知らないと危ない!?留学生の雇用に関するルールと注意点、ハローワークへの届け出について解説

人材を確保するため、留学生をアルバイトで雇用したいと考えている企業も多いことでしょう。
しかし、留学生は“教育”を受ける目的で日本に滞在することを許可されているため、アルバイト等、収入を得る活動は原則禁止です。
留学生が日本企業で働く場合、そのために必要な手続きを踏まなければなりません。留学生が日本で働くには許可が必要なのです!

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留学生のアルバイトには資格や許可が必要

留学生がアルバイトをする場合、日本で勉強するための「在留資格」の他に、就労をする際に必要な「資格外活動許可」を受けなければなりません。「資格外活動許可」を受けないと、留学生は不法就労を行ったことになりますし、採用した企業側も罪に問われる可能性があります。ちなみに「資格外活動許可」は、居住地を管轄する入国管理局で取得することになります。ほとんどの場合、留学生が通っている大学や専門学校などが手続きの取次をしてくれます。

「資格外活動許可」は、一定期間が過ぎると更新が必要になります。期限が切れてもなお、雇用をしていると企業も罪に問われる可能性があるので、本人に全て任せるのではなく、チェック体制を徹底することも重要です。在留資格の期限が切れると、再び「資格外活動許可」の申請をしなければなりませんので、こちらも覚えておきましょう。

日本人と留学生の雇用に関する違い

上述したように、留学生を雇用するためには様々な手続きが必要となります。「ということは雇用形態も日本人と変わるのでは?」と思いがちですが、そんなことはありません。確かに違うところもあるのですが、日本人と同等に扱うことになります。

労働基準法は日本人と同様に適用

労働基準法は日本人と同じ法律が適用されますし、最低賃金もその地域のラインより下回ることは許されません。よって、留学生であっても労働契約をしっかり結ぶ必要があります。解雇を考えても簡単には行えないので注意しましょう。

保険や税金はどうしたらいい?

保険や税金について見ていきましょう。

雇用保険や労災保険への加入はどうする?

外国人労働者も要件を満たしていれば、雇用保険や労災保険への加入が必要です。ただし、留学生は学業が本分ですから雇用保険は適用外となります。労災保険には加入しなければなりません。

所得税の源泉徴収は必要?

所得税も基本的には日本人と同じく居住者として源泉徴収の手続きをします。

ただし、留学生の出身国によっては免税されるケースがあることに注意しましょう。日本と租税条約が結ばれた国の出身者であれば、別途「租税条約に関する届出書」を提出します。たとえば、中国や韓国があてはまります。租税条約の締結国であっても国によって免税内容が異なるため確認が必要です。

最低賃金について、さらに詳しくこちらの記事で解説しています。あわせてご覧ください。

企業が留学生を雇用するための条件

入国管理局から「資格外活動許可」を受けている留学生が、日本の企業で労働することができるのは上述した通りです。しかし、外国人留学生のアルバイトには時間や業種の制限が設けられています。

アルバイト時間の制限

留学生の本分は日本で学ぶことです。勉強しに来たわけですから、アルバイトづくしの毎日を送ることは意図とは外れます。よって、労働時間にも制限があるので注意してください。目安としては、1週間の合計労働時間が28時間以内。これを守ることができなければ、企業は留学生を雇用することができません。留学生が「もっと働きたい」と訴えてきても働かせてはいけません。

ダブルワークをしている留学生に関しても、掛け持ちしている企業と合わせて28時間以内でなければなりません。他社のことですので介入できないことではありますが、しっかり連携して28時間以内に収めましょう。

ただし、夏休みなどの長期休暇に入る場合は例外となります。1日8時間、週40時間まで働くことが許されます。

アルバイトが禁止されている業種

アルバイトが禁止されている、つまり「資格外活動許可が降りない業種」もあります。

  • 風俗関連(店舗型/無店舗型/映像送信型含む)
  • 電話異性紹介関連((店舗型/無店舗型含む)
  • パチンコ店やゲームセンター、麻雀店
  • キャバレー・スナックなど

いわゆる風俗関連の業種は、学生にとってふさわしくない環境と判断されます。よって留学生を働かせることはできません。

外国人留学生の採用時・退職時はハローワークへの届け出を忘れずに

外国人留学生の採用時と退職時にはハローワークへの届出が義務付けられています。届出の内容を詳しく見ていきましょう。

届出方法

届出は、事業所管轄のハローワークに出向くか、外国人雇用状況報告システムで電子申請をする方法があります。

届出のタイミング・期限

外国人留学生をアルバイトとして採用、あるいは退職した場合には、速やかに届け出ましょう。期限は採用/退職、いずれも翌月末までです。

申請書類と記載内容

留学生の場合、外国人雇用状況届出として、「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況通知書」を提出します。届出様式はハローワーク窓口、もしくは厚生労働省のホームページから入手可能です。記載項目を見ていきましょう。

  • 氏名
  • 在留資格
  • 在留期間
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍・地域
  • 資格外活動許可の有無(採用時のみ)
  • 雇入れ又は離職年月日
  • 雇入れ又は離職に係る事業所の名称、所在地等

届出を怠った場合はどうなる?

届出を怠ったり虚偽の報告があったりした場合、30万円以下の罰金が科せられます。

手続きや条件の確認に不安のある方は、外国人紹介サービスの専門家に相談されてみてはいかがでしょうか。以下のページでは、おすすめの外国人紹介サービスや選定方法を解説しています。

留学生を雇用する際の注意点

留学生の多くは、日本語がまだ完璧ではありません。特に雇用契約に関しては細かなケアが必要となります。留学生用に母国語のマニュアルを作成したり、バイリンガルの通訳などを介して、しっかりコミュニケーションをとりましょう。

こちらがいくら分かりやすく伝えたとしても、留学生が誤解することも往々にしてあります。知らず知らずの内に法律違反を犯すこともあるのでお気をつけください。

こちらの記事では外国人を採用・雇用するときに必要な基礎知識などがまとまっています。ぜひあわせてご覧ください。トラブルになる前に知識をつけておくことをおすすめします。

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採用ジャーナル 編集部

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