同一労働同一賃金の労使協定方式とは?派遣先均等・均衡方式の違い

人材派遣を検討してる中で、同一労働同一賃金という言葉は知っていても詳しくはわからないという企業も多いのではないでしょうか。

人材派遣を利用することで、業務がスムーズに進められるけど、詳しい内容がわからないと踏み切れないということもあるでしょう。

この記事では同一労働同一賃金の労使協定方式について詳細に解説していきます。

人材派遣の活用検討がしやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、本記事は厚生労働省の【同一労働同一賃金ガイドライン】を参考に執筆しています。

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同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは
労働者の待遇差をなくすこと、それが同一労働同一賃金の考え方です。

労働者派遣法が改正されたことによって、正社員や契約社員、パート・アルバイトだけでなく派遣社員もこの同一労働同一賃金を当てはめる必要が出てきました。

そのため、必要な対策や折衝を遅延なく行うことが求められます。

▼関連記事
同一労働同一賃金についてお調べの方は、別記事「同一労働同一賃金の各種手当を徹底解説!18の手当てと休暇まとめ」で解説していますので、そちらもぜひ参考にしてください。

労使協定方式と派遣先均等・均衡方式の違い

同一労働同一賃金には、労使協定方式と派遣先均等・均衡方式の2種類があり、どちらかを選択する必要があります。

2つの方式には明確な違いがありますが、どちらも派遣社員の待遇を確保するものということは確かです。

とはいえ、どちらかを選ぶうえでそれぞれどのような部分が違うのか、どういった制度であるのかを詳しく知る必要があります。ここでは2つの方式の違いや特徴を解説します。

労使協定方式とは

労使協定方式のポイントとは、賃金が派遣元企業と派遣される労働者の協議で決められるところです。

もともと賃金の水準は厚生労働省が職種ごとに定めていて、その「一般労働者の賃金水準」以上を支給することを求められますが、派遣先企業の社員と派遣社員を同じ給与にするというものではありません。

あくまで一般の労働者を水準とするわけですから派遣先企業の給与はとくに関係しません。

労使協定は、実は派遣先企業と結ばれるものではありません。派遣会社と派遣社員の間で、結ばれる協定です。

派遣会社は、労使協定の締結や労働基準監督署への届け出などをしなくてはなりません。また、派遣社員への周知をすることも求められます。

ただし賃金以外の部分においては、派遣先企業の社員と同じ待遇を確保する必要があります。

具体的には福利厚生施設の使用などです。

派遣先企業へ求められるのは、主に情報の提供です。派遣元企業へ「休憩室・更衣室・給食施設」「教育訓練」の待遇情報を提供します。

派遣先均等・均衡方式とは

派遣先均等待遇とは、派遣先企業の社員と職務内容が同じ場合、派遣社員だからといって差別的な取り扱いをしてはいけないというものです。

均衡待遇とは、事情に相違があった場合であっても合理的ではない待遇差があることを禁止するものです。

これらの待遇について派遣先企業には、業務内容が同じ正社員と派遣社員の待遇情報を派遣元企業へと提出しなければなりません。

提供された情報をもとにして、派遣会社は派遣社員の待遇を決定する必要があります。

また、賃金が派遣先企業の給与水準に準じることと、労使協定方式よりも派遣先企業が派遣元企業に渡す情報が多くなるのも、派遣先均等・均衡方式の特徴であるといえるでしょう。

