コールセンターの離職率が高い6つの理由とは?対策方法も合わせて解説!
少子高齢化に伴い、さまざまな業界で人材不足が叫ばれています。
コールセンター業界もその例外ではありません。
それどころか、コールセンターは離職率の高い職場といわれており、専門誌の調査によれば、入社一年以内の離職率が7割を超える会社が全体の1/4を占めています。
本記事では、コールセンターの離職率が高い理由と、離職率を下げる対策について解説します。
データ参考:月刊コールセンタージャパン 2019年1月号
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コールセンターの離職率が高い理由
コールセンターの離職率が高い理由は、さまざまです。
しかし、コールセンターの働き方に関する課題をお持ちの企業の方々とお話しする中で、コールセンター特有の理由が6つ浮かび上がってきました。
それぞれ解説しましょう。
クレーム処理に心が折れる
インバウンド系のコールセンターで多いのが、お客様とのやり取りで心が疲弊し、退職に至ってしまうケースです。
通常のやり取りの中でもチクリチクリと言われてしまうことが多々あり、謝罪を繰り返していくうちに、心へ影響が出てきます…。
アウトバウンドであっても、「今、忙しいから」とはねのけられたり、断られ続けたりするのは日常茶飯事。
仕事と割り切れず、一日中否定され続けるのは辛いと、辞めてしまう人も多いようです。
覚えることが多すぎる
コールセンターは企業の窓口ですから、電話対応マナーが必要なのはもちろんのこと、商品について細かいところまで知っていなければなりません。
新商品が出るたびに、研修やマニュアルで知識を盛り込みます。
長く勤務している人は知識を蓄積していくことができますが、新入社員にとって覚えなければならない知識量は膨大なものです。「とても無理…」と退職してしまう人もいます。
ノルマがキツい
アウトバウンド系のコールセンターにとって、ノルマはつきものですが、営業電話に素直に応じてくれる人はなかなかいません。
マニュアル通りにやっても成績が上がらないと、気分が沈んでしまいます。
与えられた仕事を達成できないのは、なかなかのストレスです。
「私には、求められている仕事ができない」と退職してしまう人もいます。
研修などのサポートが不十分
研修が不十分だと、知識やスキルに穴ができてしまいます。
知識不足を上司に責められ、さらに、お客様にも責められたら、立つ瀬がありませんよね。
自分が言われたことをきちんと覚えても、サポートがしっかりしていないとミスが目立つようになります。
それが繰り返されると会社への不信感が募り、退職に至ってしまうのです。
上司によって言うことが違う
研修中に習った対応を実践していたら、スーパーバイザー(SV)から「その対応は違う」と言われてしまった。
そのような場合、オペレーター側としては「どちらを信じて仕事をすればいいのか?」と混乱してしまいます。
配置換えなどにより、違うSVと仕事をすることもあるでしょう。
その指導方法が、もとのSVと全く違うと、オペレーターはとても不安になります。
不信感から退職を考えるのも無理はありません。
スキルが身につかない
コールセンターは、未経験からの応募が可能な分野です。
その反面、スキルを身につけづらい職業だと感じている人は多いでしょう。
コールセンターで働いていると、同じ作業の繰り返しです。
一日中パソコンの前に座って、電話の受け答えをしているだけではスキルが身につかないと焦り、転職を考える人も少なくありません。
コールセンターによる離職率の違い
労働政策研究・研修機構の研究員である前浦穂高氏の研究によると、離職率の高いコールセンターにも、低いコールセンターにも、それぞれ特徴があります。
産業分野や平均年齢、また家族の都合などで離職しやすい女性の比率などが影響を及ぼしているかというと、そうでもないようです。
参考元:コールセンターの組織類型別分析
離職率の高いコールセンターの特徴
離職率の高いコールセンターは、正社員の年収が低いか、あるいは他部署の社員並みである傾向がみられます。
緊張度が高く、負担も大きい部署であるにもかかわらず、他の部署と同じ給料で働けと言われたらモチベーションは下がってしまいますよね。
また、決定的な差異はないものの、仕事の裁量権が低い職場やコール数が多い職場では、離職が多い傾向がみられるようです。自由に働けないことは労働者のモチベーションを奪います。
離職率の低いコールセンターの特徴
離職率の低いコールセンターは、正社員の報酬が納得のいく水準に達している職場です。
ほかの部署よりも精神的な負担が大きいことをきちんと評価しているコールセンターであれば、離職率は低いでしょう。
また、仕事上の裁量が与えられている職場も、離職率が低い傾向があります。
初めに基本を叩き込んでおけば、後はオペレーターが自分の考えで動いてもトラブルは少ないはずです。
研修体制をしっかりとっているコールセンターが、離職率が低いといえます。
