オペレーター育成のポイントとは?コールセンター研修で取り入れるべき事項を解説
- コールセンター
2025/06/04

この記事でわかること
- オペレーターに求められる7つの基本スキル
- オペレーター育成に必要な研修内容と育成ポイント
- コールセンターを外部委託する選択肢もある
スキルの高いオペレーターがいるコールセンターは、顧客からの評価も高く、長期間安定した運営が可能です。受け答えの言葉遣いや、商品・サービス知識や提案力など高いスキルのオペレーターは、あらゆる顧客の要望にベストな回答を導き出す力があります。
今回はコールセンターにおけるオペレーター育成の重要性と、求められるスキルに合わせた6つの研修コンテンツを育成のコツとともにご紹介します。
育成に課題をお持ちの方はこちらの申し込みフォームからお気軽にご相談ください。課題の解決方法や委託にかかる費用についても、丁寧にご案内いたします。
TOPICS
コールセンター研修が必要とされる理由と目的

企業にとってカスタマーサポートは、顧客と直接対話する“顔”とも言える存在です。特にコールセンターは、企業の第一印象を左右する重要な接点であり、その対応品質がブランドイメージや顧客満足度に大きく影響を与えます。 そのため、オペレーターのスキル向上を目的とした「コールセンター研修」は、企業経営において欠かせない施策となっています。
顧客対応品質の向上によるブランド価値の強化
コールセンター研修の主な目的のひとつは、顧客対応の質を高めることです。
オペレーターの応対品質は、顧客満足度に直結し、ひいては企業の信頼度や収益にも影響を及ぼします。
適切な言葉遣いや傾聴姿勢、迅速かつ的確な対応など、質の高い対応を実現することで、「この会社に相談して良かった」と顧客に感じてもらえるようになります。結果として、企業のブランドイメージ向上にもつながり、他社との差別化要素としても機能します。
顧客満足度向上とLTV最大化
研修によってオペレーターが顧客のニーズや感情を正しく汲み取り、顧客ファーストの姿勢を実践することが、顧客満足度の向上に寄与します。
特に重要なのが、クレーム対応の質です。ただ謝罪するのではなく、クレームを商品改善やサービス向上の機会と捉えることで、顧客からの信頼を得ることができます。
高い顧客満足はリピーターの増加や口コミによる新規顧客獲得にもつながり、顧客生涯価値(LTV)の向上という観点からも、重要度は高まっています。
業務効率化
コールセンターには、電話が集中する繁忙時間帯が存在します。限られた時間で多くの問い合わせに対応するには、オペレーター一人ひとりの処理スピードと正確性の向上が求められます。
商品知識やFAQの把握、対応フローの習得など、業務スキルを体系的に学ぶことで、無駄な保留や折り返し対応を減らし、1件あたりの対応時間を短縮できます。結果的に対応件数が増え、顧客を長時間待たせることなくスムーズな対応が可能になります。
このように、業務効率化は単なる作業の最適化にとどまらず、顧客満足や企業イメージの向上にも直結する大きな効果をもたらします。
オペレーターに求められる7つの基本スキル
コールセンターでは、お客様の悩みや疑問に寄り添い、迅速かつ丁寧に対応することが求められます。そのため、オペレーターには多岐にわたるスキルの習得が求められます。
正しく丁寧な言葉遣い
電話応対では、声と言葉だけで信頼関係を築く必要があります。丁寧な敬語や相手に配慮した表現を使いこなすことで、顧客に安心感や信頼感を与えることができます。 とくにクレーム対応では、柔らかい口調や丁寧な言い回しが顧客の怒りを和らげる鍵となります。
基本的なPCスキルとシステム操作力
多くのコールセンター業務では、顧客情報の確認・入力、通話記録、履歴の参照などをPC上で行います。タイピングやウィンドウ操作だけでなく、CRM・CTIなどの専用ツールに対する基本的な理解が求められます。操作に慣れていないと、業務効率が下がるだけでなくミスにもつながります。
自社サービスや商品に関する基礎知識
製品やサービスへの理解が不足していると、誤った案内や曖昧な返答が増え、顧客の信頼を損ねてしまいます。基本的な特徴や仕様に加えて、よくある質問やトラブルへの対処法をあらかじめ把握しておくことが重要です。マニュアルやFAQを活用しながら、常に最新情報にアップデートしておく必要があります。
応対スピードの向上
限られた時間の中で、できるだけ多くの問い合わせに対応するには、応対のスピードが鍵になります。質問の意図を素早く理解し、正確な情報を効率的に提供できる力が求められます。
応対品質の向上
ただ「早く」対応するのではなく、「良い対応」をすることが顧客満足度向上の鍵です。適切なトーン・表現・提案ができるかどうかが、顧客の印象に直結します。応対内容のモニタリングや顧客アンケートを活用したフィードバックによって、継続的な品質向上が可能になります。
クレーム対応力
クレーム対応は、コールセンター業務の中でも特にストレスがかかる場面です。オペレーターには、冷静な判断力、顧客の話を正しく受け止める傾聴力、感情を逆なでしない表現力などが必要です。また、問題の切り分けや適切なエスカレーションも求められます。
目標・KPIの管理スキル
コールセンターでは、応答率・平均対応時間・顧客満足度などのKPI(重要業績評価指標)を日常的に意識する必要があります。
個人の目標を管理し、業務改善につなげるセルフマネジメント力が求められます。チーム全体での成果を上げるためにも、他のオペレーターとの協力や情報共有が不可欠です。
コールセンター研修の種類と内容
コールセンターでは、オペレーターが顧客の期待に応えられるよう、必要なスキルに応じた研修を実施することが求められます。
研修内容は大きく6つのカテゴリーに分けられ、それぞれの種類と具体的な内容についてご紹介します。
オペレーター基礎研修
新しくオペレーターになったスタッフに対する研修です。企業でいう新入社員研修に該当します。対顧客の電話での話の聞き方、敬語の使い方と話し方、一般的なビジネスマナーについて学びます。
コールセンターは入退場のセキュリティを厳重に管理していることがほとんどです。持ち込み可能な私物の制限や勤怠管理の方法など、知識を身につける研修も必要です。
システム研修
コールセンターで利用されているシステムをミスなく扱えるようにするための研修です。顧客対応の記録や事後処理(ダイレクトメールの発送や商品注文)のためにさまざまなシステムが活用されています。
FAQシステム、CRM(顧客管理システム)など、コールセンターによって導入されているシステムはそれぞれです。これらのシステムがどのような目的で導入されているかを知るとともに、間違いなく操作できるスキルを身につけるためシステム研修を行います。
電話応対研修
顧客により良い印象を与えるため、電話応対の品質向上を図るために行います。
「ただ失礼のない対応ができる」だけでなく、顧客との信頼関係を築けるレベルまで、段階的にスキルを高めることを目的とします。
顧客の意図を的確にくみ取り、要望に的確に応える力を養い、心をつかむ傾聴の姿勢や、信頼を得られる話し方、良好な関係性を築くためのトーク例などを繰り返し学び、実践に活かします。
商品・サービス研修
オペレーターは顧客へ正確かつ安心感のある説明を行う必要があります。扱う商品やサービスの特徴はもちろんのこと、場合によっては会社全体の方針や理念についての理解も求められます。
商品仕様や利用方法、よくある質問やトラブル対応に加え、競合製品との違いや特長などについても学び、自社の提供する商品・サービスを十分に理解したうえで、的確に説明できる力が必要です。
アウトバウンド営業研修
アウトバウンド型の営業活動を行うコールセンターでは、インバウンド対応とは異なるスキルが求められます。
営業研修は、オペレーターが営業活動に必要なスキルや心構えを身につけることを目指し、会話の中でニーズを把握し、顧客の課題や関心に対してクロージングへと導く提案力や説得力を身につけることを目的としています。
ステップアップ研修
オペレーターとして一定の経験を積んだスタッフが、スーパーバイザー(SV)やトレーナーなどの上位職種へキャリアアップするために実施される研修です。目標管理やKPIの運用スキル、後輩指導の方法、チームマネジメントなど、オペレーター時代とは異なる視点のスキルを身につけることを目的としています。
優秀なオペレーターが上位の職種へステップアップすることでコールセンター全体のクオリティが向上し、顧客満足度も上がります。
オペレーター育成や研修の運用でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
課題に合わせた最適な育成プランや、外部委託にかかる費用・流れについても詳しくご案内いたします。
コールセンター研修でオペレーターを育成するポイント
コールセンター研修でオペレーターを育成するポイントは大きく3つです。

