日本の外国人労働者(特定技能外国人)のリアルな受け入れ状況をお教えします

現在、新型コロナウイルスの蔓延により日本だけでなく世界規模で経済が混乱している状態が続いています。日本でも出入国規制が続いており、海外からの人材の流入ができていません。

 

企業様によってはすでに特定技能の人材を確保しつつも入国待ちとなっており、いつから日本で就業できるのか見通しがついてないと困っていることもあると思います。

 

当社で支援している企業様でも多くの方が入国待ちとなっている状況です。これから人材確保に向けて特定技能を検討しているが、実際どれくらいの方が特定技能として働いているのか等、多くの疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

2019年4月から施行されている特定技能ですが、法務省から詳細な統計データが出ていますので、今回はこちらを詳しく紹介させていただきます。

特定技能の在留状況(国籍・分野別)

2020年9月末時点での特定技能外国人の在留状況は、全体で8,769名です。
国籍・分野別の詳細は下表をご参照ください。

出典:出入国在留管理庁  『特定技能1号在留外国人数』

 

当初日本政府が想定していた特定技能の目標人数は2020年3月末時点で40,000人でした。特定技能が生まれて1年以上が経過していますが、目標人数を大きく下回っています。どうしてこれほどまでに特定技能が進んでいないのでしょうか。考えられる原因の一つは法案の成立から施行が非常に短かったことで、制度の整備が遅れてしまい、不透明で分かりづらい状況が続いてしまったことがあります。

 

特定技能を活用しようと前向きだった多くの企業様も制度が不透明なので、対応時期を見送る判断をする結果となってしまいました。

 

上表を分野別で見ていただくと飲食料品製造業分野が全体の約36%と比較的高い水準となっており、次いで農業分野、素形材分野と、分野ごとに進捗に差があることが見受けられます。

 

飲食料品製造業の分野は数年前から外国籍の方を積極的に採用している現場が増えてきていることもあり、特定技能の制度に関していち早く取り入れる考えを持っている企業様が多い印象です。

 

改めて上表を国別で見ていただくとベトナムが5,341人と全体の半数以上と多いことが分かります。理由としては、実習生として活躍している人数がベトナム人の方が圧倒的に多いためです。

 

OTIT(外国人技能実習機構)が2018年度に実習生として認定を受けた国籍別の統計を出しています。下表をご参照ください。

合計の項目をご覧の通り、実習生の半数以上(構成比50.5%)がベトナム国籍の方となります。またベトナム国籍の方は留学生も多く、アルバイトとしても活躍しているケースが非常に多いです。そのため企業様はベトナム国籍の方と仕事をする機会が多く、一緒に仕事をした経験から選ばれているケースが多いと予想できます。

 

特定技能の在留外国人の都道府県分布

47都道府県すべてで特定技能の人材が在籍していますが、各都道府県により人数のばらつきがあり、都市部や都市部近辺での就業者が多いことが分かります。

 

当社でも多くの特定技能希望者と面談をさせていただくと、お金の面だけではなく、休みの日は都市部に遊びにいきたいなどの要望が多く見受けられます日本人でも都市部で働きたいと憧れを持った方は少なくないと思います。

 

それでは地方エリアでは採用ができないかというとそんなことはありません。たしかに都市部は外国籍の方にとっても魅力的です。ただ魅力的な分、家賃などの固定費が高く生活費が地方よりもかさんでしまうデメリットがあります。地方は住居費用を抑えることができる点がメリットであり、また食事手当や家賃補助など特定技能の方の生活を補助する福利厚生を充実させることで、十分魅力的になります

 

特定技能の在留外国人のルート別のリアル

 

特定技能外国人の約84%が技能実習から移行のとなっています。試験ルートでの特定技能取得はまだまだ分野ごとの試験が整っていないこともあり、人数が少ない状況です。現在日本国内で定期的に特定技能の試験が開催されている分野は下記となります。

  • 飲食料品製造業
  • 外食
  • 宿泊
  • ビルクリーニング

今後、分野別試験の開催が増えていくことで試験ルートからの特定技能人材も増加すると予想されます。

 

コロナウイルス影響下における特定技能の今後の見通しは

冒頭でもお伝えしましたが、日本への入国規制により特定技能の人材が海外から入国できない状況が続いております。当社でも100名を超える方の在留資格の認定が下りていますが、入国できず母国で待ってもらっている状態です。

 

海外からの入国の目途が立っていない今の状況で外国人人材を確保する方法として、日本に在住している外国人の在留資格を特定技能に切り替えて採用することに多くの企業様の注目が集まっています。

 

日本国内にいる人材を特定技能に切り替える方法は2点あります。

  1. 分野別試験、日本語能力試験の両方に合格している方
  2. 技能実習の2号を良好に修了している方

 

1.の対象となる方の多くは留学生です。そのため入社の時期は卒業のタイミングの4月に集中することが多いと思います。また分野別の試験自体もまだまだ頻繁に行われていないこともあり、試験合格者が特定技能に変更するにはもう少し時間がかかりそうな印象です。

 

2.の対象となる技能実習生ですが、特定技能への移行を希望して継続的に日本で働きたい方はたくさんいます。新型コロナウイルスの影響で出国できず母国に帰国できないため、特に特定技能への移行を希望する外国人の方は多くなっています。企業様側でも現在注目しているのは2.の国内にいる技能実習生です。

 

また、特定技能、テスト受験・合格の状況については、こちらの記事で解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

3年間同分野の仕事の経験を直近まで実施しており、日本の文化に慣れ親しんでいる人材は多くの企業様にとって非常に魅力的です。当社へお問い合わせいただく企業様も海外からの人材だけでなく、国内からの人材を希望される企業様が増えてきています。

 

今回は特定技能の現状について発表されている資料をもとにご説明してきました。特定技能は企業様にとっても外国籍の方にとっても魅力のあるものです。1年前の施行段階に比べて制度も非常に明確になってきていますので、今後の活用は拡大していくでしょう

 

入国規制が解除されましたら、海外からまた多くの人材が入国し、ますます特定技能が世間に浸透していくと思われます。一度は特定技能の検討を見送った企業様もこれから検討される企業様もぜひ特定技能の制度を理解したうえで、ご活用いただければと思います。

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採用ジャーナル 編集部

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