飲食店で雇用できる外国人の在留資格まとめ

2024/04/16

近年、飲食店をはじめとするサービス業では人手不足が深刻な課題となっており、その状況を踏まえて外国人を雇用する企業が増えています。

この記事では、飲食店で雇用できる「在留資格」を知ることができます。

正社員とアルバイトによっても雇用できる在留資格は違いますし、従事できる業務も変わってきます。

また、「特定技能」「特定活動」の2つの在留資格について紛らわしく感じる人も多いのではないでしょうか。

両方とも飲食店で雇用可能となっているので、違いをしっかりチェックしましょう。

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雇用前は在留カードの確認

日本に中長期滞在する外国人が2022年12月時点で約280万人と過去最高を記録しており、掲載型のアルバイト求人媒体で外国人から応募が来るケースも増えてきました。

ただし、外国人の在留資格によっては、仕事ができない人もいます

そのような人を雇用してしまうと「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。

そのため、雇用の前に外国人の在留カードをしっかりと確認しましょう。

くわしくはこちらの記事:【決定版】在留資格一覧表|全29種類と就労可否まとめ

偽造在留カードに注意

在留カードは、入国管理局から外国人へ発行する身分証明書で、日本に中長期滞在する外国人全員に与えられます。

しかし、在留カードの偽造問題が年々増えており、インターネットやSNSで販売されている場合も見受けられます。

そのため、応募した外国人の在留カードが本物かどうか確認する必要があります。

在留カードの確認方法

① 在留カードを傾ける
まずは、在留カードを手にとって上下左右に傾けて次の3つに不備がないかの確認をしましょう。
・絵柄がグリーン色に変化
・左端がピンク色に変化
・ホログラムが3D的動きをする

② 在留カードの番号を調べる
出入国在留管理庁のWEBサイト「在留カード等失効情報照会」では、在留カードの番号をはじめとした必要事項を入力すると、入力されたカードの番号が失効していないかを確認することができます。 

③ 専用アプリでチェックする
専用をアプリを用いて、在留カードのICチップの情報を読み取ってカードが本物であるのか偽造であるのかを簡単、かつ精確に判別できます。

在留カードの期限の確認

在留カードが本物と確認できたら、在留期限を確認しましょう。

期限が切れていると在留カードが失効となりますので、その外国人を雇ってはいけません。

雇用する場合は、更新した在留カードを提示する必要があります。

ただし、例外があります。

在留カードの期限が切れても、裏面に「在留資格変更許可申請中」のスタンプがあれば、雇用できます。

そのスタンプがあれば、在留カードの表面の期限より在留期間が2ヶ月自動的に追加されるためです。

しかし、在留資格の申請が却下される可能性があるので要注意です。

就労可能かどうかを判断

最後に、外国人が就労可能かどうかを確認しましょう。

就労可否は在留カードの表面の「就労制限有無の欄」に記載されています。

「就労制限なし」と記載される場合は問題なく雇用可能で、就労時間にも制限はありません。

「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載されている場合は、パスポートでの指定書の本文の内容によって就労可能かどうかが変わりますので、必ず確認してください。

それ以外の場合は、原則的にアルバイトできません。

しかし、在留カードの裏に「資格外活動許可」のスタンプがあれば、アルバイトとして雇用可能となります。

くわしくはこちらの記事:在留カードで簡単に就労可否を見分けられるコツ

飲食店で雇用できる在留資格

在留カードを確認したら、飲食店で雇用ができる在留資格かどうかを確認しましょう。

アルバイトと正社員で雇用できる在留資格が少し変わってきます。

例えば身分による在留資格の場合は雇用形態は問いませんが、留学生や家族滞在はアルバイトのみで雇用が可能になります。

その際は、就労時間に制限があるので注意しましょう。

また従事内容に制限がある場合や応募者の希望職種に該当しない場合もあるので、必ず在留資格をチェックしてください。

アルバイトの場合

① 定住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等

身分で在留資格を取得した外国人は、就労制限なく働くことができます。

もちろん、飲食業で雇用が可能で労働時間や日本の滞在期間に制限はありません。

② 留学生

留学生の場合は、「資格外活動許可」が必要です

「資格外活動許可」の有無は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」で確認できます。

また、学業に影響が出ないよう1週間に28時間以内(長期休暇の場合は1日に8時間以内)の就労時間の制限があります。

これを超えて働いてしまうと不法就労になるので注意しましょう。

くわしくはこちら:資格外活動許可とは?| 留学生雇用の注意点

③ 家族滞在

家族滞在の場合も、「資格外活動許可」が必要です

「資格外活動許可」の有無は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」で確認できます。1週間に28時間以内の就労時間の制限があります。

