派遣社員の管理は大変?派遣先企業がやるべきことや解決方法を解説!
- アウトソーシング
- 人材派遣
2025/06/04

この記事でわかること
- 派遣社員雇用の際に行う5つの管理項目
- 派遣社員雇用する際のよくある悩みと解決方法
- おすすめの派遣管理サービス
人材配置の選択肢の一つとして有効なのが派遣社員を雇用することです。本記事では、派遣社員を雇う際にしなければならないことを詳しく解説するとともに、そのような業務を効率的に行う方法をご紹介していきます。
派遣社員雇用において派遣先企業がするべきこととはさまざまです。自社で直接雇用する際とは違うため注意を払わなければなりません。
そこで、派遣社員の採用業務や管理を派遣管理デスクに任せることで、業務効率が向上するだけでなく採用活動も改善できます!
TOPICS
派遣社員とは
派遣社員とは、企業が人材派遣会社と労働者派遣契約を結び、企業に派遣される社員のことです。派遣先の企業にとって人材派遣会社に対して即戦力の人材を外注し、必要な時に必要な労働力を提供してもらう事は有効な手段とされています。
人材派遣活用については「人材派遣のメリットは?コスト・業務効率・競争力の3つの側面から解説」にまとめていますので参考にしてください。
派遣先企業が派遣社員雇用の際に行うこと
派遣先企業にとって人材派遣会社を活用することは、人材不足の解消や業務効率が向上するほか、短期雇用も可能なことから人材固定費の削減が見込めます。
派遣社員を受け入れる際に押さえておくポイントは、派遣元となる人材派遣会社の選択と直接雇用の場合と異なる派遣社員の管理です。
管理する項目については派遣先と派遣元では異なるため、派遣先がすべきことを知る必要があります。
人材派遣会社の選択
人材派遣会社といっても大手から業種・職種特化型や地域密着型、外資系などさまざまです。人材派遣会社を選定する際に重要なことは、派遣先が求めている人材をいかに素早く高精度に供給してもらえるかです。
各企業の登録スタッフ数や得意な業界、エリア展開などについて情報収集をして特徴を押さえておくことで、最適な人材配置が可能となります。
雇用管理
派遣社員は人材派遣会社と雇用契約を結ぶため、派遣先とは直接の雇用関係はありません。しかし、派遣社員が実際に働くのは派遣先です。指揮命令権と管理監督権を持つ派遣先も適切な対応をとる事が必要です。
派遣先は仕事内容の明確化を始め、育成・評価や環境整備などを含めた派遣社員の活用を担い、派遣元は派遣社員の雇用管理を担っています。

労務管理
上記でご紹介したように、派遣社員の雇用には、派遣元・派遣社員・派遣先いう三者が関係するため、労務管理のポイントを把握しておくことが非常に大切です。
派遣元と派遣先が労働者派遣契約を結び、派遣先は派遣社員に対して労働基準法や労働安全衛生法に基づいた管理責任を負うことになります。
派遣社員の労務管理は、派遣先は勤怠管理(労働時間・休憩取得・健康衛生面・職場環境)を行い、派遣元は賃金や有給休暇などを管理します。
派遣先企業が対応すべき5つの管理項目
派遣社員の雇用契約は派遣会社と結ばれますが、実際の職場となる派遣先企業にも一定の管理責任があります。ここでは、派遣先が果たすべき主要な5つの管理項目とその対応方法について解説します。
1. 勤怠管理
派遣社員の出退勤状況や労働時間の把握は、派遣先企業が担う重要な業務のひとつです。労働時間に応じて派遣料金が決まるため、正確な勤怠管理が求められます。
紙の出勤簿やタイムカード、勤怠管理システムなど形式は問わず、勤務開始・終了時刻、休憩・残業時間などが記録できる方法を整えましょう。時間外労働は、派遣元が締結している36協定の範囲内に限られますので、契約内容を事前に確認しておくことが重要です。
突発的な休日出勤が必要になった際には、必ず派遣会社に事前相談を行いましょう。派遣社員も有給休暇の取得対象となるため、取得しやすい業務体制の配慮も必要です。
また、月に1回以上は勤怠情報を派遣会社に報告する義務があります。派遣会社からの問い合わせにも迅速に対応できる体制を整えておきましょう。
2. 業務指示と管理
派遣先では「指揮命令者」を明確にし、派遣社員に対する業務指示を行います。ただし、契約で定められた範囲外の業務を指示することは認められていません。
派遣社員の受け入れ前に、配属先の部署関係者に対して、指揮命令者や担当業務内容を周知します。契約外の業務を指示しないよう注意を促すことが必要です。
業務マニュアルの整備や、業務開始後のサポート体制(OJT、指導担当者の設定など)も検討しましょう。社内ルールや文化に慣れるまでの丁寧なフォローが派遣社員の活躍につながります。
