求人票の書き方|必須項目とNG表現、20〜30代へのアンケート調査でわかった「届く言葉」を例文付きで解説
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2026/09/25
この記事でわかること
- 求人票の必須項目と、書いてはいけない表現
- 求人票で20〜30代に届く言葉と届かない言葉
- よくある表現の書き換え例文とチェック項目
求人票を書くことになったものの、何をどこまで書けばよいのか、法律上書いてはいけないことは何か。迷いながら前任者の原稿をなぞっている採用担当者は少なくありません。そして、書き方を整えても応募が増えないという悩みもよく聞きます。
求人票には、法律で決まった書くべき項目があります。そのうえで応募を増やすには、読む側が何を基準に仕事を選び、何に迷っているのかを知っておく必要があります。
ここでは、求人票の必須項目とNG表現を押さえたうえで、株式会社ウィルオブ・ワークが20〜39歳の1,101名に行った独自調査から、求職者に届く言葉と届かない言葉を紹介します。項目別の書き方と、悪い例と良い例の書き換え例文もあわせて確認してください。

求人票とは
求人票とは、企業が人材を募集する際に、仕事内容や給与、勤務時間などの労働条件を求職者に示す書類です。ハローワークに提出する求人申込書のほか、求人サイトや求人検索エンジン、自社採用ページに載せる募集情報も、広い意味では求人票にあたります。
求人票の役割
求人票には2つの役割があります。1つは、労働条件を正確に伝え、入社後の食い違いを防ぐこと。もう1つは、自社で働く魅力を伝え、応募を集めることです。
前者は法律で求められている最低限の役割で、ここが欠けるとトラブルになります。後者は応募数を左右する役割です。条件の一覧としては正しくても、仕事の中身や職場の様子が伝わらなければ、求職者は他社の求人と比べて応募を見送ります。
求人票・募集要項・労働条件通知書の違い
求人票とよく混同される書類に、募集要項と労働条件通知書があります。違いを整理すると次のとおりです。
| 書類 | 主な目的 | 渡すタイミング |
|---|---|---|
| 求人票 | 労働条件を示し、応募を集める | 募集時 |
| 募集要項 | 応募資格や選考の流れなど、募集の詳細を示す | 募集時 |
| 労働条件通知書 | 採用が決まった人に、確定した労働条件を書面で通知する | 労働契約の締結時 |
求人票は募集時点の条件を示すもので、労働条件通知書は契約時に確定した条件を示すものです。求人票に書いた条件と、実際に通知する条件が違うと、トラブルの原因になります。
厚生労働省の公表では、令和6年度にハローワークに寄せられた、求人票の記載内容と実際の労働条件が異なるという申出や苦情は3,297件でした。内容別では賃金が929件(20.2%)で最も多く、就業時間661件(14.4%)、職種・仕事の内容591件(12.9%)が続きます。要因別では、求人票の内容が実際と異なるものが1,478件で最多でした(厚生労働省「ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」令和6年度)。
求人票に必ず記載する項目
求人票に書く内容のうち、労働条件の多くは法律で明示が義務付けられています。ここを漏らさないことが、求人票づくりの出発点です。
法律で明示が義務付けられている労働条件
職業安定法第5条の3と同法施行規則第4条の2では、労働者を募集する際に、次の労働条件を明示するよう定めています。
- 業務内容
- 契約期間
- 試用期間
- 就業場所
- 就業時間、休憩時間、休日、時間外労働
- 賃金
- 健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用
- 募集者の氏名または名称
- 派遣労働者として雇用する場合はその旨
- 就業場所における受動喫煙を防止するための措置
- 有期労働契約を更新する場合の基準(更新の可能性がある有期契約の場合)
業務内容と就業場所には、2024年4月から変更の範囲も含めて明示することになりました。詳しくは次の見出しで説明します。また、試用期間中と試用期間後で労働条件が異なる場合は、それぞれの条件を示す必要があります。
2024年4月の改正で追加された明示事項
2024年4月1日から、職業安定法施行規則の改正により、募集時に明示する事項が追加されました(厚生労働省「令和6年4月からの募集時等の明示事項の追加」)。
- 従事すべき業務の変更の範囲
- 就業場所の変更の範囲