これを超えて働いてしまうと不法就労になるので注意しましょう。

④ 特定活動

人によって異なるので、パスポートの指定書で活動内容詳細で就労可能かを確認しましょう。

くわしくはこちら:在留資格「特定活動」の種類や雇用にあたる注意点のまとめ

正社員の場合

① 定住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等

身分で在留資格を取得した外国人は、就労制限なく働くことができます。

もちろん、飲食業での雇用が可能で労働時間や日本の滞在期間に制限はありません。

② 特定活動

飲食業の場合は、通訳を兼ねた接客業務であれば就労可能となっています。

そうじや皿洗いなどの単純労働のみはできないので注意してください。

③ 技能

長年の経験によって得た熟練した技能を日本で活かして仕事する外国人に与える在留資格です。

たとえば、点心師やタイ・フランス料理などその国ならではの料理人です。

ホールやレジ業務はそれに該当しないので注意してください。

④ 特定技能1号

2019年4月に新しく設立された在留資格です。

「特定技能1号」の導入業種のひとつに「外食業」が含まれています。

この在留資格での在留期間は5年間と決まっているので、雇用前に確認しましょう。

詳しくはこのあと解説します。

「特定技能」と「特定活動」の違いとは?

「特定技能」と「特定活動」の違いとは?

飲食業では「特定技能」と「特定活動」の2つの在留資格で雇用可能となっています。

名前が似ているため、注意しましょう。

「特定技能」は、海外の人材を積極的に雇用するために2019年に新しく設立されたものです。

導入業種の中に飲食業も含まれており、取得には「外食業技能測定試験」に合格する必要があります。

即戦力が期待されますが、「特定技能」での在留資格は通算5年と決められているので注意しましょう。

くわしくはこちら:8分でわかる!「特定技能」とは?雇用方法や注意点、「技能実習」との違いも

対して「特定活動」は人によって様々なのでパスポートの指定書で活動内容詳細を確認しましょう。

雇用できる例をいくつか紹介します。

特定技能1号

「特定技能」は、2019年4月から新たに設置された在留資格です。

日本の労働人口の減少を受けて、積極的に海外の人材を雇用できるように作られました。

2023年9月現在、「特定技能」を導入されているのは12分野(14業種)あります。

その中で飲食業で働けるのは「特定技能1号」です。

「特定技能1号」の外国人は即戦力となります。

なぜならば、ビザを取得するのに「外食業技能測定試験」に合格する必要があるためです。

接客、飲食物の調理、衛生管理3つの科目に対する試験があります。

ただし、雇用にあたって、企業が外国人の住居を提供すると生活を支援する義務があります。

また、在留期限が最長5年と決まっており、5年を過ぎると更新ができなくなります。

続けて雇用したい場合、就労ビザやほかの在留資格に変更しなければなりません。

くわしくはこちら:8分でわかる!「特定技能」とは?雇用方法や注意点、「技能実習」との違いも

特定活動

「特定活動」は「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」のみ定義されています。

指定された活動の内容によって、就労可能かどうかも変わってきます。

「特定活動」の内容を確認するため、外国人のパスポートに挟んでいる「指定書」を確認しましょう。

もし、指定書の本文に「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く。」の文言があれば、就労できません。

雇用できる「特定活動」の例を3つ挙げます。

くわしくはこちら:在留資格「特定活動」の種類や雇用にあたる注意点のまとめ

① 難民申請

入国管理局が難民認定の審査を行っている間に「特定活動」の在留資格を外国人に付与します。

難民申請の人は、就労時間に制限なしで働けます。

しかし、難民申請をしてから半年を経たないと就労できないので、パスポートの指定書をしっかりと確認してください。

② 特定調理等活動

日本の食文化を海外での普及を促進するために設立されました。

留学生が調理関連の専門学校を卒業したあとに、最長5年の期間で学んだ知識を日本のレストランで実践できます。

③ 特定活動46号

2019年5月に法律の改正によって創設されました。

日本の大学、もしくは大学院を卒業した海外の留学生が正社員として日本の外食業や製造業で働けます。

海外のお客さんの対応をメイン業務として、店舗での業務もできます。

「特定活動46号」を取得するため、ビジネスレベルの日本語能力がないといけません。

日本語の資格を持っているかどうかが審査の基準となります。

まとめ

人手不足が顕著なサービス業において、今後国籍に関係なく採用活動を行っていくことは重要になります。

まずは、在留カードを確認して就労できるかを確認する必要があり、偽造カードの利用や在留期限が切れている場合は雇用することができません。

飲食業で雇用可能な在留資格は様々ありますが、基本的に身分で在留資格を取得した外国人以外は就労時間や従事内容に制限があるので注意や確認が必要です。

特に「特定技能」「特定活動」の2つは、名前が紛らわしいので注意しましょう。

また接客・調理や日本語能力など即戦力も期待できるため、自店にあわせて採用活動をすすめていきましょう。

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