3. 安全・衛生管理
派遣社員にも自社社員と同様の安全・衛生環境を提供する責任があります。快適で安心して働ける職場環境づくりが求められます。
作業場所の確保、空調・照明などの整備、福利厚生施設(ロッカー、休憩スペース)の利用許可など、自社社員と同等の扱いを心がけます。災害時の対応マニュアルや避難経路の案内も忘れず伝えておきましょう。
健康診断は派遣会社の責任範囲ですが、日々の業務中の健康管理は派遣先企業の配慮が必要です。例えば、十分な休憩時間の確保や有害物質の取り扱いに関する注意など、安全に働ける体制を整えてください。
4. ハラスメント防止・苦情対応
職場におけるハラスメント(セクハラ、マタハラ、パワハラなど)の防止は、派遣社員に対しても派遣先企業が責任を持つ必要があります。
相談窓口や対応フローを構築し、派遣社員にもその内容を説明します。苦情が寄せられた場合は、迅速に対応し、派遣会社にも報告します。
なお、派遣社員が苦情を申し立てたことを理由に、不利益な扱い(契約終了や業務の変更など)をすることは法律で禁じられています。派遣社員が安心して相談できる環境づくりが大切です。
5. 契約内容と抵触日の管理
派遣契約には期間の上限があり、継続就業や後任対応に向けた計画的な管理が必要です。契約開始時に「抵触日通知書」を派遣会社へ提出し、双方で派遣可能期間を把握・管理します。
事業所単位の制限: 同一事業所での派遣受け入れは原則3年間。延長するには労働組合等への意見聴取が必要です。
個人単位の制限: 同一の派遣社員が同じ職場で働けるのは原則3年まで。無期雇用の派遣社員であればこの制限は適用されません。
個別契約(多くは3か月単位)の更新時には、30日前を目安に更新有無を判断し、派遣社員の意思確認も行います。後任が見つからないことを理由に延長はできないため、早めの対応が求められます。
派遣先管理台帳の作成
労働者派遣法では、派遣先企業に対して「派遣先管理台帳」の作成を義務付けています。派遣先管理台帳は、派遣先企業が派遣社員の就業実態を正確に把握・記録するための帳票です。具体的には、「派遣社員が勤務した日付」や「労働時間」などの就業状況のほか、「従事した業務内容」や「申し出があった苦情の内容」など、派遣先企業が日々管理すべき事項を記録します。派遣社員ごとに作成し、契約終了後は3年間の保存が義務付けられています。
また、派遣会社に対しては月1回以上、台帳の一部内容を通知する必要があります。通知方法は、派遣社員ごとにFAX、メール、書面のいずれかで行います。派遣会社から開示請求があった場合には、速やかな対応が求められます。
派遣先管理台帳に記載すべき項目
- 派遣労働者氏名
- 派遣元事業主の法人名・事業所名・所在地
- 業務の種類
- 受入期間制限の対象外業務である場合の記録事項(該当する場合)
- 無期雇用派遣社員か有期雇用派遣社員かの別
- 派遣就業先の事業所名、就業場所及び組織単位
- 派遣就業した事業所の所在地
- 派遣元・先責任者
- 就業状況(就業日、1日ごとの就業時間および休憩時間)
- 派遣労働者からの苦情の処理状況
- 各種保険の取得届提出の有無
- 教育訓練の内容・実施した日時
- 紹介予定派遣に関する事項
派遣先企業が派遣社員雇用する際のよくある悩み
派遣先が派遣社員を雇用する際のよくある悩みは、「派遣社員管理」や「派遣元である人材派遣会社の管理」ではないでしょうか。
派遣社員の管理に関する悩み
- 労働者派遣法を遵守できているのか不安
- 会社で派遣社員の状況を管理しきれていない
- 契約内容がすぐに確認できない
- 契約終了日・更新日の管理が手間である
- 手作業で管理のためミスが起こりやすい
- 個別契約書・派遣先管理台帳の管理が煩雑になってしまう
- 締め日のタイムシートデータ回収などが大変
人材派遣会社の管理に関する悩み
- 複数の派遣会社への確認や請求処理に時間が割かれる
- 複数の派遣会社に依頼してる場合、勤怠管理方法が各派遣会社で異なるため承認作業に時間がかかる
- 契約書フォームが異なり内容の確認に手間がかかる
- 複数の派遣会社に依頼してる場合、各派遣会社ごとの定着率や稼働数などを見えるようにしたい
人材派遣管理の悩みを解決する方法
派遣社員の管理業務や複数の人材派遣会社との度重なる確認作業や窓口対応に時間が割かれると、業務効率が悪化し、業務過多によるリソース不足からサービス品質の低下に繋がってしまいます。
そして派遣社員の管理が煩雑化することで、コンプライアンス面でのリスクが増大することになります。
