インドネシア人の性格・気質とは? 日本の職場で評価・誤解されやすい点、定着につながる接し方を解説

2026/03/06

インドネシア人の性格・気質とは? 日本の職場で評価・誤解されやすい点、定着につながる接し方を解説

この記事でわかること

  • インドネシア人に多く見られる性格・気質
  • インドネシア人が日本の職場で評価される強み
  • インドネシア人の定着を促す伝え方とマネジメント方法

日本で特定技能外国人として活躍する人数は年々増加傾向にあり、中でもインドネシアは増加率の高さが注目されている国の一つです。製造業や宿泊業、外食業など、人手不足が深刻な現場を中心に、インドネシア人材の受け入れを検討する企業が増えています。一方で「性格や価値観が日本人と合うのか」「職場でのコミュニケーションに問題は起きないか」といった不安を感じている企業担当者の方もいるでしょう。

そこで本記事ではインドネシア人に多く見られる性格・気質の傾向を整理した上で、日本の職場環境で評価されやすいポイントや、日本人が誤解しやすい点、定着率を高めるための接し方・マネジメントのポイントを解説します。

インドネシア人材の特性を正しく理解することで、採用後のミスマッチを防ぎ、定着・戦力化までを見据えた人材活用につなげられるでしょう。

▼参考:出入国在留管理庁 特定技能在留外国人数の公表等

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インドネシア人の性格を理解する前に押さえておきたい前提

インドネシアは、約1万7,500以上の島々から構成される世界最大の島嶼(とうしょ)国家であり、国内には1,300以上もの民族が共存しています。そのため一口にインドネシア人といっても、地域や民族によって文化や価値観、行動の傾向に違いが見られます。

▼参考:外務省 インドネシア共和国基礎データ

「性格」は国民全体に共通するものではない

インドネシアの各民族は、それぞれに異なる文化的特徴があるといわれています。例えば、人口の約4割を占めるジャワ人は、温厚で対立を避け、遠回しな表現を好む傾向があります。一方、西ジャワを中心に暮らすスンダ人は、明るくユーモアを大切にする気質が特徴です。

また北スマトラのバタック人は率直な物言いをし、議論を好む傾向があるとされ、西スマトラのミナンカバウ人は商才に長け、独立心が強い民族として知られています。このように、民族ごとに異なる文化や価値観が存在しており、行動や考え方にも違いが見られます。

そのため個人の性格を「インドネシア人だからこうである」と一概に捉えることは適切ではありません。インドネシア人の性格を理解する際には、多様な民族的背景を持つ人々がいることを踏まえ、個人差が大きいという前提を持つことが重要です。

宗教や文化などの社会背景が行動に影響している

インドネシア人を理解する上で欠かせない要素の一つが、宗教です。憲法で信教の自由が保障されており、政府はイスラム教・キリスト教(プロテスタント・カトリック)・ヒンドゥー教・仏教・儒教を公認しています。宗教は生活基盤の一つであり、日常の行動や価値観、判断基準に影響を与える要素として位置付けられているのです。

また、インドネシアは赤道直下の温暖な気候に属する国であり、こうした自然環境が人々の生活リズムや気質に影響を与えているとも考えられています。あくせくと行動するよりも、状況に応じて柔軟に対応するスローペースな考え方や「ジャム・カレット(ゴムの時間)」と呼ばれる独特の時間感覚も、こうした文化的・環境的背景と結び付けて説明されます。

インドネシア人の特徴や文化的・宗教的背景については、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

インドネシア人の特徴とは? 文化や価値観など採用・受け入れ時に知っておきたいポイントを解説

インドネシア人に多く見られる性格・気質

ここでは、多くのインドネシア人に見られる性格・気質をご紹介します。

楽天的でポジティブな思考の人が多い

インドネシア人の気質を表す言葉として「Tidak apa-apa(ティダッ・アパアパ/大丈夫、問題ない)」という表現があります。この言葉に象徴されるように、インドネシア人は日常生活や仕事の中で小さなトラブルが起きても、過度に深刻に受け止めず、前向きに受け流そうとする人が多いです。

また基本的に明るくフレンドリーで、初対面でも笑顔で接する人が多い傾向にあります。そのため、日本人から見ると精神的におおらかな人と映ります。

人間関係の調和を重視する

インドネシア社会には「ゴトン・ロヨン(Gotong Royong)」と呼ばれる相互扶助の精神が根付いています。これは自分一人の利益よりも、家族や地域、職場といったコミュニティ全体の調和や助け合いを重視する考え方です。

