外国人雇用を知る|注意点と在留資格をチェック

2024/04/16

「日本にいる外国人は誰でも働けるわけではない」ということをご存知でしょうか?

原則として単純労働を目的とした外国人の受け入れは禁止されています。

しかし、例外として単純労働を認められるケースや在留資格によって就労できる在留資格など外国人雇用のルールは多岐にわたります。

本来就労できない外国人を雇用してしまうと「不法就労」させたこととなり罰が科される可能性もあります。

そうならないように、外国人雇用の注意点や雇用可能な在留資格を確認しましょう。

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外国人雇用とは

まず、「外国人」は、入管法で「日本の国籍を有しない人」とされています。

海外出身の人が帰化して日本国籍を取得した場合は外国人ではありません。

つまり、日本の国籍ではない人を雇うことが「外国人雇用」となります。

外国人雇用にあたって違法行為となる注意点

外国人を雇用するのに、いくつか守るべき注意点があります。

これらができていないと、違法行為となり雇用主が罰される可能性があります。

近年よく耳にする不法就労をはじめ、最低賃金法、外国人雇用状況の届出など外国人雇用に欠かせない注意点をまとめました。

最低賃金を守る

外国人は日本人より安く雇用ができると思われがちですが、実は違います。

外国人であっても、日本人同様国が決めた最低賃金以上の給与を払わないといけません。

最低賃金の法律は、アルバイトにも正社員にも適用されます。地域によって金額が違うので確認しましょう。

最低賃金以下で働かせていた場合、最大50万円の罰金が科される可能性があるので気をつけてください。

不法就労させない

日本政府の定義より、不法就労となるのは次の3つです。

  1. 不法滞在者や被退去強制者が勤務するケース
    • ビザがない、つまり密入国の人
    • 在留期間が切れた人(例:ビザの期限が終わって更新手続きを行わないまま日本に滞在する人)
    • 犯罪や水商売の従事などの理由で強制退去が決まった人
  2. 出入国在留管理庁(旧:入国管理局)から就労許可を受けずに勤務するケース
    • 観光ビザで働く人
    • 国から就労不可と判断されたにも関わらず働く人
  3. 出入国在留管理庁(旧:入国管理局)から認められた範囲を超えて働くケース
    • 就労許可以外の仕事をしてしまう人
    • 許可された労働時間より長く働く人

くわしくはこちらの記事:不法就労の外国人を雇ってしまったら!?外国人雇用のリスクと回避方法

不法就労の外国人を雇用すると不法就労助長罪に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科される可能性があります。

外国人雇用状況の届出の提出

外国人を雇用した場合、外国人雇用状況の届出を提出する必要があり、退職する時も同様です。

提出が漏れると、1名につき最大30万円の罰金が科される可能性があります。

また、提出した届出書に誤った情報が記載された場合も罰されます。

くわしくはこちらの記事:【記入例付き】外国人雇用状況届出書の書き方・提出方法・期限の徹底解説

外国人雇用にあたって習慣上の注意点

日本とは違う文化や宗教における習慣の違いをきちんと認識・理解しないと、一緒に働くうえでトラブルが発生する可能性があります。

また、日本人にとっては常識であることも、外国人に通用しない場合もあるので、教育や研修を行い外国人に理解してもらう必要があります。

文化習慣

日本人の常識がすべての外国人に通じるとは限りません。

例えば、日本人は挨拶や時間を守ることが非常に大切とされていますが、外国人はそこまで意識しない可能性があります。

そのような文化ということを理解して、怒るのではなく教えていく必要があります。

一方、外国人の習慣も日本人と異なる場合があります。

たとえば、ベトナム人や中国人は旧正月に帰省して、親戚や友人と集まってお祝いをする習慣があります。

その時期に長期休暇を希望する人も多くいるので、できる限り叶えてあげるようにしましょう。

宗教

外国人は日本よりも宗教意識が高い人が多くいます。

そのような人たちにも、信仰する宗教に対して配慮しましょう。

たとえば、ヒンドゥー教の信者は牛肉を食べませんし、1日の決まった時間にお祈りをする人もいます。

職場全体でこのような行動に対する理解をしていく必要があります。

雇用できる在留資格

雇用できる在留資格

在留資格とは、外国人が日本で滞在できる証明で外国人が日本に来る前にその目的を国に提出する必要があります。

審査後に適切な在留資格を付与され、在留資格によって日本で従事できる活動が変わります。

就労活動できない在留資格の人を雇用してしまうと不法就労助長罪に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科される可能性があります。

雇用できる在留資格をいくつか紹介します。

くわしくはこちらの記事:【決定版】在留資格一覧表|全29種類と就労可否まとめ

身分系の在留資格

「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」、4つの在留資格は身分系の在留資格に分類されています。

彼らは日本人と同じように、就労時間に制限なく働けます。また、ほぼすべての職種に就くことも可能です。

「技術・人文知識・国際業務」

就労ビザの1つで主にホワイトカラーの仕事をすることができます。

たとえば、技術者やエンジニア、事務職、通訳、翻訳、デザイナーなどが挙げられます。

ただし、従事する業務内容が外国人の学歴や職歴に関連したものでないといけないので注意しましょう。

「技能」

産業の特殊分野で活動ができる在留資格でたとえば、中華料理やフランス料理などのコック、外国様式の建物の建築技能者、貴金属などを扱う職人が挙げられます。

「留学」や「家族滞在」の資格外活動許可

在留資格「留学」や「家族滞在」の人は就労目的で日本に来たわけではありませんが、資格外活動許可を取得すれば許可されていない活動もできるようになります。

ただし、就労時間は1週間に28時間以内と決まっているので注意しましょう。その制限を超える不法就労となります。外国人を雇用する際には、労働時間の管理をしっかりとしないといけません。

くわしくはこちらの記事:資格外活動許可とは?| 留学生雇用の注意点

「特定技能」

特定産業分野と呼ばれる人手不足が厳しい12分野の業界で、一定程度の技能・知識を有する外国人に与える在留資格です。

特定産業分野に指定されている業界は、航空業、素形材/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業、漁業、建設業、農業、造船・舶用工業、介護業、宿泊業、外食業、ビルクリーニング業、自動車整備業となります。

「特定技能」を取得するためには、それぞれの分野の「特定技能評価試験に合格すること」、もしくは「技能実習を修了すること」のいずれかを満たさなければなりません。

くわしくはこちらの記事:8分でわかる!「特定技能」とは?雇用方法や注意点、「技能実習」との違いも

まとめ

外国人を雇用する際は、いくつかの注意点があります

特に、最低賃金を守らなかったり不法就労をさせてしまった場合は知らなったとしても違法行為になってしまい、罰が科される可能性があります。

ほかにも外国人の文化や宗教などの週間は日本人と異なるので、理解を深め受け入れることが重要です。

また、在留資格によって就労できるかどうか、働くことのできる業種などが変わってくるので、事前に確認しましょう。

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外国人雇用を検討していても、在留資格や制度や手続き・受け入れ環境の整備など、わからないことが多くて不安という方が多いのではないでしょうか。

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