コールセンターの離職率を下げる対策
コールセンターで働いている人の不満口コミから、離職率を下げる対策はいくつか考えられます。
離職率が高い理由に合わせて、6つの対策を解説しましょう。
心の疲れには面談や報酬面でケア
コールセンターの課題で最も重要なのが、働く人の精神的負担が大きいことです。
まずは、前項で書いたように報酬面を手厚くすることが、第一の対策として考えらえます。
心をケアするためには、報酬アップだけでは不十分です。
SVなど上司による面談を必要に応じて行い、職場への不満や対応で辛かったことなどを吐き出してもらう場としましょう。
改善点はみんなで共有し、解決に向けて対策を練るのが大事です。
覚えなくてもいい仕組みづくり
オペレーターの業務負担を減らせるよう、極力、覚えなくてもよい仕組みづくりを推進しましょう。
そのためには、お客さまに対応しながら参照できるテキスト作りが肝心です。
該当箇所をすぐに探し出せるよう、検索機能をアップさせたり、問い合わせの多い事柄を優先してテキストにのせたりするなどの工夫が考えられます。
業務内容に合わせてどのような工夫ができるか、チームで話し合いが必要です。
ノルマの見直し
誰もが達成できないノルマを設定していませんか。
その場合は、ノルマ自体を見直したほうが良さそうです。
ノルマは売り上げ目標に基づいて設定することが多いですが、実際に達成可能な数字からはかけ離れてしまうことがあります。
毎月達成できている数字を調べ、無理のないノルマに組み直しましょう。
1on1の研修できめ細かなサポート
大きな会議室で行われる新人研修だけでは、新人フォローができているとはいえません。
とくにサポート体制のなさが高い離職率を招いていると感じたなら、先輩一人が後輩一人を指導する1on1研修を取り入れてみましょう。
とはいえ、基本的に一人で行う業務が多いコールセンターでは、業務中の指導は難しいかもしれません。
新人のうちは電話を取らず先輩の応対を学んだり、新人の電話対応を先輩がそばで見守ったりする時間が取れれば、新人の不安はぐっと減るでしょう。
研修内容をSVがよく確認して「言ってることが違う」を解消
「研修で習ったことと、指導係からいわれることが食い違っている」という不満は、簡単に解消できます。
上司やSVが研修内容を良く把握しておけばいいのです。
SVは研修で使われるテキストに目を通したり、実際に研修に参加したりして、指導内容のすり合わせを行いましょう。
ときには、「テキストのほうに問題点がある」とSVから指摘があるかもしれません。
指摘はそのままにせず、速やかに解消します。
コールセンターで身につくスキルをアピール
「電話を取るだけの業務ではスキルが身につかない」という悩みに対応するには、コールセンターで身につくスキルをアピールしましょう。
働いている側が気付かないだけで、多くのスキルが身についているはずです。
例えば、電話の接遇マナーに関しては、コールセンターで働くオペレーターの右に出る職業はおそらくないでしょう。
問題解決能力、相手の話を十分に聴く傾聴力、わかりやすく話を組み立てる力も身につきます。
どれも、社会人として必要不可欠な能力です。
コールセンターのアウトソーシングでコスト削減
コールセンターの離職率を下げるには、報酬面のアップやきめ細かなケアなど、かなりのコストを覚悟しなければならないことがお分かりいただけたでしょう。
大幅なコストアップに踏み切れない経営者におすすめしたいのが、コールセンターのアウトソーシングです。
コールセンターをアウトソーシングすれば、採用や人材育成にかかるコストを一気に削減できます。
社員はコア事業に専念できるため、モチベーションが高まることで離職率が下がり、優秀な人材を失わずに済むでしょう。
また、コールセンターのアウトソーシングは実際の業務量に比例して課金されるシステムがほとんどです。
すると、「かかってくるかもしれない電話」に対して大量の人材を確保する必要がなくなります。
結果、コスト削減が実現するのです。
コールセンターの内製と外注の違いについては「コールセンターの外注と内製の違いとは?メリットやデメリットなども解説」にて詳しく解説していますので参考ください。
おわりに
コールセンターは、多くの企業にとってコア事業には当たらない部署です。
そこに大量の人材を抱え、また高い離職率のために常に人材コストを払わなければならない状況は、打開しなければなりません。
あくまで自社コールセンターにこだわる場合は、心のケアや報酬面アップなどのサポートが重要になってきます。
しかしそうでなければ、アウトソーシングを検討しましょう。
人材コストの問題が一気に解決することは間違いありません。
人材の定着率や即戦力となる人材の採用や委託など、コールセンターに関するお悩みをお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。
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