建設業界で人材を確保する方法とは?人手不足の課題や対策などを紹介

2024/05/15

建設業界の需要は都市の発展やインフラの拡大とともに着実に増加している一方で、深刻な人手不足が問題になっています。

では、どうして人手不足になっていて、どのようにすれば人材確保へとつながるのでしょうか。

それにはまず現状を把握し、社内制度の見直しや職場改善などの対策を施していくことが必要です。

今回は、建設業界における人手不足の現状と原因を把握し、人材を確保する方法や建設業就業者が定着して働いていけるための対策を説明していきます。

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建設業では人手不足が問題の一つとされていることもあり、人材の確保は難しいと悩まれる企業は少なくありません。とくに、急いで人材が必要になったときや繁忙期に合わせた人材が必要といった希望がある場合は、人材会社に相談することをおすすめします。

ウィルオブでは、幅広い職種に対応しているので建設業の人材にも対応しています。何か人材に関する悩みを持っている場合は、お気軽にご相談ください。

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建設業界の人手不足の現状と原因

建設業で人材不足が起こっている原因について、国土交通省の調査でまとめられている情報をもとに紹介していきます。

年度就業者数建設投資額
平成29年度500万人62兆円
平成30年度501万人62兆円
令和1年度498万人62兆円
令和2年度491万人65兆円
令和3年度484万人66兆円

※参照:政府統計の総合窓口 e-Stat「労働力調査

また、国土交通省の「建設業を巡る現状と課題」を見てみると、建設業就業者数は令和4年の平均が479万人でしたが、これはピーク時である平成9年の685万人から下がり傾向にあります。

建設投資額に関しては、令和4年度が約67兆円となる見通し で近年少しずつ上がっているものの、ピーク時の平成4年度の84兆円と比較をするとこちらも下がっています。

このことから建設業界自体の仕事は増えているものの、年々就業者数は減少し、人材不足が慢性的な問題となっていることがわかります。

では、人手不足の原因はどういうものがあるのかを見ていきたいと思います。

離職率の改善に向けた対策が不十分

新人が入社してきても、すぐに辞めてしまうことは建設業界における悩みの一つです。

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」では、平成31年3月卒業の新規大卒就職者の建設業での離職率は28.6%となっています。

平均の31.5%よりは低い数値となっていますが、他産業と比較すると、離職率が高い傾向にあることがわかります。

離職率が高い理由は、長時間労働、休日が少ない、体力面の厳しさ、給料が低いなどがあげられます。

これらの問題を解決していくには、週休2日制の導入、若手の声を聴く、業務の効率化などが必要です。

若年労働者の開拓ができていない

政府統計の総合窓口(e-Stat)の「労働力調査」 によると、建設業では2022年の若年労働者(29歳以下)の割合は約11%で、他の業界よりも低い値です。

若者が建設業界を希望しない理由として、建設業は「きつい、きたない、危険」の3Kのイメージが強いことが要因となっています。

このようなイメージを払拭していくには、現場を実際に見てもらい、建設業の魅力をアピールしていくなどの対策が必要です。

一日の労働時間が長い

建設業は他の業界と比べ労働時間が長く、休日も少ない印象があり、またそれが実際に起きています。

長時間労働の原因は、人手不足と余裕がない工程期間などがあげられ、これは建設業界離れを引き起こしている問題の一つです。

建設業においても、2024年度からは時間外労働の上限が定められ、原則として月45時間、年360時間となるため労働時間の改善が必要です。

2024年度からの時間外労働の上限については厚生労働省が発表している「時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務」を参考にしてください。

