第3回【全3回】 技能実習生受け入れ企業に必要な知識 社会保険について ~技能実習生に関わる保障内容とは?~

3回にわたり、技能実習生受け入れ企業に必要な知識について解説してきました。

最終回の第3回は社会保険についての基本的な知識についてご紹介します。

技能実習生を受け入れる場合でも、日本人従業員と同様に社会保険が適用されるので、必ず加入しなくてはいけません。

この記事では社会保険の補償内容や、任意で加入することができる技能実習生向けの保険についてもご紹介します。

 

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    社会保険の補償内容

    社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険を総称したもののことです。

    主に会社員が対象となる健康保険と厚生年金保険を合わせて狭義の意味で社会保険と言うこともあります。

     

    介護保険に関しては40歳以上から負担するもので、健康保険料と一緒に徴収されるため、健康保険の中に介護保険を含めるという解釈をする場合も多いようです。

    本記事では『健康保険・年金保険』を合わせて社会保険と呼ばせて頂きます。

    その中でも今回は、技能実習生に関わる国民健康保険と厚生年金保険についてご説明させて頂きます。

     

    厚生年金保険

    厚生年金保険は、正社員や一定の条件を満たした非正規社員など民間企業に勤める人が加入する保険です。

    ■ 加入要件

    適用事業所で働く労働者は要件を満たせば厚生年金保険に加入します。

    厚生年金保険の加入の対象にならなかった労働者は、国民年金に加入します。

     

    被保険者(加入者)
    適用事業所で働く70 歳未満の人は要件を満たせば、厚生年金保険の被保険者(加入者)になります。

     

    適用事業所
    以下のような事業所は適用事業所になります。
    (1)株式会社などの法人
    (2) 農林水産業・サービス業などを除く個人事業所(5人以上)

     

    ■ 保険料

    ・本人負担分の保険料は以下のように計算されます。

    毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)× 保険料率÷2

    ※ 厚生年金保険の保険料は事業主と被保険者(加入者)が半分ずつ負担します。

     

    ■ 保障内容

    老齢厚生年金
    ・厚生年金の被保険者(加入者)であった期間を持っていて、受給資格期間が10 年以上の人は、老齢厚生年金を受給できます。

    ・老齢厚生年金の額は、厚生年金の被保険者(加入者)であったときの毎月の給与(標準報酬月額)などと期間の長さに応じて決まります。

    ※ 一定の生年区分の人で保険料納付要件を満たす人は、65 歳になる前に老齢厚生年金を受給できる場合があります。

     

    障害厚生年金
    ・以下の全てに該当した人は障害厚生年金が受給できます。

    (1)厚生年金保険に加入している間に障害の原因となる病気やけがの初診日がある

    (2)病気やけががもとで一定以上の障害が残った

    (3)保険料納付要件を満たしている

    ・障害厚生年金の障害等級には1級,2級,3級があります。
    ・障害厚生年金の額は、等級によって変わります。

    (1)障害等級1級→ 老齢厚生年金の1.25 倍の額

    (2)障害等級2、3級→ 老齢厚生年金と同じ額

    ※ 障害等級3級の障害厚生年金には最低保障額があります。

    最低保障額= 2級の障害基礎年金額× 3/4

    障害厚生年金を受けることができる障害の程度に該当していなくても一時金として、障害手当金を受給できる場合があります。

     

    遺族厚生年金
    ・以下のいずれかに該当した人で、亡くなった人に生計を維持されていた遺族は遺族厚生年金を受給できます。

    (1)保険料納付要件を満たし、被保険者(加入者)である人が亡くなったとき

    (2)保険料納付要件を満たし、被保険者(加入者)期間中の病気やけががもとで初診日から5年以内に亡くなったとき

    (3)被保険者又は被保険者であった人で、老齢基礎年金の受給資格期間が25 年以上ある人が亡くなったとき

    (4)1級・2級の障害厚生年金を受けることができる人が亡くなったとき

    ・遺族厚生年金の額は亡くなった人の老齢厚生年金の額の4分の3です。

     

    国民健康保険

    国民健康保険は、市区町村が運営する健康保険で、自営業者や無職の人や年金受給者など、社会保険に加入していない人が加入の対象となり、労働者やその家族が、けがや病気をした時、出産した時、亡くなった時 等の場合に必要な医療給付や手当金が支給されます。

     

    ■ 加入要件

    ・住民登録を行っている人で、職場の健康保険の対象でない75 歳未満の人は、国民健康保険に加入することになります。

    ・外国人については、下記のいずれかに該当する人を除いて、国民健康保険に加入する必要があります。

    (1) 在留期間が3か月以下(※)