- 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)
変更の範囲とは、雇い入れた直後だけでなく、将来の配置転換などで変わる可能性のある業務や就業場所の範囲のことです。たとえば、店舗スタッフとして採用するが将来は本部の業務に就く可能性がある、全国の店舗への転勤がある、といった場合は、その範囲を書きます。
記載例は次のとおりです。
- 業務内容(雇入れ直後):店舗での接客、レジ、商品陳列
- 業務内容(変更の範囲):会社の定める業務
- 就業場所(雇入れ直後):〇〇店(東京都〇〇区)
- 就業場所(変更の範囲):会社の定める首都圏の店舗
変更の範囲を会社の定める業務とだけ書く方法もありますが、求職者から見ると何をするのかがわからず、応募をためらう原因になります。実際に想定している範囲がある場合は、具体的に書くほうが信頼につながります。
有期契約の場合は、契約を更新するかどうかの判断基準に加えて、通算の契約期間や更新回数に上限を設けているなら、その内容も明示します。
固定残業代・試用期間を書くときの注意
固定残業代(みなし残業代)を採用している場合は、次の3点をすべて明示する必要があります。若者雇用促進法に基づく指針で定められ、若者が応募する可能性のある求人が対象です(厚生労働省「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」)。
- 固定残業代を除いた基本給の額
- 固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法
- 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働、深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨
記載例としては、基本給○○円(□□手当を除く額)、□□手当(時間外労働の有無にかかわらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給)、○時間を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給、という書き方になります。
月給25万円(固定残業代含む)のように、固定残業代を基本給に含めた総額だけを書くのは避けてください。基本給がいくらなのか、何時間分の残業代が含まれているのかがわからず、入社後のトラブルになりやすい書き方です。
試用期間がある場合は、その期間と、試用期間中の労働条件が本採用後と異なるかどうかを書きます。試用期間中は給与が異なる場合や、契約社員として雇用する場合は、その条件も明示します。
求人票に書いてはいけないNG表現
求人票には、法律で禁止されている表現や、トラブルの原因になる表現があります。代表的な4つを確認してください。
性別を限定する表現
男女雇用機会均等法第5条では、募集や採用について、性別にかかわりなく均等な機会を与えるよう定めています。厚生労働省の指針と通達では、男女のいずれかを表す職種名を使うことや、男性歓迎、女性向きの職種といった表示を禁止しています。
- NG:営業マン、ウェイター、カメラマン、ウェイトレス、セールスレディ、男性歓迎、女性歓迎、男性優先
- OK:営業スタッフ、ホールスタッフ、接客スタッフ、カメラマン(男女)、ウェイター・ウェイトレス
マン、ボーイ、レディ、ガールなどを含む職種名は、カッコ書きで男女と添えるか、男女の名称を並べて書けば使えます。ただし、求人検索で見つけてもらうことを考えると、最初から性別を含まない職種名にするほうが扱いやすいはずです。
例外として、男女の格差を解消する目的で、女性が4割を下回る職種などで女性を優遇して募集するポジティブ・アクションは認められています。芸術・芸能の分野や、防犯上の理由で男性に限る必要がある守衛・警備員などの職務も、適用が除外されます。
例外に当たらない場合、女性が活躍中という表現も、性別で応募を制限する意図がなくても、読み手には女性向けの求人に見えることがあります。実際の職場の男女比を伝えたい場合は、男女ともに活躍中のように書くか、配属先の人数構成として事実を示す方法があります。
年齢を限定する表現と、認められる例外
労働施策総合推進法第9条により、募集や採用では年齢にかかわりなく均等な機会を与える必要があり、年齢制限は原則として禁止されています。20代限定、35歳まで、若い人歓迎といった表現は使えません。
ただし、同法施行規則第1条の3で、例外的に年齢制限が認められる場合が定められています。
- 定年の年齢を下回ることを条件に、期間の定めのない労働契約で募集する場合
