有給休暇義務化とは?外国人労働者も同じ条件で与えてOK?
- 外国人採用タイムズ
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2024/07/23
有給休暇が存在はしているものの形骸化している企業は多いのではないでしょうか。労働者が有給休暇の取得を希望しても会社側が断ったり、有給休暇を取得できる環境ではなかったりするケースは少なくありません。ここで注意が必要なのは、働き方改革に伴う労働基準法の改正により、有給休暇の取得が義務づけられたことです。
外国人労働者であっても、雇用関係にある以上は有給休暇を与える必要があります。ここでは、有給休暇義務化について詳しくご紹介します。
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有給休暇義務化とは?
有給休暇は正しくは年次有給休暇といい、会社を休んでも賃金が支払われる日のことです。雇用から6ヵ月以上継続的に勤務しており、そのうち8割以上の出勤をしている従業員に有給休暇を取得する権利が与えられます。これまで、労働者が希望した場合に限り有給休暇を取得させる仕組みでした。
しかし、働き方改革にかかわる労働基準法の改正により、1年に10日以上の有給休暇の権利を持つ従業員には、最低5日以上の有給休暇を取得させることが義務づけられたのです。
これは、外国人労働者であっても同様に有給休暇を取得させる必要があります。アルバイトやパート、日本人や外国人など、雇用形態や国籍に関係なく、有給休暇を取得させることが義務づけられています。
有給休暇義務化で得られるメリットは?
それでは、有給休暇義務化によって得られるメリットについて詳しくみていきましょう。
従業員のパフォーマンスが上がる
有給休暇は、休んでいるのに賃金が支払われるため、労働者にとっては大きなメリットがあります。心身をリフレッシュできれば、仕事でのパフォーマンスが上がるでしょう。これは、経営者側にとってもメリットです。
離職率が低下する
有給休暇義務化に従って有給休暇を取得させることで、会社が法律を遵守することを内外にアピールできます。その結果、会社の印象がよくなり、離職率が低下したり世間からの信頼が厚くなったりするでしょう。
有給休暇を取得させるかどうか迷う必要がなくなる
有給休暇は労働者に与えられる当然の権利ですが、取得させるかどうか迷う経営者は少なくありません。法律で義務化されることで、迷うことなく有給休暇を取得させられるのです。
その結果、パフォーマンスの向上や会社の印象アップなどのメリットを得られます。
「技能実習生=労働者」であることを忘れずに
外国人の技能実習生には、労働基準法をはじめとした各種法令が適用されます。そのため、日本人の正社員やアルバイトなどと同様に、技能実習生にも適用されます。適切に有給休暇を取得させる必要があるのです。(※)参考:外国人技能実習生を受け入れている事業主の方へ | 岐阜労働局
「技能実習制度」の基本については、こちらの記事で紹介していますのであわせてご覧になってみてください。
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有給休暇の基本を知っておこう
有給休暇は、労働基準法第39条で定められています。雇用から6ヵ月以上継続的に勤務しており、そのうち8割以上の出勤をしている従業員に最低10日の有給休暇を取得する権利が与えられます。労働者が希望すれば、10日連続で有給休暇を取得させなければなりません。また、有給休暇を取得する権利を得るための勤務期間については、入社した日から起算します。
例えば、入社日が4月1日で初出勤日が4月5日の場合は、4月1日から10月1日までが計算対象です。また、8割以上出勤しているかどうかは、下記の計算式で算出します。
実際に出勤した日の合計÷全労働日
また、有給休暇の付与日数は、週所定労働日数と1年間の所定労働日数、継続勤務年数によって異なります。例えば、週所定労働日数が5日以上、1年間の所定労働日数が217日以上の場合、勤続年数ごとの付与日数は次のとおりです。
6ヵ月 | 10日 |
1年6ヵ月 | 11日 |
2年6ヵ月 | 12日 |
3年6ヵ月 | 10日 |
4年6ヵ月 | 12日 |
5年6ヵ月 | 18日 |
6年6ヵ月 | 20日 |
週所定労働日数と1年間の所定労働日数、継続勤務年数が少ないほどに、付与日数も少なくなります。
有給休暇を与えないとどうなる?
有給休暇義務化に違反した場合、30万円以下の罰金が科せられます。罰金は従業員1人ごとにかかるため、従業員数100人の会社の場合は最大3,000万円もの罰金が科せられるのです。また、雇用側には時季変更権といって、正常な運営を妨げる場合に限り有給休暇の取得日を変更する権利があります。
こちらの記事では、外国人の採用や雇用に必要な情報をまとめて紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
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法律を遵守して有給休暇を取得させよう
有給休暇を取得するための条件を満たしていれば、技能実習生を含む外国人労働者も有給休暇を取得できます。有給休暇義務化に伴い、有給休暇を取得できる従業員に5日以上の有給休暇を与えなかった場合は、会社側に罰金が科せられるようになりました。
有給休暇は従業員のパフォーマンスの向上や会社の評判がよくなるなどのメリットがあるため、積極的に取得させることが大切です。