ビジネス日本語能力試験「BJT」とは?採用の判断基準にしてもよい?

2024/05/14

外国人労働者の雇用を検討している場合は、ビジネス日本語能力試験(BJT)のレベルを確認しておくことが大切です。日常会話とビジネス会話は大きく異なります。日常会話が堪能でも、ビジネス会話のスキルが低いと仕事に支障をきたすでしょう。ここでは、ビジネス日本語能力試験(BJT)の概要や対象者、レベル感、採用の判断基準に使えるかどうかなどについて、詳しくご紹介します。

ビジネス日本語能力試験(BJT)とは?

ビジネス日本語能力試験(BJT)とは、ビジネスの場における日本語のコミュニケーション能力を測定する試験です。日本漢字能力検定協会が主催しています。最初に実施されたのは1986年で、現在では日本や中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、タイ、インドネシアなどのアジア諸国で行われています。

また、2017年からはパソコンを使用して試験を受けられるコンピューターベイステスティング(CBT)が導入されました。試験の対象者は、日本以外を母国とする外国人です。

日本語能力試験(JLPT)との違い

日本語能力試験(JLPT)は、公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催する試験です。レベルがN1~N5の5段階にわかれており、数字が小さいほどにレベルが高くなっています。レベルに応じて出入国管理上で優遇処置を受けられることがメリットです。

また、日本で医療従事者として就労するには、N1の取得が必要であるなど、就労先によっては受験が必須になります。そのほか、N1もしくはN2を取得することで、中学校卒業認定試験の国語が免除されます。

こちらの記事では日本語能力試験(JPLT)について詳しく紹介しています。採用時の基準にしてもいいのか、レベルなどの確認にぜひご活用ください。

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日本語能力試験JPLTは外国人採用の判断基準に使えるのか?

ビジネス日本語能力試験「BJT」は外国人採用の判断基準に使える?

ビジネス日本語能力試験(BJT)は、ビジネス会話のレベルを測定する試験のため、取得したレベルによっては外国人採用の判断基準に使えます。ただし、受験が法律で義務づけられているわけではないため、ビジネス日本語能力試験を受けていなくても、ネイティブレベルで日本語を話せる外国人もいるでしょう。

そのため、試験結果だけで採用の可否は決めるのは危険です。日本語は、ビジネスの各シーンに適した言葉を選ぶ必要があるため、日常会話ができてもビジネス会話ができないケースが少なくありません。取得しているレベルが低くても、実際にはハイレベルなビジネス会話ができるケースもあります。

ビジネス日本語能力試験「BJT」のレベル

ビジネス日本語能力試験(BJT)は、全員が同じテストを受けて、結果に応じてJ5~J1+の6段階で評価されます。数字が小さいほどにレベルが高くなります。それでは、レベルごとのビジネス日本語能力の目安を詳しくみていきましょう。

J1+(600~800点)

どのようなビジネスの場でも、申し分ないコミュニケーションをとれます。日本語の正確な知識と適切に言葉を選ぶ能力の両方が備わっているため、円滑な業務の遂行が可能です。会議や商談での会話、電話対応、社内文章の作成、ビジネス習慣への理解など、あらゆる点でトップクラスの実力があります。

J1(530~599点)

豊富な日本語の知識に基づいた適切なビジネスコミュニケーションが可能です。ただし、J1+と比べると、一部の知識と言葉を選ぶ能力に問題があります。しかしながら、会議や商談、電話対応なども問題なく遂行できるでしょう。また、対人関係に応じて適切に言葉を選ぶことが可能です。

J2(420~529点)

限られたケースにおいて、日本語で適切にコミュニケーションをとれます。ときおり、意思の疎通に問題が起こる場合があるため、フォローが必要です。ビジネス会話はおおむね理解でき、難しい内容でなければ会議や商談にも参加できます。また、対人関係に合わせた言葉の使い分けが可能なうえ、ビジネス習慣への理解もあります。

J3(320~419点)

限られたビジネスシーンにおいて、日本語でコミュニケーションをとれます。ただし、日本語の知識や言葉の使い分けに関して問題があり、意思疎通がうまくいかない場面もあります。簡単なビジネス会話は理解できるため、電話の取り次ぎやコミュニケーションの密度が低い業務であれば問題なく遂行できるでしょう。また、ビジネス習慣に対して、多少の理解があります。

J4(200~319点)

限られたビジネスシーンにおいて、最低限のコミュニケーションをとれます。日本語の知識は少なく、言葉をうまく使い分けることも困難です。意思の疎通が難しいため、サポートが欠かせません。ビジネス会話は、ゆっくり話すのであれば少しだけ理解できます。ビジネス習慣への理解は限定的です。

J5(0~199点)

ビジネスシーンにおける日本語でのコミュニケーション能力がほとんどありません。ゆっくり話してもほとんど理解できないため、就ける仕事が限定的です。また、日本のビジネス習慣への理解もありません。

(※)参考:レベル&サンプル | BJTを知る | BJTビジネス日本語能力テスト

ビジネス日本語能力試験を採用判断の目安にしよう

ビジネス日本語能力試験は、採用判断の目安にできます。ただし、未受験でもネイティブレベルで日本語を話せる外国人もいるので、大きな採用基準にはなりません。実際に会話をして、ビジネス日本語能力を確認することが大切です。また、未受験の外国人をすでに雇用している場合は、能力の水準を確認するために受験をすすめてみるのもよいでしょう。

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