- 労働基準法などの法令で、特定の年齢の就業が禁止・制限されている業務の場合
- 長期勤続による能力開発のため、若年者などを募集する場合(期間の定めのない契約であること、職業経験を問わないこと、新卒者と同等の処遇で募集することが条件)
- 特定の職種で特定の年齢層の労働者が相当程度少ない場合に、技能や知識の継承のため、その年齢層に限定して期間の定めのない労働契約で募集する場合
- 芸術・芸能の分野で、表現の真実性などを確保するために募集する場合
- 60歳以上の高年齢者や、国の施策を活用して特定の年齢層の雇用を促進するために募集する場合
厚生労働省のパンフレットでは、35歳未満の方を募集(職務経験不問)は認められる例として、35歳未満の方を募集(契約期間6ヶ月)や20歳以上35歳未満の方を募集は認められない例として示されています。同じ年齢でも、契約期間や経験の条件によって可否が変わるため、年齢を書く前に、どの例外にどの条件で該当するかを確認してください。例外に当たる場合も、求人票にその理由を書き添えておくと、求職者の誤解を防げます。
最低賃金を下回る給与の記載
給与は、最低賃金法に基づく地域別最低賃金を下回ってはいけません。最低賃金に届かない賃金を定めた労働契約は、その部分が無効となり、最低賃金と同じ額を定めたものとみなされます。
地域別最低賃金は都道府県ごとに定められ、毎年改定されます。令和7年度の全国加重平均額は1,121円でした。令和8年度は全国加重平均1,177円とする目安が答申され、2026年10月1日から12月2日までの間に都道府県ごとに順次発効される予定です(厚生労働省)。
月給制の場合も、月給を月の所定労働時間で割った時給換算額が最低賃金を下回らないかを確認します。手当の中には最低賃金の計算に含めないものがあるため、対象となる賃金の範囲は厚生労働省の最低賃金に関する案内で確認してください。最低賃金の改定時期には、掲載中の求人票の給与が改定後の金額を下回っていないかを見直してください。
事実と異なる内容や誇張した表現
職業安定法第5条の4では、求人情報について、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保つよう定めています。2022年10月の改正で設けられた規定です。
- 実際には支給実績のない賞与を、賞与あり、と書く
- 一部の人しか達成していない月収を、月収50万円可能、と書く
- 実際には残業が多いのに、残業ほぼなし、と書く
- 募集が終わった求人を掲載したままにする
誇張した表現で応募を集めても、面接や入社後に実態との違いがわかれば、辞退や早期離職につながります。業界No.1、誰でも稼げるといった根拠のない表現も避けてください。募集を終了した場合や条件を変更した場合は、速やかに求人情報を修正または削除します。求人メディアに掲載している場合は、終了や変更の反映を依頼し、いつの時点の求人情報かも明らかにしておきます(厚生労働省リーフレット)。
【独自調査】20〜30代に届く求人票の言葉、届かない言葉
ここからは、株式会社ウィルオブ・ワークが実施した調査から、求人票の言葉選びに関わる結果を紹介します。調査の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | AI時代の仕事の選び方に関する調査 |
| 調査対象 | 全国の20〜39歳の男女 |
| 有効回答数 | 1,101名(男性551名、女性550名) |
| 調査方法 | インターネットリサーチ |
| 調査時期 | 2026年9月 |
| 調査主体 | 株式会社ウィルオブ・ワーク |
就業者890名のうち、AIによって自分の仕事が代替されることに不安を感じると答えた人は58.8%でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。以下では、この523名をAI不安層、不安を感じないと答えた367名を非不安層と呼びます。現在仕事をしていない211名はこの設問を聞いていないため、どちらにも含みません。設問はいずれも複数回答のため、合計は100%になりません。
AI時代でも安心の仕事です、という訴求を求人票で見かけることが増えました。しかし調査結果を見ると、この言葉は、AIに不安を感じている当の本人にすら響いていない可能性があります。
AIに不安を感じる層が重視する1位は「人と直接関われる」29.6%
仕事を選ぶ際に重視したいことを尋ねたところ、AI不安層の上位は次のとおりでした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ、カッコ内は非不安層)。
