派遣社員をそのまま採用できる?紹介予定派遣について徹底解説!
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2024/05/14
人材派遣を活用している企業で派遣社員の働きが素晴らしいので、そのまま直接雇用としたいと考える企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、派遣社員を正社員として雇用するための紹介予定派遣について詳しく解説していきます。
人材不足や人材採用に関してお悩みの場合、人材派遣やアウトソーシングなど外部を活用することは解消する方法の一つです。一度、自社の課題の整理を外部と行うことで課題解決の一歩になりますよ。
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紹介予定派遣とは
紹介予定派遣とは、正社員として雇用することを前提にした派遣のことです。
企業の人事担当者で、下記のような悩みを抱えている場合、紹介予定派遣の活用で解決できる可能性があります。
- 試用期間を設けて、採用するかどうかを決めたい
- 人材派遣だとずっとランニングコストがかかってもったいない
- せっかく人材紹介で採用したのに業務が合わなくて辞めてしまった
- 今まで派遣会社を利用していたけど次は自社で長期間働きたい人を募集したい
紹介予定派遣と派遣の違い
紹介予定派遣と通常の派遣とは、募集の前提条件や派遣期間、派遣前後のルールなどの違いがあります。ここでは、一見大して違いがないように見える紹介予定派遣と通常の派遣の違いを紹介します。
正社員への登用が前提か否かが異なる
そもそも紹介予定派遣では、派遣前の契約を結ぶときに派遣契約期間終了時には正社員として直接雇用する旨が記されています。
そのため、派遣契約終了後に理由もなく正社員としては雇用できない、などということはできません。
選考方法が異なる
通常の派遣では顔合わせと称して面会することもありますが、基本的には派遣前の段階での顔合わせ、いわゆる面接はできません。派遣社員と直接雇用契約を結ぶわけでもないので、書類を見て派遣を拒否するなどということも禁止されています。
しかし紹介予定派遣であれば、正社員として採用することが前提であるため、就業前に書類選考や面接ができます。さらに書類や面接で自社に合わないと思えば、断ることもできます。
派遣期間が異なる
通常派遣社員の派遣期間は、同じ会社には原則1年、長くても3年となっています。しかし紹介予定派遣の場合は、長くても6か月です。
派遣先企業は、派遣されている間がいわゆる試用期間にあたるため、この期間の間に社員として直接雇用するべきかどうかを決める必要があります。もし正社員登用しないと決めた場合には、その明確な理由を知らせる必要があります。
対応している人材会社が異なる
紹介予定派遣は、すべての人材派遣会社が可能なわけではありません。なぜなら、通常の派遣業務を行うための資格や許認可とは別の資格と許認可が必要とされるからです。
人材派遣会社は、双方の資格と許認可を取得してどちらでも対応できるところも多くあります。しかし、中には通常の派遣業務しかできない会社もあるので、注意しましょう。
人材派遣の活用については「人材派遣のメリットは?コスト・業務効率・競争力の3つの側面から解説」にまとめていますのでぜひ、参考ください。
紹介予定派遣で正社員採用するメリット
紹介予定派遣を活用し正社員を採用するメリットとしては下記などが上げられます。
- 時間の削減になる
- ミスマッチを防げる
- 面接で派遣社員の選考が可能
ここではメリットを一つずつ解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
時間の削減になる
企業にとって、人材を採用するための広告を出す・応募されたすべての書類に目を通す・書類選考・面接などといった採用にかかる時間は決して軽視できるものではありません。
それに伴い、経費も掛かります。その点、紹介予定派遣であればすでに人員が絞り込まれているためそれらの時間やコストを削減できるでしょう。
ミスマッチを防げる
紹介予定派遣は、通常の正社員を直接雇用するのとは違い、派遣期間があります。最長6か月も派遣期間があるため、派遣元も派遣社員も「仕事が合わない」「会社の雰囲気が合わない」などといったミスマッチを防ぐことができるのでおすすめです。
面接で派遣社員の選考が可能
通常派遣社員は、派遣先企業と契約を交わすわけではないために面接や書類で選ぶことができません。
しかし、紹介予定派遣であれば正社員として雇用することが前提となっているため、書類や面接での派遣社員の選考が可能となっています。派遣社員の特性を事前に見ることができるので自社に合わない派遣社員は断ることができるのが、大きなメリットであるといえるでしょう。
紹介予定派遣の活用で正社員を採用するデメリット
紹介予定派遣を活用し正社員を採用することは、決してメリットだけがあるわけではありません。
下記のようなデメリットも挙げられます。
- 派遣期間中に辞退される可能性もある
- 募集可能な人材が限定的
- 直接雇用時に紹介料が必要
それぞれ詳しく解説します。
派遣期間中に辞退される可能性もある
