カスタマーサクセスを徹底解説!メリットやKPIとともに導入事例も紹介

目次
最近、BtoB領域を中心にカスタマーサクセスというワードを聞く機会が増えてきました。
もともとはSaaS(Software as a Service)業界で使われていたサービスですが、今では一般企業にも浸透してきています。
- スタマーサクセスってそもそも何?
- なんで今、カスタマーサクセスが注目されているの?
- カスタマーサポートとの違いを知りたい
こういった疑問の解決に向けて、注目度の高いワードである「カスタマーサクセス」について解説していきます。
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセス(Customer Success)とは、日本語に直訳すると「顧客の成功」を意味します。
具体的には自社のサービスを通じ、顧客を成功に導くことで、契約更新やアップセル・クロスセルなどLTVの最大化を目指す組織や活動のことを指します。
※LTVとは「Life Time Value」の略で、一人の顧客から生涯で得られる利益の合計を表しています。
ではなぜ、このカスタマーサクセスが最近、注目を集めているのか?その理由を探ってみましょう。
カスタマーサクセスが注目される理由
カスタマーサクセスが注目を集める背景には以下の理由があげられます。
サブスクリプションモデルの台頭
サブスクリプションモデルとは、定額制のサービス提供型モデルのことを指します。
「月額〇〇円で利用し放題」といった料金設定が主流で、企業が消費者に商品やサービスを売り渡すのではなく、定額で貸し出すという仕組みです。
音楽や動画の配信や新聞の定期購読など、サブスクリプション型の契約形態は古くからサービス展開されておりました。
現在は、小売業界や飲食業界など、従来はそのような契約形態がなかった業界まで、サブスクリプションモデルが広く浸透し始めています。
ここまで様々な業界にサブスクリプションモデルが導入されている背景には、消費スタイルの変化とスマートフォンの普及があるといわれています。
2008年のリーマンショック以降、初期投資が必要となる「所有」から低コストな「利用」という価値観へと消費スタイルが大きく変化したことにより、モノを所有できない代わりに低コストで利用できるということが昨今の大きな支持に繋がっています。
また、スマートフォンの普及により、若者を中心に音楽や動画を気軽に楽しめる環境が整ったこともサブスクリプションモデルの普及に大きく寄与しています。
このようにサブスクリプションモデルが拡がりを見せることで、企業も顧客との関わり方に変化が出始めました。
短期的な売上向上よりも、中長期的に継続して利用されるようにするにはどうするかという部分に視点を置くようになってきたのです。
その結果、企業は商品・サービスの購入後も顧客に継続的なアプローチを行い、顧客満足を高めていくカスタマーサクセスが注目を集めるようになってきました。
カスタマーサポートとの違い
似たような言葉でカスタマーサポートというサービス形態がありますが、具体的にどういう違いがあるのでしょうか?
それぞれの役割と行動の2点を比較することで、違いを確認しておきましょう。
役割
カスタマーサクセス | カスタマーサポート |
---|---|
自社から顧客にアプローチを実施し、サービスの利用促進をサポート | 顧客からの問い合わせに対応し、顧客の課題を解決するアプローチを実施 |
行動
カスタマーサクセス | カスタマーサポート |
---|---|
<能動的> 自社から顧客へ能動的にアクションをおこし、利用状況などに応じて継続的に行動を続けるため、長期的な対応 |
<受動的> 顧客から問い合わせがあって初めてアクションを起こすため、受け身であり即時で対応するため、短期間で終了 |
カスタマーサクセスの主な業務内容
次に、カスタマーサクセスの主な業務内容についてご紹介していきます。
大きく分けると以下3点に集約されます。
導入促進
サービス導入前の段階から、具体的なサービス内容や副次的効果など有益な情報提供を顧客に対して行うことで、商品の購入やサービス導入を支援・促進していきます。
継続利用の獲得
カスタマーサクセスのメインともいえる業務が、継続利用の獲得です。
顧客に継続的にサービス利用を促すためには、顧客の期待を上回るような能動的な提案をし続ける必要があります。
具体的には、顧客の好みに合わせてサービスの選択肢の幅を広げたり、100通りのニーズに合わせたおすすめプランを提供するなど、他社が真似できないようなサービスを提供することで、解約率を抑え、継続利用を獲得していきます。
導入後のアフターフォロー
サービス導入企業向けにレクチャー研修会を実施したり、定例ミーティングで顧客の声を拾うことでサービス改善に努めていくなど、永続的に顧客の成功に繋がるよう、きめ細かなフォローを実施します。
カスタマーサクセスのメリット
カスタマーサクセスを導入することによって得られるメリットとはどういったものがあるのでしょうか。
ここでは、3点のメリットをご紹介いたします。
解約率の低下
サブスクリプション型のサービスにおいて、サービスを契約した後、どれだけ利用を継続してくれるかというのが重要となります。
カスタマーサクセスの導入により、受動型のカスタマーサポートでは実現できなかった顧客ニーズに沿った情報提供や定期的なフォローが可能となるため、解約率の低下に繋がります。