- 人と直接関われる:29.6%(8.7%)
- 安定して働ける:29.1%(34.1%)
- 今後も社会に必要とされ続ける:25.8%(11.7%)
- 収入:25.6%(33.0%)
- 専門的な技術・技能が身につく:24.7%(10.1%)
- AIによる代替の影響を受けにくい:20.7%(6.5%)
1位は人と直接関われるで、非不安層との差は20.9ポイントありました。今後も社会に必要とされ続ける、専門的な技術・技能が身につくも、非不安層より14ポイント以上高くなっています。
求人票で伝えるべきなのは、人と関わる場面がどれだけあるか、その仕事がなぜ社会に必要なのか、どんな技術が身につくのか、という仕事の中身です。
「AIに代替されにくい」は6位、「AIを活用しながら働く仕事」は層による差がない
AIによる代替の影響を受けにくいを重視すると答えた人は、AI不安層でも20.7%で、6位にとどまりました(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。人と直接関われるや、社会に必要とされ続けるのほうが、はるかに上位です。
今後関心のある仕事の特徴を尋ねた設問では、AIを活用しながら、人が中心となって担う仕事を挙げた人は、AI不安層で8.4%、非不安層で11.4%でした。この項目では両者の間に有意な差はなく、AI不安層のほうが高くなっている項目ではありません(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。
さらに、転職や仕事選びで不安に感じることとして、AIによって仕事が今後どう変わるか分からないを挙げた人は、AI不安層でも8.4%で、AI不安層が挙げた項目の中で最も低い割合でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。
AIに不安を感じている人でさえ、AIそのものを仕事選びの軸にしているわけではありません。求人票でAI時代でも安心、AIに負けない仕事と書くよりも、人と関わる仕事、手に職がつく仕事と書くほうが届きます。
条件で選ぶ層と、仕事の中身で選ぶ層がいる
非不安層が仕事選びで重視することの上位は、働きやすさ34.3%、安定して働ける34.1%、収入33.0%でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。働きやすさは、AI不安層では17.8%で、非不安層より16.6ポイント低くなっています。
非不安層は条件で選び、AI不安層は仕事の中身で選んでいます。求人票に働きやすさや給与の条件だけを並べると、条件で選ぶ層には届いても、仕事の中身で選ぶ層には届きません。
どちらの層を狙うかで、求人票の冒頭に置く情報は変わります。ただし、条件で選ぶ層にとっても、給与や休日は正確に書かれていることが前提です。条件は正確に書き、そのうえで仕事の中身を言葉にする。この順序で組み立てると、両方の層に届く求人票になります。
応募をためらう理由は「未経験」43.4%、「体力」33.0%、「給与」32.0%
挑戦してみたい仕事を自分では選ばない、または迷う理由を尋ねたところ、AI不安層で多かったのは次の項目でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ、カッコ内は非不安層。この設問のみ回答者数が異なり、AI不安層463名、非不安層237名)。
- 未経験でもできるか不安:43.4%(25.7%)
- 体力面が不安:33.0%(20.3%)
- 給与・待遇が気になる:32.0%(24.1%)
- キャリアアップのイメージがない:16.0%(6.8%)
AI不安層は、今後挑戦したい仕事が特にないと答えた人が25.8%にとどまり、非不安層の65.7%を大きく下回りました(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。挑戦したい気持ちはあるのに、未経験でできるのか、体力が続くのかという不安で足を止めている状態です。
求人票がこの不安に答えていれば、応募の手前で離れていく人を減らせます。
調査から見える、求人票の言葉選びの3つの原則
調査結果を求人票の書き方に置き換えると、次の3つの原則にまとまります。
- AIという言葉を主語にしない。AI時代でも安心と書くより、人と関わる場面、社会に必要とされる理由、身につく技術を具体的に書きます。
- 条件は正確に書き、そのうえで仕事の中身を言葉にする。条件だけの求人票は、仕事の中身で選ぶ層に届きません。
