職業紹介事業と特定技能「建設」の関係 ~無料職業紹介事業について~

有料職業紹介事業・無料職業紹介事業とは

 

まずはじめに、職業紹介事業とは求人者と求職者との間における雇用関係の成立を斡旋することを言います。
人材派遣事業との違いは、人材派遣は派遣スタッフの給与は派遣会社から支払われ、企業側には派遣スタッフの給与、手数料などを請求することを業として行う事業であることに対して、職業紹介事業は求職者個人と企業の間をとりもち、雇用関係が円滑に成立するように第三者として世話をすることを行う事業として定められています。

 

職業紹介事業には、有料職業紹介事業と無料職業紹介事業の2種類があり、有料職業紹介事業とは、「営利を目的とするか否かにかかわらず、職業紹介に関し手数料又は報酬等の対価を受けて行う職業紹介事業」とされており、「人材紹介」「転職エージェント」「転職支援」など様々な呼ばれ方をしています。

一方、無料職業紹介事業は、「営利を目的とするか否かにかかわらず、いかなる名義でも手数料又は報酬等の対価を受けないで行う職業紹介事業」のことを指し、学校の無料キャリア支援や、ハローワーク、再就職支援事業会社などはこれにあたります。

 

無料職業紹介事業は原則としてすべての職業について紹介を行うことができるのに対して、有料職業紹介事業は「港湾運送業務に就く職業」「建設業務に就く職業」への紹介は禁止されています。

出展:厚生労働省「職業紹介事業の概要」

 

また、無料職業紹介事業・有料職業紹介事業のどちらも厚生労働省への届出・認可が必要で、違反した場合、罰則を受ける事になります。

出展:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 【第12 違法行為による罰則・行政処分等】」

 

厚生労働省職業安定局【人材サービス総合サイト】
このサイトでは職業紹介を行っている会社が厚生労働省の認可を受けているかを調べることができます。

 

特定技能「建設」の職業紹介

 

在留資格の一つである、特定技能「建設」での職業紹介を行う場合も、無料職業紹介事業での斡旋でなくてはいけません。
特定技能から特定技能の転職の場合はもちろん、海外在住の特定技能有資格者へ職業紹介を行う場合も同様です。

上記以外のケースで、例えば、同一企業の中で技能実習から特定技能へ移行する場合は転職にはあたらないため、無料職業紹介事業者を介す必要はありません。

 

建設業界での職業紹介が可能な団体

 

建設業界での無料職業紹介事業の認可を得ている事業者は主に以下の3つです。

  • ハローワーク
  • JAC(建設技能人材機構)
  • その他の無料職業紹介事業者

日本語の語学レベルに不安のある外国人求職者の方にとって、職員との日本語コミュニケーションが円滑に取りずらいことなどからハローワークでの職業紹介は難しいと考えられます。
そのため、JACやその他の無料職業紹介事業者を活用し、求人を行うことで、企業様の求めるスキルを持った優秀な外国人人材を雇用することが可能になります。

 

まとめ

 

今回は職業紹介事業の概要と建設業への職業紹介についてご説明してきました。
外国人人材を雇用する場合、その外国人が保有している在留資格が建設業務に従事していい内容のものか、在留カードの期限が切れていないかなど、確認するべき項目が数多くあり、違反があった場合、雇用企業側も罪に問われることがあるため、正しい知識を持って雇用することが求められます。
また、近年では厚生労働省の許可を受けず、職業紹介事業を行う悪質な事業者も存在するため注意が必要です。

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採用ジャーナル 編集部

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