LTVの向上
カスタマーサクセス導入に伴い、顧客のニーズに合わせた適切なアプローチを積極的におこなうことで、サービスの継続や、追加オプション購入などのLTV向上に繋がります。
また、LTVの向上は、顧客がサービスに対し満足していると判断することもできるため、顧客満足度向上にも繋がっていきます。
アップセル・クロスセル効果が見込める
カスタマーサクセスの導入により、新たな価値やより良い成功体験を提供することができれば、顧客は企業の固定ファンになってくれるはずです。
その結果、現在利用しているサービスに追加して、別のサービスも利用してもらうクロスセルや、よりハイブランドサービスを選んでもらうアップセルが期待できます。
カスタマーサクセスのデメリット
逆にカスタマーサクセス導入におけるデメリットとしては、対応できる人材が限られている点が挙げられます。
カスタマーサクセスはお客様のサービスに対する満足度を高め、成功に導くサービスですが、日本においては、この領域における経験者がまだ少ないため、導入したくても導入に踏み込めないといった企業が多く見受けられます。
よって、今後、カスタマーサクセスを導入する場合、人材育成に注力するなど、いかに適正人材を配置できるかがカギとなってきます。
カスタマーサクセスにおけるKPI
ここまで解説してきたカスタマーサクセスにおける重要業績評価指標「KPI」はどのようなものになるでしょうか?カスタマーサクセスにおける一般的なKPI指標をご紹介いたします。
解約率
解約率は、サブスクリプション型モデルにおいて、最も使用されるKPIです。
全ての顧客のうち、解約した顧客の割合を指しており、低ければ低いほど優秀とされています。
アップセル率・クロスセル率
アップセル率・クロスセル率は、全顧客のうち、アップセル、またはクロスセルが成功した顧客の割合のことを指します。
これらの率が高いということは、顧客単価が高く維持できていることを示しており、カスタマーサクセスで十分な成果が得られているとみなすことができます。
NPS
NPSとは、顧客ロイヤリティや、企業・ブランドに対しての信頼や愛着を測るために使われる指標です。
カスタマーサクセスの評価を数値化するためにユーザーアンケートを実施することが一般的で、最近ではNPSの点数もKPIとして利用されることが多くなっています。
主な企業の取り組み
最後にBtoB領域において、カスタマーサクセスを展開している企業をご紹介いたします。カスタマーサクセス導入の検討材料にご活用ください。
Seiyaku
Seiyakuは株式会社ウィルオブ・ワークが運用する業界問わず対応する営業代行サービスです。
マーケティング活動からカスタマーサクセスまで顧客のニーズに合わせた営業支援が可能です。
<主な業務内容>※一部
- 顧客フォロー
- 契約更新
- アップセル
- クロスセル
SmartHR
SmartHRは、人事や労務に関する業務効率化を促進するシステムで、人事・労務に関する幅広い業務をカバーしており、多くの企業に導入されています。
<主な業務内容>※一部
- 使い始めから使いこなす手前までの期間をサポート
- 利用率が低い場合の利用促進の支援
- 機能を活用する施策検討・実行
- 導入プロセスの改善及び機能提案
- 契約更新に向けたアプローチ・対応
- 新機能のオンボーディング、機能利用率の向上施策の実行
- オプション機能の提案、PMM・セールスと連携したアップセル活動
SanSan
SanSanは企業向け、個人向けの両方で名刺管理サービスを提供している企業です。
カスタマーサクセスの考えを事業に取り入れることで、顧客満足度の向上の実現を図り、収益拡大に繋げています。
<主な業務内容>※一部
- 導入した顧客に対する導入支援およびアカウントマネジメント
- 導入におけるキックオフの実施
- レーニングの実施(ユーザーに向けた利用説明会)
ベルフェイス
ベルフェイスは、国内No.1の電話を使ったオンライン商談システム『bellFace』の開発・販売を行っている企業で、現在、多くの企業で導入されています。
<主な業務内容>※一部
- コンサルティング
- 毎月の定例ミーティング実施
- 継続提案、アップセル、クロスセル提案
- bellFace導入した企業向けのレクチャー研修
最後に
カスタマーサクセスの導入は、顧客満足度の向上や、商品やサービスの継続利用につながる可能性が高まります。
しかし、カスタマーサクセスを成功させるには、カスタマーサポートプラス営業力といったスキルを持つ人材の配置など高いレベルでの組織構築が重要となります。
もし、カスタマーサクセスの早期立ち上げを検討しているのであれば、一度、営業代行会社などアウトソースに相談してみてはいかがでしょう。
当ウィルオブ・ワークが提供する営業支援サービス「Seiyaku」では、マーケティングからカスタマーサクセスまで営業活動にかかわる業務を全て代行することが可能です。
また、サービス導入前のコンサルティングも対応可能ですので、カスタマーサクセスの導入を検討しているのなら、ぜひ資料をダウンロードください。
カスタマーサクセスに関して、是非自社でも導入してみたいが、費用対効果が見えないとお悩みの皆様。
一度、「Seiyaku」に相談してみませんか?
自社で取り組める、かつ費用対効果が見込めるカスタマーサクセス業務を事前にコンサルティングいたします。