- 未経験、体力、キャリアの不安に先回りする。研修の内容、体への負担の実態、入社後の成長の道筋を書きます。
以降の項目別の書き方と書き換え例文は、この3つの原則に沿って紹介します。
応募が集まる求人票の書き方(項目別)
求人票の主な項目ごとに、書き方のポイントを紹介します。
職種名とキャッチコピー
職種名は、求職者が検索する言葉で書きます。社内の呼び方や独自の肩書きを職種名にすると、求人サイトや求人検索エンジンで検索したときに表示されません。
たとえば、社内でクルーと呼んでいる店舗スタッフなら、職種名は販売スタッフ、接客スタッフのように一般的な言葉にします。雇用形態や勤務地、未経験歓迎などの情報を職種名に添えると、検索結果の一覧でも目に留まりやすくなります。
キャッチコピーは、仕事の中身が一言で伝わる内容にします。アットホームな職場、やりがいのある仕事といった、どの求人にも書けそうな言葉は避けてください。
仕事内容
仕事内容は、求人票の中で最も読まれる項目です。1日の流れ、担当する業務の割合、使う道具やシステム、関わる人を具体的に書き、働く姿が想像できるようにします。
AI不安層が重視する人と直接関われることを伝えるなら、どんな人と、どんな場面で、どのように関わるのかを書きます。お客様の相談に乗る、利用者の方の生活を支える、チームで声を掛け合うといった場面は、読み手にとって仕事の手ざわりになります。
業務を箇条書きで並べるだけでなく、その仕事がなぜ必要とされているのかを一文添えると、社会に必要とされ続ける仕事であることが伝わります。
応募資格と求める人物像(必須要件と歓迎要件を分ける)
応募資格は、必須要件と歓迎要件に分けて書きます。必須要件は、入社時点で本当に欠かせないものだけに絞ってください。入社後の研修で身につけられるスキルを必須要件にすると、未経験者の応募を最初から締め出すことになります。
求める人物像は、スキルよりも仕事への向き合い方で書くと、未経験者も自分が当てはまるかを判断しやすくなります。人と話すことが好きな方、チームで協力して働きたい方のように、仕事の中身と結びついた言葉を選びます。
給与・賞与
給与は、月給、時給、年収の別と金額を正確に書きます。幅を持たせる場合は、どんな経験や条件でその金額になるのかを添えます。
給与・待遇が気になると答えた人は、AI不安層で32.0%でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。未経験で入社した人の初年度の給与例や、昇給の仕組み、資格手当などを具体的に書くと、入社後の収入の見通しが立ちやすくなります。賞与は、支給実績がある場合に、その回数や実績を書きます。
勤務時間・休日
勤務時間は、始業と終業の時刻、休憩時間、シフト制の場合はシフトのパターンを書きます。残業がある場合は、月の平均残業時間を書くと、働き方のイメージが持てます。
休日は、年間休日数と、週休2日制か完全週休2日制かを区別して書きます。週休2日制は、月に1回以上週2日の休みがある制度で、毎週2日休めるとは限りません。この違いを曖昧にすると、入社後の食い違いにつながります。
研修制度とキャリアパス
未経験者の応募を集めたい場合、最も力を入れて書くべき項目です。未経験でもできるか不安と答えた人は、AI不安層で43.4%でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。
研修の期間と内容、誰が教えるのか、独り立ちまでの目安の期間を書きます。入社後のキャリアパスとして、リーダーや店長への登用の流れ、取得できる資格、資格取得の支援制度も示します。専門的な技術・技能が身につくことは、AI不安層が重視する項目の一つでした。
募集背景と職場の様子
募集背景は、なぜ今この求人を出しているのかを書く項目です。事業拡大のための増員なのか、欠員補充なのかによって、求職者が受け取る印象は変わります。新店舗のオープンや事業の拡大であれば、会社の成長性が伝わります。
職場の様子は、配属先の人数、年齢層や男女の構成、未経験から入社した人の割合など、事実で伝えます。写真や動画を載せられる媒体であれば、実際に働く人や職場の様子を見せると、文字だけでは伝わらない雰囲気が伝わります。
求人票の書き換え例文(悪い例と良い例)
ここでは、独自調査の結果をもとに、よくある求人票の表現を書き換えた例文を紹介します。例文は説明のためのもので、実際に書く際は自社の事実に合わせて内容を調整してください。
「AI時代も安心の仕事」を「人と関わる仕事」に書き換える
悪い例:
AI時代でもなくならない、安心の仕事です。将来性抜群!
