日本語能力試験JPLTは外国人採用の判断基準に使えるのか?
- 外国人採用タイムズ
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2024/05/15
外国人の採用を検討している経営者や人事担当者は、日本語能力試験(JPLT)について確認しておくことが大切です。日本語能力試験のどのレベルに合格したかによって、日本語能力がわかります。ビジネスにおいて、ある程度の日本語能力は欠かせないものですが、果たして採用の判断基準に使えるのでしょうか。ここでは、日本語能力試験(JPLT)のレベルごとの日本語能力と、採用の判断基準に使えるのか詳しくご紹介します。
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日本語能力試験(JPLT)とは?
日本語能力試験は別名JLPT(Japanese-Language Proficiency Test)といい、日本語が母国語ではない方の日本語能力を測定する試験です。運営元は、国際交流基金と日本国際教育支援協会の2団体です。2019年には、国内のほか海外46ヶ国の地域、147都市で実施されています。受験者数は、2018年度の試験と比べて、海外が約6万2,000人、国内が約3万7,000人の増加となりました。
受験者数は増加傾向にあり、今後さらに多くの外国人が日本語能力試験を受験することが見込まれています。テストは、難易度が高い順にN1、N2、N3、N4、N5の5段階にわかれていることが特徴です。
日本語能力試験(JPLT)は外国人採用の判断基準に使える?
日本語能力試験では、合格したレベルから日本語能力の程度がわかるため、採用の判断基準に使えます。ここで注意したいのは、日本語能力試験に合格していなければ一切の日本語を話せないわけではないことです。
日本語能力試験への合格は必須ではないうえに、テストに含まれる漢字を苦手とする外国人が少なくありません。そのため、受験を敬遠する傾向があるのです。また、日本語能力試験のN1に合格していても、日本語をうまく話せない外国人もいます。
このように、日本語能力試験は外国人の日本語能力を完全に証明するわけではないため、参考程度にした方がよいでしょう。
日本語能力試験(JPLT)の他にも、ビジネス上での日本語のコミュニケーション能力を測定する試験「ビジネス日本語能力試験(BJT)」もあります。
こちらは外国人採用の判断基準にも使える試験です。あわせてご覧になってみてください。
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日本語能力試験(JPLT)のレベル
それでは、日本語能力試験のレベルごとの日本語能力がどれぐらいなのか詳しくみていきましょう。
N1
N1は日本語能力試験で最もレベルが高く、合格は容易ではありません。日本に長年住んでいれば合格できると思っている方もいますが、日常会話ができる程度では合格できないでしょう。覚える必要がある漢字は2,000個、単語は1万個とされています。また、日本人ですら間違えてしまうレベルの問題も出題されます。
合格すれば、新聞の論説や論文などの難しい言い回しも理解できるでしょう。N1レベルを取得できれば、ほぼ全ての業種への対応が可能です。日本では、医師や看護師、薬剤師、助産師など医療従事者になるためにN1の保持が必須とされています。
N2
N2保持者は、日常生活のみならずビジネスにおいても日本語を自由に操れる能力を持っています。覚える必要がある漢字は約1,000個、単語数は約6,000個とされています。新聞の文章レベルの問題が出るため、難解な言い回しも理解できるでしょう。
話の要点を理解できたり、日本語を正しく聞き取れたりすることが求められるため、N3とN2の間には大きな壁があります。日本語能力試験への合格を必須条件にしている企業は、N2以上を要件にしていることが多いようです。
N3
N3の取得には、漢字は約350個、単語は約2,250個覚える必要があるとされています。短文や言い換え表現などを理解して、日常会話ができることが特徴です。仕事では、飲食店での接客やオフィスでの電話の取り次ぎなどができるでしょう。複雑な言葉は理解できないため、スピード感のある会議や商談への参加は難しいかもしれません。
N4
N4保持者は、日常生活でよく使う会話をゆっくりのスピードであれば理解できるレベルです。漢字は小学校低学年レベルのため、ビジネスの場では苦労することがあるでしょう。合格には、漢字を約300語、単語を約1,500語は覚える必要があります。
単純作業の仕事であれば従事できる可能性がありますが、仕事を覚えるには外国人の母国語でコミュニケーションをとれる社員が必要です。社員から指導を受け、不明点はその社員に聞く形であれば、問題なく仕事に就けるでしょう。
N5
N5保持者は、ひらがなとカタカナを読むことが可能です。漢字は約100語程度覚えておけば合格できるでしょう。シンプルな日常会話をある程度理解できます。また、日常会話における簡単な日本語を聞き取ることも可能です。
N5では、日本語での会話が重要な仕事に就くことは難しいでしょう。
現在は日本語能力試験(JPLT)にこだわらない企業も多い
日本語が苦手なものの、能力が高い外国人は少なくありません。そのため、日本語能力試験のレベルにこだわらずに、優秀な外国人を採用している企業も多いのです。相手の日本語能力に合わせて、わかりやすく聞き取りやすい日本語で伝えたり、ときには相手の母国語を使用したりすれば、仕事をうまく進められるでしょう。
日本語能力試験のレベルはあくまでも目安にしよう
日本語能力試験でN1を保持していても、日本語をうまく話せない外国人もいます。反対に、どのレベルの試験も受けておらず、ネイティブレベルで日本語を話せる外国人もいるのです。日本語能力試験のレベルは、あくまでも目安程度に考えておくことをおすすめします。
また、日本語能力に多少の難があっても、仕事のスキルがあれば採用を前向きに検討しましょう。