労使協定方式のメリット

労使協定方式にも派遣先均等・均衡方式にもそれぞれメリットはあります。

しかし、その中でも派遣先均等・均衡方式にはない3つのメリットがあります。

どのようなメリットがあるのかを、一つずつ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

派遣先の情報提供項目の簡略化ができる

労使協定方式の場合は、派遣先の情報提供項目を簡略化することができます。

なぜなら、必要とする情報が派遣先均等・均衡方式よりも少ないからです。

同じ同一労働同一賃金にある派遣先均等・均衡方式の場合は、派遣先から労働者の賃金に関する情報を書面で伝えてもらうことが法律上で定められています。

必須の項目だけでも膨大な量にのぼり、書面にして5枚分にもなってしまいます。そのため、実務面での処理が非常に手間となるでしょう。

しかし労使協定方式であれば、そのような膨大な書類は必要ありません。

派遣先と契約するときに、労使協定方式で派遣可能な派遣社員に対象を限定することが大切です。

派遣先の労働者に関する賃金情報提供が必要なくなるからです。少ない情報量で問題がないため、不要な書類や人手をかけなくていいところが、大きなメリットといえるでしょう。

派遣社員の給与水準を派遣元企業が決められる

派遣社員の給与を派遣元企業が決められるというのは、かなり大きなメリットといえるでしょう。

派遣先均等・均衡方式では、もともと社員に対して高水準の給与を支払っている企業が派遣先であれば派遣社員の給与もそれに準じる必要があります。

しかし、できれば社員より安く派遣社員を雇いたいという場合もあるでしょう。

もちろん毎回変わる上に高水準の企業にも合わせなくてはならないとなると、派遣元企業にも大きな負担になります。

労使協定方式であれば、労使協定で賃金を決定するために派遣先の要望についても応えやすくなります。

賃金の連続性がある

派遣先企業の給与水準に合わせる派遣先均等・均衡方式の場合であれば、派遣先が変わるたびに給与が変わります。

その点、派遣社員との労使協定で賃金を決めることができる労使協定方式なら、毎回賃金が変わるということはなく連続性を持たせることができるでしょう。

そのため、派遣社員にとっても混乱なく次の派遣先へ行くことができます。

一般賃金の決まり方・労使協定方式の場合

労使協定方式の場合、一般賃金の決まり方をご存じでしょうか。

一般賃金は、賃金基本統計調査や職業安定業務統計をもとにして決められます。

主に「基本給・賞与・手当」「通勤手当」「退職金」の3つに分けて算出されるもので、それぞれ細かく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

