、ドキュメント作成や会議体の設計が必要になります。

手間はかかりますが、できるだけドキュメント等で明確に規定していくことが望まれます。

懇意のベンダーがあれば、RFP作成や選定を相談するのも一つの手段です。

ここも期間としては、数週間必要になると思いますので、うまく外部の知見や力を借りながら進めていくのが良いでしょう。

設計

設計では、テレワークに必要なシステム、ネットワークの要件定義(接続元のIPアドレスや、ポートの解放設定など)を行います。

テレワークに必須となるクラウドPBXやソフトフォンは最短で1~2週間でインストールまでの構築が可能です。

ただ、納期については通信キャリア等の影響もあるため注意が必要です。

また、物理機器(PC、USBヘッドセット等)の準備も必要になります。

このフェーズでは滞りなく進められるよう、社内外で役割分担を明確にし、プロジェクト責任者が工程管理を行います。

プロジェクト推進やテレワーク化においての業務設計、コールフローの要件定義/設計なども必要になります。

社内に知見がない場合は、知見のある人材の採用、もしくは社外の知見を利用しながら進めていくことをお勧めします。

まとめ

本稿では、コールセンターにおけるテレワーク化について整理して参りました。

今後、コールセンターにおいて、テレワーク化はさらに加速し、いずれはスタンダードになる日が来るかもしれません。

ただ、まだまだ業界全体としては知見が少なく、社内でも初めての試みになると思います。

最初は、外部協力会社などをうまく活用しながら進めていくことがポイントといえるでしょう。

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採用ジャーナル 編集部

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