就業者が高齢化している
建設業の就業者の高齢化は他の業界に比べて著しく進んでおり、培ってきた技術を若者に引き継ぐことができないため課題とされています。

令和4年の国土交通省「建設業を巡る現状と課題」によると、建設業就業者のうち55歳以上が約35.9%であるのに対して29歳以下が約11.7%となっています。

そのため、今後は高齢の就業者が大量に退職する前に対策が必要です。

建設業における人材確保の方法と対策

建設業界では人材不足が問題であると解説してきました。

ここからは、その中で人材を確保する方法を紹介していきます。

会社でできる対策も解説していくので、現場の人材が足りないと悩まれている方はぜひ参考にしてください。

IT技術を導入する

アナログ文化が根強い建設業界は、他の業界と比べるとIT化が遅れている傾向があります。

導入するためには、IT化による作業時間の短縮や作業コストの軽減などのメリットを明確にし、IT化への従業員の理解を得ることが大切です。

作業工程や図面をスマートフォン・タブレットで共有することにより、会社から現場への業務指示などができて作業効率アップを目指せます。

ITツールは管理者だけでなく従業員も使いこなせるものを使用し、会社全体のコストを軽減することで人手不足の解消にもつながりますよ。

資格取得支援制度の導入

資格取得支援制度とは仕事に必要な資格や免許の取得を会社が支援する制度です。

講習を受けたり試験を受験したりするためには費用がかかるため、これらを全額または一部を会社が負担します。

従業員が資格を取得できれば、会社全体の生産性や業務の効率が上がることに期待できます。

行政による人材確保の取り組みを活用する

国土交通省と厚生労働省が連携し、建設事業者に対してさまざまな支援施策が行われています。

建設業において大きな課題となっている若年者や女性建設労働者の入職・定着促進などに対しても多くの支援・助成制度があります。

その施策の一つに助成金があり、その種類は以下の通りです。

  • トライアル雇用助成金
  • 人材確保等支援助成金
  • 人材開発支援助成金

補助金や助成金についての詳細は、厚生労働省が発表している「建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)」をご覧ください。