良い例:
ご来店されたお客様の話を聞き、一人ひとりに合った商品をご提案する仕事です。また来たよ、と声をかけてくださる常連のお客様も多く、人と直接関わることが仕事の中心にあります。
悪い例の将来性抜群は根拠がなく、AI時代でもなくならないという言葉は、調査ではAI不安層にもあまり響いていないことがわかっています。良い例では、人と関わる具体的な場面を書くことで、仕事の中身が伝わるようにしています。
「未経験歓迎」だけで終わらせない
悪い例:
未経験歓迎!丁寧に教えます。
良い例:
未経験から入社した方がほとんどです。入社後2週間は先輩スタッフと一緒にシフトに入り、レジ操作や接客の基本を覚えていただきます。1か月ほどで一人で店頭に立てるようになる方が多く、その後も困ったときは店長やリーダーに相談できます。
丁寧に教えますという言葉だけでは、何をどれくらいの期間で覚えるのかがわかりません。良い例では、研修の期間、覚える内容、独り立ちまでの目安、相談できる相手を具体的に書いています。ここに書く数字は、実際の研修の実態に合わせてください。
体力面の不安に、仕事の実態で答える
悪い例:
体力に自信のある方歓迎!
良い例:
立ち仕事が中心ですが、休憩は4時間ごとにしっかり取れます。重い商品の搬入は台車を使い、2人1組で行います。シフトは連勤が続かないよう、希望を聞いて組んでいます。
体力に自信のある方歓迎と書くと、体力に不安がある人は最初から応募を見送ります。体力面が不安と答えた人は、AI不安層で33.0%でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。良い例では、体への負担の実態と、負担を軽くする工夫を書いています。負担がある事実は隠さず、そのうえで対策を示すのがポイントです。
キャリアアップのイメージを具体的に見せる
悪い例:
頑張り次第でキャリアアップ可能!
良い例:
入社後1年ほどでリーダーを目指せます。リーダーになると、新人スタッフの指導やシフト作成も担当します。店長への登用制度があり、販売の知識に加えて、店舗運営やスタッフ育成の経験を積めます。
頑張り次第でという言葉は、何をどれくらい頑張ればよいのかがわからず、読み手には何も伝わりません。良い例では、どのくらいの期間で、どんな役割を経て、どんな経験が積めるのかを書いています。
職種別の求人票の書き方のポイント
職種によって、求職者が知りたい情報や不安に感じることは異なります。現場職を中心に、4つの職種のポイントを紹介します。
接客・販売
接客・販売は、AI不安層の挑戦意向が高い職種です。今後挑戦してみたい仕事として接客・サービスを挙げた人は、AI不安層で27.9%、非不安層で8.2%、販売は11.9%と5.7%でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。
お客様とのやり取りの場面、扱う商品、ノルマの有無を書きます。ノルマがある場合は隠さず、目標の決め方や達成できなかった場合の扱いを書くと、不安が和らぎます。シフトの組み方や、土日祝日の勤務の有無も、応募を判断するうえで重視される情報です。
ホテル・宿泊、飲食
ホテル・宿泊と飲食・調理も、AI不安層の挑戦意向が高い職種でした。AI不安層で18.4%と17.8%、非不安層で5.2%と2.2%です(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。
ホテル・宿泊では、フロント、客室、レストランなど担当する業務の範囲と、夜勤の有無を明確にします。飲食では、ホールとキッチンのどちらを担当するのか、調理経験がなくても始められるのか、まかないの有無などを書きます。いずれも、忙しい時間帯と落ち着いている時間帯を書くと、働く姿が想像しやすくなります。
介護・保育
調査では、介護や保育を今後も人が担う役割が大きい仕事として挙げた割合に、AI不安層と非不安層で有意な差はありませんでした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。ケア職を人の仕事と見る評価は、AIへの不安の有無にかかわらず共有されています。
仕事の価値はすでに伝わっているため、求人票で力を入れるべきは、未経験から始められる入口の見せ方です。資格がなくても始められるか、資格取得の支援制度はあるか、夜勤の有無と回数、身体的な負担を減らす設備や工夫を具体的に書きます。
コールセンター・事務
コールセンターや事務は、オフィスでの仕事を希望する人が応募する職種です。扱う商材や問い合わせの内容、電話の件数の目安、使用するシステムを書きます。
調査では、AIへの不安は事務・管理で67.4%(n=184)と高い水準でした(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。現在オフィスで働く人を採用する場合も、AIへの不安を感じている可能性を踏まえ、お客様の声に直接応える仕事であること、身につくスキルが次のキャリアにどうつながるかを伝えると届きやすくなります。
掲載先別の書き方の違い