こうした価値観は行動にも表れており、周囲と協力しながら物事を進めようとする姿勢や、困っている人を自然に支援しようとする態度が多く見られます。実際に、イギリスの慈善団体・Charities Aid Foundationが公表している「世界寄付指数(World Giving Index)」において、インドネシアは7年連続で1位にランクインしており、他者への貢献意識の高さが世界的にも評価されています。

そのため対立や衝突を避け、職場や人間関係においても円滑な関係を維持しようとする傾向が大きいです。

▼参考:Charities Aid Foundation World Giving Index

穏やかで感情を表に出しにくい

インドネシア人の中でも、特に人口割合の多いジャワ人の文化では、怒りや不満といった負の感情を表に出すことは未熟な振る舞いとされ、常に穏やかで礼儀正しく振る舞うことが美徳とされています。

その影響から、不満や違和感があっても表情や態度に出さず、笑顔で対応するケースが少なくありません。このため、日本人側が「問題がない」と受け取ってしまい、後になって認識のズレに気付くこともあります。感情を表に出さないからといって納得していないわけではなく、あくまで対立を避けるための行動である点を理解しておく必要があります。

直接的な否定を避ける傾向がある

インドネシア人は、相手の気分を害することや人間関係を壊すことを強く避ける文化的背景があるとされています。そのため「No(いいえ)」や「できません」といった直接的な否定表現を使うことに抵抗を感じる人が多いです。これは嘘をついているというよりも、相手との関係性を損なわないための配慮であり、ハイコンテクスト文化(非言語的なサインを察する文化)の一例であるといわれています。

業務上のやり取りでは「はい」という返答が理解や実行を意味しているのかを、その場で具体的に確認することが重要になるでしょう。

日本の職場環境で評価されやすいインドネシア人の性格傾向

先述したインドネシア人の性格や気質の中には、日本の職場文化と相性が良く、プラスの評価につながりやすいものがあります。

指示を否定せず受け止めようとする姿勢

インドネシア人は、上司や年長者を敬う価値観を持つ人が多く、指示や依頼に対して否定的な態度を取らず、まずは受け止めようとする姿勢が見られます。上司の意見に異を唱えることを失礼だと感じる文化的背景があり、会議や業務指示の場面でも自己主張を控える傾向があるのです。

そのため不平不満を表に出すことなく、与えられた業務に真面目に取り組もうとする姿勢は、日本の職場環境において「素直」「真面目」といった点で評価されやすい側面があります。

集団行動や協調性を重んじる

先述したゴトン・ロヨン(相互扶助)の精神は、職場環境においても発揮されやすいです。個人で成果を出すことよりも、チームや仲間との協力を重視し、周囲と足並みをそろえて業務を進めようとする姿勢が見られます。

同僚が困っている場面では自然に手を差し伸べるなど、助け合いを前提とした行動が取られることも多く、複数人で業務を進める現場や、チームワークが求められる職種においては、なじみやすい性格傾向だといえます。

宗教的な倫理観が行動の規範となっている

インドネシア人の多くは信仰心が厚く、宗教的な教えが日常生活や行動の基準となっているとされています。イスラム教をはじめとする宗教の教えでは「嘘をつかない」「盗まない」といった倫理観が重視されており、これを行動規範として意識している人も少なくありません。

また「神が見ている」という意識が仕事に対する姿勢にも影響し、与えられた役割を誠実に果たそうとする考え方につながっていると考えられます。こうした倫理観は、職場における規律や信頼関係を重視する日本企業の文化とも親和性がある側面です。

困難な状況を受け入れる柔軟性の高さ

先述した「ティダッ・アパアパ」という考え方は、トラブル時の対応にもプラスの働きをします。例えば問題が起きた際に、感情的になったり過度に落ち込んだりするのではなく、まずは現状を受け入れ「大丈夫、問題ない」の精神で対応しようとするのです。

こうした柔軟な姿勢やストレス耐性の高さは、環境変化の多い現場や臨機応変な対応が求められる職場において、安定した就労につながる要素の一つとして評価されることがあります。

