「高度専門職」の外国人材を雇用するメリット

2024/04/16

高度外国人材の受け入れを推進するため、2015年4月に「高度専門職1号」「高度専門職2号」という在留資格が創設されました。

もともとは「特定活動」という在留資格でしたが、より高度人材の受け入れを積極的に行うことを目的とし促進していくこととなりました。

「高度専門職」とはどのような在留資格なのか、どのような人がなれるのか、雇用の注意点などをまとめました。

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「高度専門職」とは

「高度専門職」とは国が学歴・職歴・年収等の項目ごとにポイントを設けて、一定程度のポイントに達した、高い専門性を持っている外国人に付与する在留資格です。

「高度専門職」は、2015年4月に優秀な外国人を確保するために設立されました。

ほかの在留資格より、就労制限や在留期限の緩和などの優遇措置があり、優遇してでも日本に来て働いてほしい外国人材が対象といえます。

高度専門職」の種類

「高度専門職」を申請するには、基本的に2つの条件を満たさないといけません。

ひとつは、現在の就労ビザに記載されている在留資格の就労活動に従事していること。

もうひとつは、高度人材ポイントを70点以上取得することです。

「高度専門職1号」にはイ、ロ、ハの3種類があり、種類によって従事できる就労活動の内容が異なります。

外国人が「高度専門職」を取得するには、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • 「高度専門職1号(イ)」:高度学術研究活動(大学の研究者、研究を指導する教授など)
  • 「高度専門職1号(ロ)」:高度専門・技術活動(通訳者、ITエンジニアなど)
  • 「高度専門職1号(ハ):高度経営・管理活動(経営者、役員、管理職など)
在留資格 該当する主な在留資格の活動
高度専門職1号(イ) 「教授」「研究」「教育」など
高度専門職1号(ロ) 「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「教授」「芸術」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「興行」「宗教」「技能」など
高度専門職1号(ハ) 「経営・管理」「法律・会計業務」「興行」など

高度人材ポイント制

「高度専門職」を取得するためには、外国人が高度人材ポイント制度において70点以上を獲得しないといけません。

高度人材ポイント制は、「高度専門職1号(イ)」、「高度専門職1号(ロ)」、「高度専門職1号(ハ)」の3種類それぞれの就労活動の特性に応じた、学歴、職歴、年収、地位などの項目にポイントを設定した制度です。

  • 学歴条件:大卒と修士号以上でポイントが加算されます。「高度専門職1号(イ)」、「高度専門職1号(ロ)」の場合、博士号の取得も対象です。
  • 職歴条件:3年以上の実務経験があればポイントが加算。職歴が長ければ長いほど、ポイントが高くなる。
  • 年収条件:年収300万円以上が基本条件となり、年齢に応じた年収でポイントが加算されます。年齢若ければ若いほど、ポイントが高くなります。
  • 地位条件:「高度専門職1号(ハ)」のみ適用します。会社の役員や執行社員になると、ポイントが追加されます。
  • 特別加算条件:法務省が特定した条件に満たすと、ボーナスポイントが加算されます。例えば、日本語能力試験の合格や、国が指定している業界や会社での勤務も加算の条件となります。
高度人材ポイント表
(法務省 入国管理局「ポイント計算表」)

「高度専門職」を雇用するメリット

「高度専門職」の外国人を雇用のメリットは、専門性の高い外国人できるため即戦力が期待できることです。

在留期間も一律5年と決まっているので、比較的長期にわたり就労可能です。

「高度専門職1号」のメリット

  • 決められた分野の関連業務であれば複合的な活動も可能
  • 在留期間が一律で5年付与される
  • 永住許可の要件が緩和される
  • 配偶者の就労が可能になる
  • 一定の条件下で親の在留が可能
  • 一定の条件下で家事使用人の雇用が可能
  • 入国・在留手続きが優先処理される

ほかの就労ビザであれば、決められた活動しかできない、在留資格が5年よりも短い場合があるなどの制限があります。

それに比べると「高度専門職」は優遇されていることがわかります。

「高度専門職2号」のメリット

  • ほぼすべての就労が可能
  • 在留期間が無制限
  • 永住許可の要件が緩和される
  • 配偶者の就労が可能になる
  • 一定の条件下で親の在留が可能
  • 一定の条件下で家事使用人の雇用が可能
  • 入国・在留手続きが優先処理される

「高度専門職1号」との大きな違いは、就労制限と在留期限がないことです。

「高度専門職」の1号から2号になるには、ポイント制で70ポイント以上を獲得していること、「高度専門職1号」(または「特定活動(高度人材)」)在留資格を取得し3年経っていることが条件となります。

「高度専門職」の雇用に関する注意点

「高度専門職」の外国人を雇用する際に注意しないといけない点があります。

業務内容への制限、雇用が決まったあとに提出する書類です。

提出を失念したことが発覚すると国から罰金、または懲役が科されることがあるので、忘れずに実施しましょう。

単純労働はNG

「高度専門職」の外国人は、単純労働の従事が禁止されています。

単純労働に分類されている仕事は2種類あります。

ひとつは、職業訓練を受けていなくてもできる仕事、たとえば、チラシ配りやベッドメイクの仕事です。

もうひとつは、政府が定義したいわゆる単純労働者が従事する業務。例えば、飲食店での調理や接客、店舗管理の仕事です。

単純労働をさせてしまうと、企業が不法就労助長罪に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科される可能性があるので、注意してください。

くわしくはこちらの記事:不法就労助長罪とは?知らなかったとしても処罰対象!防ぐ対策を徹底解説

在留カードの確認

在留カードは、日本で中長期滞在する外国人に渡される身分証明書です。

原則的に在留カードがないと日本での就労はできません。

また、在留カードには期限があり、切れてしまうと在留カードが失効となります。

その場合、働けなくなるので、雇用する前に在留期限が切れていないことを必ず確認しましょう。

まとめ

日本では、優秀な外国人の受け入れ促進するため「高度専門職」という在留資格を設けています。

高度専門職」は高い専門性を有する在留資格のため、会社の規模や事業の安定性などに関係なく、長い期間滞在かつ就労することができます。

雇用メリットも高いため、注意点を確認しながら進めるようにしましょう。

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