求人票は、どこに掲載するかによって、書ける文字数や表示のされ方が変わります。代表的な4つの掲載先の違いを紹介します。
ハローワーク
ハローワークの求人票は、決まった様式に沿って記入します。各欄の文字数に上限があるため、仕事内容や会社の特長の欄では、限られた文字数で要点を伝える工夫が必要です。
求人票はハローワークインターネットサービスでも公開され、スマートフォンで見る求職者も多くいます。仕事内容の冒頭に最も伝えたいことを置き、1日の流れや研修の内容など、求職者の不安に答える情報を優先して書きます。ハローワークでは求人票の書き方の相談にも応じているため、初めて書く場合は窓口に相談するのも一つの方法です。
求人サイト
求人サイトは、文字数の制限が比較的ゆるく、写真や動画も掲載できます。仕事内容や職場の様子、社員インタビューなど、ハローワークの求人票では書ききれない情報を載せられます。
同じサイト内で他社の求人と並べて比べられるため、一覧に表示されるキャッチコピーや写真で、クリックされるかが決まります。求人サイトの担当者に、掲載している職種でよく検索される言葉を聞き、職種名やキャッチコピーに反映させてください。検索される言葉と原稿の言葉が揃うほど、一覧に表示される機会が増えます。
Indeedなどの求人検索エンジン
Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンでは、求職者が職種名や勤務地で検索した結果に求人が表示されます。職種名が検索される言葉と一致していないと、表示されにくくなります。
職種名には、求職者が検索する一般的な言葉を使います。仕事内容の冒頭にも、仕事の要点と勤務地、雇用形態を入れておくと、検索結果の一覧で内容が伝わりやすくなります。
自社採用ページ
自社採用ページは、文字数や形式の制限がなく、最も自由に情報を載せられる掲載先です。求人サイトや求人検索エンジンで興味を持った人が、応募前に確認しに来る場所でもあります。
研修の流れ、社員インタビュー、1日のスケジュール、キャリアパスの実例など、応募を迷っている人の不安に答える情報を詳しく載せます。未経験者の応募を集めたいなら、未経験から入社した社員の声を載せると、応募を後押しできます。
公開前のチェックリストと、公開後の改善
求人票は、公開する前の確認と、公開した後の見直しの両方で質が上がります。
公開前に確認する10項目
求人票を公開する前に、次の10項目を確認してください。
- 職業安定法で定められた労働条件の明示事項が、すべて書かれているか
- 業務と就業場所の変更の範囲、有期契約の更新基準が書かれているか
- 固定残業代がある場合、基本給、時間数と金額、超過分の支払いが書かれているか
- 性別を限定する表現が入っていないか
- 年齢を限定する表現が入っていないか。入っている場合は例外の理由を示しているか
- 給与が最新の地域別最低賃金を下回っていないか
- 事実と異なる内容や、根拠のない誇張表現が入っていないか
- 職種名が、求職者が検索する言葉になっているか
- 仕事内容で、1日の流れや人と関わる場面が伝わるか
- 未経験、体力、キャリアの不安に答える情報が入っているか
1〜7はトラブルを防ぐための確認、8〜10は応募を集めるための確認です。どちらかが欠けても、求人票としての役割は果たせません。
公開後に見るべき数値と見直し方
求人票は公開したら終わりではありません。求人サイトや求人検索エンジンの管理画面で、表示回数、クリック数、応募数を確認し、どの段階で求職者が離れているかを見ます。
- 表示回数が少ない場合:職種名や勤務地の書き方が検索に合っていない可能性があります。職種名を一般的な言葉に変えてください。
- 表示回数は多いがクリックが少ない場合:一覧に表示されるキャッチコピーや写真が、他社の求人に負けている可能性があります。
- クリックは多いが応募が少ない場合:求人票の中身が、求職者の不安に答えていない可能性があります。仕事内容や研修制度の書き方を見直してください。
見直しは一度に全部を変えるのではなく、1つの項目を変えて数値の変化を見るほうが、何が効いたかがわかります。
求人票だけで応募が増えないときの打ち手
求人票を見直しても応募が増えない場合は、掲載先や採用手法そのものが、狙っている層に合っていない可能性があります。求人票の改善と並行して、掲載先の追加や採用手法の組み合わせを見直してください。採用手法の選び方と組み合わせ方は、中途採用の母集団形成を解説した記事で詳しく解説しています。
ウィルオブ・ワークでは、販売・接客、コールセンター、事務、製造、介護などの分野で、人材派遣と人材紹介を提供しています。東証プライム上場グループの一員として、全国50拠点以上、2,800社以上の取引実績があり、約93万人の登録スタッフの中から人材をご紹介します。自社の求人だけでは人が集まらない、急な欠員を埋めたいといった場合にもご相談いただけます。
求人票の書き方に関するよくある質問
求人票の書き方について、採用担当者からよく寄せられる質問にお答えします。
求人票に書いてはいけないことは?