このような事が起こらないようにする為の方法として、人材派遣管理システムを導入すること、または人材派遣会社に丸ごとアウトソースし、派遣管理デスクサービスを利用する方法があります。それぞれのサービスにはメリット・デメリットがありますので押さえておきましょう。
人材派遣管理システムを導入する
人材派遣管理システムとは派遣社員を効率的に管理するシステムのことです。派遣元である人材派遣会社向けと派遣先企業向けがありますので注意して選択しましょう。
人材派遣管理システムを導入するメリット
人材派遣管理システムを導入することの最大のメリットは、ペーパーレス化とシステムによる一元管理の結果、業務効率が向上することです。
管理業務の効率が向上することで、派遣先の業務負担も大幅に削減しコア業務へリソースを集中することができます。
人材派遣管理システムを導入するデメリット
HRテックの普及により人材派遣管理システムは様々な形でリリースされています。自社に最適なシステムを選択しなければ、操作方法や設定に無駄なリソースや時間が割かれることになります。
一度導入してしまうと変更が難しいので、まずは導入する目的をはっきりさせておくことが重要です。無料体験を使用することであらかじめ内容の把握をすることや、サポート体制などを確認しておきましょう。
システムの選択から導入、導入後の定着にも不安がある場合はシステム導入から全てアウトソーシングする採用代行会社へアウトソースするのも選択肢に入れてみましょう。
人材派遣会社を使ってアウトソースする
人材派遣会社の中には、派遣管理デスク(MSP)というサービスを展開している企業があります。
派遣管理デスクとは、人材派遣会社を数多く活用している場合、管理システム導入と運用だけではなく、複数の人材派遣会社との折衝において発生する採用業務・管理業務も合わせてアウトソーシングするサービスのことをさします。外資系企業ではMSP(Managed Service Program)と呼ばれています。
派遣管理デスクを導入するメリット
派遣管理デスクのメリットは、派遣社員を雇用する際に発生する管理業務の業務効率化だけではありません。
システム導入だけでなく専任の担当者が採用業務や複数の人材派遣会社の窓口を一括代行することで、採用プロセスや採用コストの見える化が実現し、安定した人材の供給や定着とともにコスト削減することが可能となります。
派遣管理デスクを導入するデメリット
外部に任せることで社内にノウハウの蓄積がされない点がデメリットと言えます。しかし採用市場は日々変化している為、知識豊富なプロの手を借りるなど柔軟に対応しましょう。また、コスト面についても費用対効果や時間的コストとのバランスを事前に調べるようにしましょう。
派遣管理デスクについては
こちらの「人材会社の派遣管理デスク(MSP)とは?活用事例と実績多数の人材会社を紹介」にまとめていますのでぜひ、参考ください。
派遣先企業向けの派遣管理サービス6社厳選
派遣企業さま向けの派遣管理サービスのそれぞれの特徴をご紹介いたします。
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法人問い合わせ | willof-work.co.jp |
ウィルオブは、東証プライム市場上場企業ウィルグループ(6089)のグループ会社です。
1997年の創業当初から多様な職種で専門性を高めており、人材にかかわる幅広いサービスを展開。
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まとめ
ここまでで、派遣先が行うべきことや悩みを解決する人材派遣管理の方法など、各社サービスの特徴を説明してきました。自社の課題解決をするにはどういったサービスを導入すべきか検討しやすくなったのではないでしょうか。
まずは、自社の課題を明確にしておくとさらに検討がしやすいかもしれません。人材派遣管理サービスを導入することによって業務効率アップとコストの見える化が可能となり、採用活動が有意義なものになります。
人材派遣管理システムや派遣管理デスク(アウトソーシング)を上手に活用し、自社の採用を円滑にしていきましょう。
派遣管理デスクについては「人材会社の派遣管理デスク(MSP)とは?活用事例と実績多数の人材会社を紹介」にまとめていますのでぜひ、ご参考ください。
人事や採用担当者が抱えているお悩みや課題は、知見豊富な人材派遣会社に相談することで課題の整理や見える化が実現します。
アウトソースして業務効率化を目指しましょう