これらのポイントはすべての研修に当てはまるため、常にポイントを意識した研修プログラムを導入・実施する必要があります。
モチベーションを保つ
コールセンターのオペレーターは1日中電話対応を行います。メンタル的につらさを感じることもあるでしょう。そのため、オペレーター自身の努力だけでモチベーションを保つことは容易ではありません。さまざまな研修や資格制度、表彰制度でオペレーターのモチベーションが下がらないように工夫することが大切です。
オペレーター間の差を無くす
オペレーターの数が多いと、担当するオペレーターによって顧客応対のクオリティに差が生じることがあります。オペレーターのクオリティに差があると、顧客にマイナスの印象を与えかねません。顧客視点で考えた場合、誰が担当しても一定のクオリティを保った応対ができるのが理想のコールセンターです。
オペレーター間の差を埋めるような意識を持ち、全員一律ではなく個別に研修を行うといった対応が重要になります。
オペレーターの役割の理解
オペレーターがどのような役割を担っているのかをしっかりと理解してもらうことも大切なポイントです。例えば、顧客応対内容をシステムに入力する際、その入力内容が社内のどの部署でどのように活用されるのかを理解しているのといないのとでは、入力内容に雲泥の差が生じます。
会社にとってオペレーターがどのような役目を担い、何を期待されているのかといった点を理解できるような研修が理想です。
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コールセンター運用を外部のプロに任せるという選択肢も
ここまでご紹介してきたように、コールセンターの研修は、オペレーターの基礎育成から専門スキルの習得、さらにはキャリアアップ支援まで多岐にわたります。これらすべてを社内リソースだけで対応するには、大きな工数やコスト、専門的なノウハウが必要です。
とくに、講師の確保や研修内容のアップデート、進捗管理などは想像以上に負担がかかることも少なくありません。
そこで検討したいのが、コールセンター運営や教育に精通したアウトソーシングパートナーの活用です。
専門会社のノウハウを活かすことで、目的に応じた研修の設計・運用から、人材配置まで一貫して任せることが可能になります。高品質な人材育成と運営体制の構築を、効率的かつスピーディに実現する手段として、ぜひ一度ご検討ください。
アウトソーシングの導入方法や費用感、委託時の注意点などは、「コールセンターを委託する際のポイントは?費用や選び方を解説」にて詳しく解説しています。
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