能力的にも人格的にも何ら問題はなく、ぜひ雇用したいと派遣先企業が感じても、何らかの事情で派遣社員のほうから辞退されることもあります。また一から採用をし直す必要があります。
募集可能な人材が限定的
紹介予定派遣で雇用できるのは、派遣会社に登録している人だけに限定されます。もともと正社員としての就職のみを考えている人材であれば、紹介予定派遣には登録していないことも多いので注意しましょう。
直接雇用時に紹介料が必要
通常派遣社員として雇用している期間は、派遣費用以外にはかかることはありません。しかし紹介予定派遣で直接雇用が決まると、紹介料が派遣元企業へ必要となります。
紹介料がいくらになるのかは、派遣企業によっても違ってくるため、紹介予定派遣を受ける前には必ずチェックしておくといいでしょう。
紹介予定派遣で正社員採用時にかかる手数料
紹介予定派遣では、派遣中と正社員採用時の2種類の手数料がかかります。正社員採用時の紹介手数料は理論年収×紹介手数料率にて算出されます。一般的な手数料率は20~30%となっています。
紹介予定派遣から正社員採用に関するデータ
紹介予定派遣からであれば、全員が正社員として雇用されるというわけではありません。実際には正社員としての雇用につながるケースは全体の52%程度です。
平成30年度の労働者派遣事業報告書の集計結果では、紹介予定派遣により労働者派遣された労働者数は36,791人となっています。一方、紹介予定派遣で職業紹介を経て直接雇用に結びついた労働者数は19,214人です。
直接雇用が前提である紹介予定派遣でも、正社員としての雇用につながらないケースがあることはしっかりと認識しておきましょう。
紹介予定派遣で正社員採用する際のポイント
紹介予定派遣を活用して正社員を採用する際には、下記のようなポイントを意識するとよいでしょう。
- 事前の面接でしっかり人材を見極める
- 社内の受け入れ態勢を整えておく
- 人材派遣会社とも良好な関係を築く
それぞれどのようなものなのか、一つずつ詳しく見ていきましょう。
事前の面接でしっかり人材を見極める
通常の派遣とは異なり、紹介予定派遣では事前に面接をすることが可能です。
正社員としての採用につなげるために、事前の面接の時点で人柄やコミュニケーション能力などを判断することが大切です。そのうえで、派遣会社からの評価なども詳しく聞いておくといいでしょう。
社内の受け入れ態勢を整えておく
優秀な派遣社員であっても職場環境に適応できなければ、早期退職されることや、正社員採用を希望されないこともあります。そのようなことにならないためにも、社内の環境は早めに整えておくことが肝心です。
人材派遣会社とも良好な関係を築く
人材派遣会社は、派遣社員が派遣中であってもフォローや研修などをしてくれます。
人材派遣会社と良好な関係を築き上げておくことで、派遣会社もサポートも細部までしてくれることもあるでしょう。フォロー体制としては、派遣された後でも派遣先への営業担当者の定期訪問がある、何かがあればすぐに駆け付けることができる、専用の相談窓口が設けられているなどがあります。
また、研修制度であれば無料のビジネススクールへ通うことができる、そのほかOA講座やビジネスマナー講座もあるので好きな研修に参加することができるようになるでしょう。
紹介予定派遣でよくあるトラブルとは
紹介予定派遣には、いくつかのよくあるトラブルが存在します。どのようなトラブルがあるのかを事前に知っておくことで、トラブルを回避することもできるのではないでしょうか。
まずはよくあるトラブルを2つ、覚えておきましょう。
紹介手数料返金に関するトラブル
もしも紹介手数料まで支払った社員がすぐにやめてしまったのであれば、基本的には紹介手数料は返金となります。しかし、いつまでの退職で返金となるかの認識がズレておりトラブルになってしまうケースがあります。
返金に関しては企業によっても違うため、必ず契約を確認しておきましょう。こういったことはトラブルのもとになることも多いため、必ず紹介料を決めるときの契約書に記載されています。
派遣会社に内緒で雇用してしまうトラブル
紹介料は高収入の人材であれば、100万円以上必要になることもあります。そのため、ごく稀に派遣先企業が派遣会社に内緒で直接雇用してしまいトラブルになるケースがあります。
しかしもし内緒で契約したことが発覚してしまえば、多額の違約金を取られることになります。それに加えて、派遣会社からの信用もなくなってしまいます。
そうなると、今後いい人材を紹介してもらうことはできなくなってしまいます。高額になる場合でも、契約どおり支払いをするようにしましょう。
人材派遣の活用については「人材派遣のメリットは?コスト・業務効率・競争力の3つの側面から解説」にまとめていますのでぜひ、参考ください。
まとめ
紹介予定派遣であれば、自社にマッチする人材であると派遣中にわかればその後正社員として雇用することができます。事前に使用期間に似た派遣期間があるので、会社に合うかどうかもわかります。
メリットとデメリット把握した上で、人材派遣や紹介予定派遣を活用していきましょう。
人材不足や人材採用に関してお悩みの場合、人材派遣やアウトソーシングなど外部を活用することは解消する方法の一つです。まずは一度、人材会社に問い合わせてみましょう!
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