基本給与・賞与・手当の決まり方とは

基本給は、経験や能力が正社員と同じであるなら、正社員と同一の賃金を支給するものと定められています。

賞与は給与とは違って会社の業績への貢献度により支給されるものですが、こちらも社員と同じだけの貢献をしているのであれば社員と同一の賞与を支給する必要があります。

各種手当も同じで、社員と同じ役職であるなら職務手当を支給し、時間外労働手当も業務内容が同じであるなら社員と同一の割増率で支払う必要があるでしょう。ど

の手当も基本的な考え方は、同じです。

通勤手当の決まり方

通勤手当は派遣法上必ずしも支給しなくてはならない、というものではありません。

ただし、同一労働同一賃金の考え方で、労使協定方式を選択するのであれば通勤手当も支給しなければなりません。

退職金の決まり方

退職金にはいくつかの支払い方式があることは、ご存じでしょうか。

それが退職手当制度・前払い退職金制度・中小企業退職金救済制度の3つです。

退職手当制度で支払う場合には、退職した時点で会社が負担するというものです。

派遣会社の場合有期雇用である登録型派遣が多く、勤続年数はほとんどが3年未満です。

そのため、退職金制度の支給要綱に勤続3年以上とするとしておくことで、退職金の支給対象者が大幅に減ります。

基本的に退職手当制度であれば、勤務年数と所定内給与に対する支給月数から退職金が算出されることになっています。

しかし勤務年数に関しては勤務年数が3年未満であるなら退職金は支払わなくてもいいとされています。

また支給月数に関しては、最低限の支給月数をクリアしておくことで自己都合退職である場合には問題ありません。

前払い退職金制度であれば、普段支払う給与や賞与に上乗せして支払うことになります。

退職金を普段の賃金に上乗せして分割支払うことで、退職時に一気に大金が出ていくことがなく給与に上乗せされる分給与が高く見られます。

ただし、前払い式方式にすることで、社会保険料の負担が増加するので注意が必要です。

そのほかには、中小企業退職金共済制度などに加入する場合があります。

これは各派遣労働者の掛け金として一般賃金の6%以上の掛け金を加入している制度に支払っていればいいというものです。

退職金を決めるには、これらのうちのどれかを労使協定で選ぶ必要があります。

派遣先企業が同一労働同一賃金で新しく対応すべきこと

派遣先企業が同一労働同一賃金で新しく対応すべきこと
同一労働同一賃金が施行されたことにより、派遣先企業が対応しなくてはならないこととは何なのでしょうか。

実は派遣先企業が労使協定方式を取っているのか、それとも派遣先均等・均衡方式を取っているのかで一部すべきことが異なってきます。

同一労働同一賃金で新しく対応すべきことを、詳しく解説していきます。

派遣料金交渉

派遣先企業が行うべき対応の一つ目は、派遣料金の交渉です。

派遣先企業は労使協定方式、もしくは派遣先均等・均衡方式のどちらかによる待遇の改善が行われるように配慮する必要があります。

またこういった配慮は、労働者派遣契約の締結・更新時だけでなく更新後にも求められます。

教育訓練

派遣先企業が行うべき対応の二つ目は、教育訓練です。

派遣先企業は、派遣社員に対して業務に必要な能力を付与する場合には派遣元企業から求めがあったときには、派遣社員に対して必要な教育訓練をしなければなりません。

また、そのほか必要な対策を講じることが求められます。ただし派遣元企業が実施可能な教育訓練の場合は、除外されます。

福利厚生

派遣先企業が行うべき対応の三つめは、福利厚生です。

福利厚生には2種類があり、それが提供義務のあるものと配慮義務のあるものです。

提供義務のあるものは、派遣先企業の労働者が利用する「休憩室」「更衣室」「給食施設」の3つです。これらの施設については、派遣社員に対しても利用の機会を与える必要があります。

配慮義務のあるものは、提供義務のある3つの施設以外で派遣先企業が設置・運営している福利厚生施設についてです。

派遣先企業の社員が通常利用している施設であるなら、派遣社員であっても使用できる機会が持てるように配慮する必要があります。具体的な施設でいうと図書館や保育所、運動施設などになります。

情報提供

派遣先企業が行うべき対応の四つ目は、情報提供です。

こちらも提供義務のあるものと配慮義務のあるものがありますが、労使協定方式でするのか派遣先均等・均衡方式でするのかで違ってきます。

そのため、まずはどちらにするのかを選ばなくてはなりません。

提供義務のあるもので労使協定方式を選択した場合には、派遣先企業で雇用される労働者に対して実施する教育訓練、労働者が使用できる福利厚生施設についての情報を提供しなくてはなりません。

派遣先均等・均衡方式を選択した場合には、派遣元企業は派遣先企業から情報提供を受けて派遣社員の待遇を決定する必要があります。

そのため、派遣先企業は派遣元企業に対して派遣先で雇用される労働者に対しての待遇に関する情報の提供をしなくてはなりません。具体的には、職務内容や配置変更の範囲、各待遇の内容についてなどです。

そのほか、配慮義務のあるものについては、派遣社員に対する段階的・体系的な教育訓練が適切に講じられるようにする必要があります。

そのため派遣元企業から派遣先企業で雇用される労働者に関する情報や、業務遂行の状況などといった情報の提供に配慮しなければなりません。

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まとめ

同一労働同一賃金の労使協定方式を採用することで、情報提供の簡略化や賃金水準の決定などができるようになります。

福利厚生は既存のものでよく、教育訓練も派遣元企業の対応できない部分をカバーするだけでできます。

また賃金格差をなくせることで、派遣社員のモチベーションを高めることもできるのは、派遣先企業にとって大きなメリットといえます。

より派遣社員を雇用しやすくなり、業務も円滑に進めることができるようになるでしょう。ぜひこの記事を参考に、派遣社員の雇用を検討してみてください。

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