    (2)「短期滞在」の在留資格を所持している

    (3) 在留資格「特定活動」のうち、「医療を受ける活動」又は「その人の日常の世話をする活動」をする人

    (4) 在留資格「特定活動」のうち、「観光、保養その他これらに類似する活動」をする人

    (5) 「外交」の在留資格を所持している

    (6) 日本と医療保険を含む社会保障協定を結んでいる国の人で、本国政府からの社会保険加入証明書(適用証明書)の交付を受けている人

    ※ 在留期間が3か月以内でも、在留資格が次のいずれかの場合で、資料により3か月を超えて在留すると認められる人は加入できます。

    ・在留資格「興行」
    ・在留資格「技能実習」
    ・在留資格「家族滞在」
    ・在留資格「特定活動(上記(3)又は(4)に該当する場合を除きます。)」

     

    ■ 保険料

    保険料は,世帯を単位として計算され、加入者の所得や人数などによって決定されます。

    世帯主が保険料を納める納付義務者になります。

    ※ 所得や生活状況などにより、保険料が軽減される場合があります。

     

    ■ 給付内容

    医療費の自己負担

    保険を利用した医療費の一部負担(自己負担)割合は、次のとおりです。

    ・6歳(小学校就学前)未満:2割
    ・70 歳未満:3割
    ・70 歳から74 歳まで:2割(現役並み所得者は3割)

     

    療養費
    ・就職直後で保険証が手元にないとき
    ・ギプスなどの治療用装具を購入したとき
    ・医師が必要と認めたあんま・はり・きゅう・マッサージなどを受けたとき
    ・海外で診療を受けたときなど
    これらの治療などにかかった費用をいったん全額自己負担し、その後申請して認められると、一部負担(自己負担)を超える部分が療養費として支給されます。

     

    高額療養費
    医療機関や薬局の窓口で支払った額(入院時の食事代や差額ベッド代などは含みません。)が、1か月で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

    最終的な自己負担額となる毎月の「負担の上限額」は、加入者が70 歳以上かどうかや、加入者の所得水準によって異なります。

     

    移送費
    病気やけがで移動するのが難しい患者が、医師の指示で一時的・緊急的な必要があり、移送された場合は、次の要件を全て満たしていると、移送費が現金で支給されます。

    ・移送により適切な診療を受けたこと
    ・移送の原因である疾病又は負傷により移動が困難であること
    ・緊急その他やむを得なかったこと

     

    ●出産育児一時金
    被保険者が出産したとき、出産に要する経済的負担を軽減するために支給される制度です。

    支給額は1児につき原則として42 万円です。

     

    技能実習生向けの任意保険

    技能実習生も基本的に社会保険には加入しますが、やはり社会保険だけではカバーできない部分も出てきます。

     

    任意保険は、保険のタイプにより補償期間が変わることもありますが、基本的には技能実習生の入国から実習を修了し母国に帰国するまでの期間の補償をカバーできるため、技能実習生本人にとっても、受け入れ企業にとっても安心して技能実習を行うことができるでしょう。

     

    技能実習生向けの任意保険は各社様々なものが販売されていますが、今回は下記の2つについてご紹介いたします。

     

    (1) 外国人技能実習生総合保険(JITCO保険)

    国際人材協力機構(JITCO)が保険契約者となり、技能実習生や特定技能外国人の日本での病気や就業時間外の傷害事故をカバーするための保険です。
    JITCO 公益財団法人 国際人材協力機構

     

    (2)外国人技能実習生向け保険(株式会社ビバビーダメディカルライフ保険)

    株式会社ビバビーダメディカルライフが保険契約者となり、必要な保障に絞り、ローコストに抑えた技能実習生向けの保険です。
    株式会社ビバビーダメディカルライフ

     

    下記の表で、2つの保険それぞれの内容、特徴などをまとめています。ご参考にご覧ください。
    ※地域により自転車保険加入が求められることがありますので、加入の際はご確認ください。

    ●救援者費用について
    救援者費用とは、技能実習生がけが等をした場合、母国から家族を呼ぶ場合の補償金です。
    通常の保険では、この救援者費用の保障はないため、基本企業負担になる可能性がありますので、任意保険に加入することをおすすめします。

     

    ●自転車保険について
    自転車通勤がある場合は、自転車事故(賠償責任)の可能性があるので任意保険に加入することにより賠償責任も補償されます。

     

    【保険を利用する際の問い合わせ方法】

    任意保険を利用する際は保険会社だけでなく、監理団体にも技能実習生の病状や診断結果等を報告する必要があります。

     

     

    まとめ

    今回は社会保険の中の国民健康保険と厚生年金保険の保障内容と、技能実習生向けの任意保険についてご説明させて頂きました。

    保険においての知識は技能実習生・企業側、どちらにおいても重要です。

    「技能実習生受け入れ企業に必要な知識」第1回では技能実習生を受け入れる際に必要な基礎知識について、第2回では労災保険について解説しておりますので、あわせてご覧ください。

    外国人雇用に関して、ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
    最後までご覧いただきありがとうございました。

     

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