性別を限定する表現、年齢を限定する表現、最低賃金を下回る給与、事実と異なる内容や誇張した表現は書けません。性別は男女雇用機会均等法、年齢は労働施策総合推進法、虚偽や誤解を生じさせる表示は職業安定法で定められています。年齢については、定年を上限とする場合や、職業経験を問わず若年者を期間の定めのない契約で募集する場合など、例外が認められるケースもあります。
求人票に必ず記載すべき内容は?
業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間と休日、賃金、社会保険の適用、募集者の名称、受動喫煙を防止する措置などが、職業安定法で明示が義務付けられています。2024年4月からは、業務と就業場所の変更の範囲、有期契約を更新する場合の基準も追加されました。
求人票で避けたほうがいい言葉は?
営業マンやウェイトレスのように性別を前提とする言葉、20代限定のような年齢を限定する言葉は、法律で禁止されています。法律上の問題がなくても、アットホームな職場、やりがいのある仕事、頑張り次第で高収入といった、具体性がなくどの求人にも書ける言葉は、求職者に何も伝わらないため避けたほうが無難です。
求人票の仕事内容はどのくらいの文字数で書けばいいですか?
掲載先によって書ける文字数が異なるため、一律の目安はありません。ハローワークのように文字数に上限がある場合は、冒頭に最も伝えたいことを置き、要点を絞ります。求人サイトや自社採用ページでは、1日の流れや研修の内容など、働く姿が想像できる情報を十分に書いてください。
「アットホームな職場」は書かないほうがいいですか?
法律で禁止されている表現ではありませんが、どの求人にも書ける言葉のため、職場の雰囲気は伝わりません。アットホームと書く代わりに、配属先の人数や年齢層、休憩時間の過ごし方、困ったときに相談できる仕組みなど、雰囲気を裏付ける事実を書くほうが伝わります。
AI時代の求人で「AIに代替されない仕事」と書くのは効果がありますか?
ウィルオブ・ワークの調査では、AIによる代替に不安を感じる20〜30代でも、仕事選びでAIによる代替の影響を受けにくいことを重視する人は20.7%で、重視することの6位でした。1位は人と直接関われるの29.6%です(株式会社ウィルオブ・ワーク調べ)。AIに代替されないと書くより、人と関わる場面や身につく技術を具体的に書くほうが届きやすいと考えられます。
まとめ:求人票は「条件の一覧」から「不安への答え」へ
求人票は、法律で定められた労働条件を正確に伝え、トラブルを防ぐことが出発点です。2024年4月の改正で追加された変更の範囲や更新基準も含め、明示事項を漏らさず、性別や年齢の限定、誇張した表現を避けてください。
そのうえで応募を集めるには、求職者が何で仕事を選び、何に迷っているかを知る必要があります。ウィルオブ・ワークの調査では、AIに不安を感じる20〜30代が重視していたのは人と直接関われることで、AIに代替されにくいことは6位でした。応募をためらう理由は、未経験、体力、給与への不安です。
AIを主語にせず、人と関わる場面と身につく技術を具体的に書く。未経験や体力の不安に先回りして答える。条件を並べた一覧から、読み手の不安に答える求人票に変えることが、応募を増やす近道です。
採用ジャーナルでは、応募が集まらない採用担当者向けに、採用手法10選と組み合わせ方、未経験人材の集め方をまとめた中途採用の母集団形成を解説した記事も公開しています。

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