【5つの在留資格総集編】介護分野の外国籍雇用ガイド③

日本の介護職員は、2035年には約79万人の人手不足が予測されています。

そんな状況の中、介護業界では外国籍の方の採用が進んできています。

ただ、外国籍の方を採用するにはいろいろな方法があり、何が最善の方法なのかがわかりにくく、迷っている採用担当の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、今まで紹介してきた5つの在留資格の総集編として一覧表でわかりやすく、そして5つの在留資格の結びつきを示すことで、長期間雇用ができるような在留資格変更おプランについても紹介していきます。

参考にしていただき、施設にあった採用方法を選択してください。

 

5つの方法

出入国管理法
まずは5つの在留資格のおさらいです。

外国籍の方が日本で働くには、就労ができる在留資格が必要です。

介護分野で働くことのできる在留資格は5つあります。

この5つの在留資格のほかに、永住者や日本人の配偶者等などの身分に基づく在留資格を持っている外国籍の方は日本人と同じように就労することが可能なため、介護職として働くことができます。

ここで紹介する5つの在留資格にはそれぞれ条件があるので、その条件を知っていないと、いざ採用しようとなった際に慌てることになります。

それぞれの特徴をしっかりと知るためにも、まずは5つの在留資格を紹介します。

5つの在留資格

・技能実習
・特定技能
・EPA(イーピーエー)
・留学
・「介護」 ※介護という名称の在留資格ですが、本文中は「介護」と表記します。

在留資格
※1. 外国人技能実習機構

※2. 出入国在留管理庁

※3. 厚生労働省

※4. 日本介護福祉士養成施設協会

※5. 出入国在留管理庁

それぞれの在留資格の特徴と結びつき

ここまでの5つの在留資格についてまとめてみました。

資格表

ここまで一つひとつ在留資格を見てきましたが、実は在留期間の上限が来たら帰国するのではなく、そのまま他の在留資格に変更することで介護職として日本で就労を続けられる方法があります。

ここからはその方法について説明します。

特定技能につながる在留資格

特定技能に変更ができる在留資格は3つあります。

技能実習→特定技能

技能実習生から特定技能に変更をして滞在期間を延ばす場合は、技能実習2号を良好に修了していることが条件です。

技能実習3年が終了する前に特定技能に変更することは原則認められていませんので注意してください。(現在はコロナウイルスの影響で、実習を続けることのできない技能実習生は特定技能に変更することが認められています。)

3年間実習を良好に修了したという証明になるのが、技能実習評価試験の専門級に合格することで、特定技能の試験(技能試験、介護の日本語試験、日本語能力検定等)を免除することができます。

※専門級が不合格の場合は、特定技能の技能試験及び日本語試験を合格するか、技能実習生を受け入れていた施設の方が評価した文書が必要となります。

もちろん、技能実習3号で5年間滞在していた方は試験免除で、特定技能に変更することが可能です。

下記のように長期的な技能実習からの採用を検討してみるのもいいでしょう。

特定技能フロー

EPA→特定技能

この場合のEPAは、EPA介護福祉士候補者に限ります。

EPA看護師候補者は、対象外です。

EPA介護福祉士候補者として来日したが、介護福祉士に合格できなかった方は、特定技能の試験免除で変更をすることができます。

2019年3月までは特定技能がなかったので、介護福祉士に不合格となった方は帰国をするしかなかったのですが、せっかくの経験者を再雇用できる仕組みができたということです。

留学→特定技能

留学生もEPAと同様、介護福祉士に合格できなかった方は特定技能に変更ができます。

試験免除の対象となるのは、介護福祉士養成施設を卒業した方のみです。

卒業証明書の提示で免除が認められます。

養成施設の卒業ができなかった方は、通常通り特定技能の試験に合格することが条件となります。

「介護」につながる在留資格

「介護」に変更ができる在留資格は4つありますが、それぞれ介護福祉士に合格が条件であることは変わらないので、変更する前に試験の合格が必須ということは忘れないようにしましょう。

技能実習(5年)→「介護」

技能実習を5年間、つまり技能実習3号の期間中に実務者研修の受講、そして介護福祉士に合格をした方は「介護」に変更することができます。

技能実習の制度上、実務者研修の取得などは必須ではありませんが特定技能ではなく「介護」に変更を希望している施設・希望している実習生がいる施設はこの方法に該当します。

ただし、介護福祉士に合格するために実習がおろそかになってはいけません。

実習計画に沿った実習ができるよう、工夫してスケジュールを立てていきましょう。

特定技能→「介護」

特定技能から「介護」に変更することも可能ですが、介護福祉士に合格しなければならないので、特定技能の期間中に試験に合格できるようサポートしてあげましょう。

また、技能実習→特定技能→「介護」などの方法でも変更は可能です。

介護につながる在留資格
EPA→「介護」

ここでのEPAは、EPA介護福祉士候補者から介護福祉士に合格した方を指します。

通常であれば、介護福祉士に合格したEPAの方は、「介護」に変更しなくても「介護」と同じ条件で働くことができます。

しかし、JICWELSに登録されている介護事業所でしか就労することができません。

そのため、JICWELSに登録されていない事業所で就労を希望する場合は、「介護」に在留資格を変更することが必要になります。

留学→「介護」

留学から「介護」に変更するには、介護福祉士の合格が必須です。

卒業後の就職先として介護施設で働く場合はこの在留資格となるので、留学生の新卒採用などを検討している方は上記「介護」の説明を参考にしてください。

介護福祉士試験の対応について

外国籍の方が介護福祉士試験を受験する場合、申し込み時の申請によって全ての漢字にふりがなが記載されている問題用紙と通常の問題用紙が配布されます。

また、試験時間も通常の1.5倍となります。

これはEPA介護福祉士候補者以外の外国籍の方(外国籍だった方)も対象となります。

外国人学生

さいごに

介護分野での外国籍の方の採用方法と特徴について説明してきました。

人手不足である介護分野での外国人雇用は避けては通れない道になってくるはずです。

雇用する側も雇用される側もどちらも気持ちよく働くためにも、ここで紹介した内容を参考に採用を検討してみてください。

技能実習や特定技能の受け入れはこちら

技能実習や特定技能の受け入れについてはまず専門の機関に相談してみましょう。

技能実習や特定技能の受け入れについて興味は持っていても、実際にしなければならない事項など把握できていないことも多いのではないでしょうか

すべて委託したい場合でも、一部を委託したい場合でも経験のある支援機関に相談するのが解決への早道です。

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採用ジャーナル編集部

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