また、派遣会社や人材紹介会社によっては助成金の活用をサポートしてくれる会社もあります。

会社で検討したい取り組みがあれば、こうした制度を積極的に活用してみましょう。

若手就業者の処遇改善

若手就業者の離職を防ぐ方法の一つに、給与面の改善があります。

給与面以外でも若手就業者への教育体制や働き方の見直しなど、若手が安心して長く働けるように改善していくことが大切です。

自社メディアやSNSを活用した自社情報の発信

3K(きつい、きたない、危険)のような負のイメージを定着させないためにも、自社メディア(オウンドメディア)やSNSを活用することもおすすめです。

社外に自社の魅力や取り組みを発信し、アピールしていくことが大切です。

個人がスマートフォンを持つのが当たり前になっている世の中、求人情報もWEBを通して収集し就職活動を行う傾向があるので、人材確保の方法としておすすめです。

ハローワークや求人情報誌の求人掲載だけでなく、若年層が利用するSNSなどへも掲載していくことで見てもらえる機会が増えます。

若年層に対する企業説明会の実施

若い方を対象にした企業説明会を開催することは、建設業界への若い世代の関心を喚起し、建設業のプロを育てるために重要です。

建設業界を知ってもらう機会をたくさんつくり、業界の重要性や仕事の魅力的な部分、そして社会への貢献などを伝えましょう。

建設業が取り組む課題

人材の建設業界離れが進む中、それを食い止めるためはどのような対策をすれば良いでしょうか。

企業が取り組むべき課題としておすすめの対策を以下に紹介します。

社員同士のつながりを大切にする職場づくり

どの職場においても、自分の居場所を感じるとその仕事を長く続けたいと思うようになる方は多くいます。

そのため、居心地の良さは仕事に対してもプライベートに対してもプラスの効果があります。

悩みを持っている同僚がいたら放っておかずに手を差し伸べる、率先して職場の環境を整えるといった気遣いが社員を成長させ、社員同士のつながりを作っていきます。

現場での連携が大切な建設業だからこそ、職場の居心地の良さの向上について見つめなおしてみましょう。

社内制度の整備

建設業において社内制度を整備することは、従業員の労働条件や業務の効率性を向上させ、組織全体の運営を改善するために非常に重要です。

その制度にはどんなものがあるのか、以下に例をあげました。

  • 人事制度の整備
  • トレーニングと開発プログラム
  • 安全と健康増進の制度
  • 報酬と福利厚生の充実

社内制度の整備をおこなうことにより、業務の効率性・従業員の満足度・リスク管理などさまざまな部分で改善点が見つかるので、課題に対する対策も立てられます。

整備された社内制度は組織全体が効果的に機能していくことにつながり、成長に期待が持てる組織となるでしょう。

現場の安全管理の徹底

建設業における安全管理は労働者の安全と健康を確保し、作業環境をリスクから守るために必要です。

ここでは、建設業における安全管理の基本的なステップとアプローチがあるので簡単に紹介します。

  • リスクアセスメントと予防策
  • 訓練と教育
  • 適切な装備と保護服
  • 危険物の適切な管理

プロジェクトごとに異なる要件やリスクがあるため、それに合わせた安全管理をしていきましょう。

人材育成や人材開発

建設業における人材教育と人材開発は、技術的なスキルやリーダーシップ能力の向上、業界の競争力の維持、および将来のリーダーを育てるために非常に重要です。

建設業における教育プログラムを設立し、労働者が必要な技術的スキルを習得できるようにしましょう。

たとえば、建設技術・安全基準・プロジェクト管理・コンプライアンスなどのトピックをカバーするトレーニングコースの提供があります。

個人のスキルアップを目指すなら、上級従業員が新入社員や若手従業員を指導し、キャリアのアドバイスやスキルの共有を行うメンターシッププログラムの設立が効果的です。

よくある質問

建設業界における人材確保の方法について、よくある質問を紹介します。

人材を確保するには何が必要ですか?

建設業界において人材を確保するには次の方法があり、それは研修、給与と福利厚生の充実や安全な労働環境、社内制度を整備することです。

また最新の技術を導入し、業務プロセスを効率化することで人手不足に備えます。

それらの取り組みを自社メディアやSNSに取り上げて会社をアピールし、求人情報に掲載します。

建設業界の課題は「建設業が取り組む課題」を、人材確保については「自社メディアやSNSを活用した求人情報を発信する」でも解説しているので参考にしてください。

働きやすい環境づくりにはどのような対策が必要ですか?

プライベートの時間が持てること、また家族のことを重要視してくれることは働くうえでポジティブな要素になります。

また、社員の声を大切にし、できる限り改善をしてくれる会社は働きやすい職場であるといえます。

働きやすい環境づくりについて「社員同士のつながりを大切にする環境づくり」でも解説しているので参考にしてください。

まとめ

建設業界の人手不足は深刻化していますが、国などは人材確保に向けた取り組みを提示していますのでそれらを積極的に取り入れましょう。

建設工事の需要は今後も増え続けることが予想されるため、早めに人材確保の対策をすることが重要です。

その中でも人材を確保するための方法として、IT技術や資格取得の制度を導入したり就業者の待遇を改善したりする対策があることを説明してきました。

ほかにも、会社での取り組みや魅力をSNSなどのメディアを通じて若い世代の人にアピールをし、関心を持ってもらうことで求人への応募につなげる方法もあります。

採用する方法だけでなく、採用された人が定着してくれるように社風や制度を整備し、若年層ができるだけ長く安心して働き続けられる労働環境を作ることが大切です。

この記事を参考に、労働者のために会社に合う施策を考えてみましょう。

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建設業では人手不足が問題の一つとされていることもあり、人材の確保は難しいと悩まれる企業は少なくありません。とくに、急いで人材が必要になったときや繁忙期に合わせた人材が必要といった希望がある場合は、人材会社に相談することをおすすめします。

ウィルオブでは、幅広い職種に対応しているので建設業の人材にも対応しています。何か人材に関する悩みを持っている場合は、お気軽にご相談ください。

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