日本人が誤解しやすいインドネシア人の性格的特徴

インドネシア人の性格や行動は、日本の職場環境に適した面もあれば、注意が必要な面もあります。ここでは、特に日本人が誤解しやすい性格的特徴を解説します。

「はい」と答える = 理解・同意とは限らない

先述した通り、インドネシア人はその場の空気や人間関係を大切にする文化的背景から、内容を十分に理解していない場合でも、笑顔で「はい」と返事をすることがあります。あくまでも相手を否定しないための配慮や、会話を円滑に進めるための相槌として使われているのですが、日本の職場では「理解・合意・実行の意思」を意味することが一般的です。

そのため、インドネシア人の「はい」を日本人の感覚で受け取ってしまうと、業務内容や認識にズレが生じ、後から「話が伝わっていなかった」「想定と違う行動をしていた」といったトラブルにつながることがあります。

このような誤解を防ぐためには「理解できたか」「どのように対応する予定か」といった点を、具体的に確認することが重要です。

意見を言わない = やる気がないわけではない

会議や打ち合わせの場で発言が少ない場合「意欲が低い」「主体性がない」と受け取られてしまうことがありますが、インドネシア人の場合、必ずしもそうとは限りません。目立つ発言を避けたり、上司や年長者に対して意見を述べることを遠慮したりする文化的背景が影響している可能性があるためです。

そのため全体の場では発言を控えていても、個別に話を聞くと自分なりの考えや意見をしっかり持っているケースも少なくありません。「分かっているか?」と問いかけた際に沈黙が返ってきた場合でも、理解していない、あるいはやる気がないと即断するのではなく、別の形で確認する姿勢が求められます。

インドネシア人の性格や行動を正しく理解するためには、発言の量や積極性だけで判断せず、文化的背景を踏まえたコミュニケーションが重要です。

インドネシア人の性格を踏まえた接し方・マネジメントのポイント

日本の職場環境で円滑に協働するためには、日本人側が一方的に価値観を押し付けるのではなく、性格や背景を踏まえた接し方やマネジメントを意識することが重要です。ここでは、現場で特に意識したいポイントを解説します。

人前で強く注意しない

インドネシア人は、プライドや「メンツ」を重んじる文化的背景を持つ人が多いです。そのため、人前で強く叱責されると「恥をかかされた」「人格を否定された」と感じ、大きな精神的ショックを受けることがあります。

そのため注意や指導が必要な場面では、必ず人目のない場所に移し、1対1で落ち着いて行うことが重要です。その際、感情的に怒るのではなく「なぜ問題なのか」「どのように改善すればよいのか」を、論理的かつ穏やかな言葉で説明する必要があります。このような対応を取ることで、相手も納得し、改善に向けて前向きに取り組みやすくなります。

指示や期待は具体的に言語化する

インドネシア人に対して、日本人同士のように「空気を読む」「察する」といった暗黙の理解を期待すると、認識のずれが生じやすくなります。業務を依頼する際は「いつまでに」「どのような手順で」「どの状態まで仕上げるのか」といった点を、できるだけ具体的に伝える必要があります。

曖昧な表現や抽象的な指示は誤解の原因となりやすいため、文章や口頭説明に加えて、図解やマニュアルを用いるなど、視覚的に理解できる工夫を取り入れることも有効です。具体的な期待値をすり合わせることで、業務の質やスピードの安定につながります。

定期的な確認・声かけを行う

先述した通り、インドネシア人には「ジャム・カレット(ゴムの時間)」と呼ばれる独特の時間感覚があります。また他者との衝突を避ける傾向があるため、問題があっても自分からは言い出しにくい傾向があります。そのため業務を完全に任せきりにするのではなく、小まめに進捗を確認することが重要です。

また日常的に「元気ですか」「困っていることはありませんか」といった声かけを行い、相談しやすい雰囲気を作っておくことで、トラブルや不安を早期に把握しやすくなります。こうした心理的安全性のある関係性を築くことが、結果として安定した就労や定着につながるでしょう。

まとめ

インドネシア人の多くは、明るく協調性を重んじる一方で、日本人とは異なる時間感覚や「No」と直接言わないコミュニケーション文化を持っています。こうした特徴は、本人の性格というよりも、宗教観や社会的背景、「相手の顔を立てる」ことを大切にする文化から形成されているものの要素が大きいです。

これらの前提を理解した上で、人前での叱責を避ける、指示や期待を具体的に伝える、定期的に声をかけて確認するといった対応を心がけることで、認識のズレやトラブルを防ぎやすくなります。インドネシア人の性格や価値観を尊重した受け入れ体制作りが、職場での信頼関係構築や長期的な活躍につながる重要なポイントといえるでしょう。

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