アウトソーシングとは?メリット・デメリットや 人材派遣との違いを解説
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- 人材派遣
2025/05/15

最近、採用コストの削減や業務の品質向上などを目的に、業務の一部を外部に委託する企業が増えてきたため、「アウトソーシング(Outsourcing)」という言葉が一般化してきました。
この記事ではアウトソーシングの意味やメリット・デメリット・アウトソーシングに適した業務など解説します。
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TOPICS
アウトソーシングとは
アウトソーシング(Outsourcing)とは「アウト(外部)」と「ソーシング(資源利用)」を組み合わせた和製英語で、一部の業務を社外から調達する経営手法のことを指します。
アウトソーシングは業務内容によって「BPO」「ITO」「KPO」の3種類に分類することができます。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)
BPOとは、企業の業務プロセスを一括して外部に委託する形態です。主に人事業務や総務・経理業務などの業務プロセスのアウトソーシングがBPOに当てはまります。
企画・設計から実施など、経営に関わるような業務プロセスまで委託できることが特徴です。
専門性が高い企業にそのような業務をアウトソースすることにより、コスト削減やリソース削減のみではなく、業務全体の品質向上を目指すことができます。
ITO(インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング)
ITOとは、情報技術や情報システムに関する業務の委託を指します。
システムの運用・管理の中でも個別性が低い定型業務が適しています。
非IT企業などのITリテラシーが低い企業では、自社で対応するよりも専門性が高い情報セキュリティへの対応を取り入れることができるという理由から、専門の事業者にIT業務を全て委託することもあります。
KPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)
KPOとは、情報の分析や医療開発・航空機設計など、専門性が高い知的生産活動の業務委託のことを指します。
KPOはデータ収集やデータ分析などマニュアル化されていない業務を、低賃金にも関わらず高い教育を受けた優秀な人材を多く抱えているインドや中国の企業に委託することが特徴です。
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アウトソーシングの需要が高まっている背景
現在あらゆる業界でアウトソーシングの需要が高まっていますが、その背景には下記2つの要因があります。
多角化経営の広がり
1つめの背景は「多角化経営の広がり」です。
近年、自社の更なる成長を求めて保有する技術やノウハウを有効に活用する目的や、収入源を確保する目的などで、多角化経営を目指す企業が増えてきました。
しかし新たな事業を展開するとしても既存の業務量が減少するわけではないため、従来の社内業務の質を維持しながらも同時に効率化も図る必要があります。
そのため、社員が優先的に取り組むべき業務に専念することができるように、一部業務のアウトソーシング化が進んでいます。
人材不足
2つめの背景は「人材不足」です。
少子化に伴う若年労働者の減少などが原因で、各社が採用できる人員に限りがある一方、事業の多角化に伴い仕事量が増える企業が多くなってきました。
そのため、人材不足の補完や社員の残業時間短縮を目的に、一部業務をアウトソースする企業が増えました。
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アウトソーシングのメリット

では、実際に業務をアウトソーシングすることで企業が得られるメリットとは何か、下記4つの観点から解説します。
企業競争力を強化
企業が競争力を強化するためには、独自のノウハウやスキルなど、顧客に対して競合を上回る利益を提供することが重要です。
このような価値的なサービスを提供するためには、サービスの開発・成長などに多くのリソースを集中させコストを割いていく必要がありますが、新たに人材を採用・育成するには多くの時間やコストがかかってしまいます。
そのため、コア業務以外をアウトソーシングし社員のリソースを集中させるべき業務に専念させることで、人的リソースの問題を解消し競争力を高めることができます。
仕事効率化や組織の肥大化防止
業務をアウトソーシングする委託先企業(アウトソーサー)は、その業務において専門的なノウハウを持っています。
そのため自社ですべての業務を内製化するよりも、専門の企業に一部業務をアウトソースすることで、業務の品質向上やコスト削減を目指すことができます。
また一部の業務をアウトソースすることで、事業拡大に伴い組織が肥大化するのを防ぐメリットもあります。
人材費や固定費の抑制
アウトソーシングをすることにより、社員への給料や設備投資費など固定でかかってしまう費用に関して、売上の増減など会社の状況によって費用を変動させることができます。
それにより社員の配置に関する自由度が上がるだけではなく、経営資産を有効活用することができるというメリットがあります。
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アウトソーシングのデメリット・注意点

ここまでアウトソーシングのメリットや需要についてご説明してきましたが、アウトソーシングにもデメリットや注意点もあります。
下記の点に注意しながら、適切に業務をアウトソースしていきましょう。
社内にノウハウが蓄積されない
業務をアウトソースすると、社員がその業務に関する経験値を高めることができないため、社内にノウハウを蓄積することができません。
いずれは内製化しようと考えている業務がある場合はもちろんのこと、アウトソーシング先の企業が急に倒産するなどのリスクを考えて、ある程度自社内でも情報を把握するようにしておくことを推奨します。
情報漏洩のリスクがある
業務の中には、人事業務や顧客情報を取り扱う業務など、個人情報に関する業務もあります。
社外秘の情報が外部に漏洩してしまうリスクも考えなければいけません。
業務をアアウトソース場合には、アウトソーサーのセキュリティレベルを確認した上で、委託するかどうか判断するようにしましょう。
適正コストの判断が難しい
アウトソーシングを検討する業務の大半が、今まで社内で対応したことがない業務です。
そのような業務は社内では適正コストの判断ができない場合があり、蓋を開けてみたら費用対効果が悪くなってしまうこともあるため注意が必要です。
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アウトソーシング導入前に押さえたいポイント
「人手が足りないからアウトソーシングを使いたい」といった声はよくありますが、人材不足への対応策はアウトソーシングだけではありません。
本当にアウトソーシングが最適なのかを見極めるためにも、以下のような点を事前に整理しておくことが大切です。
現状の業務課題を把握・整理する
最初に、自社でどんな業務があり、それぞれにどんな課題があるかを洗い出しましょう。
非効率な作業や、無駄が多く複雑なフローが存在していないかなどを明らかにすることで、改善すべき業務が見えてきます。
また、特定の担当者しかできない「属人化」も課題のひとつです。誰でも業務を遂行できるように、業務の標準化を進めておくことも重要です。
アウトソーシングすべき業務の選定
課題が整理できたら、アウトソーシングの対象とすべき業務を選んでいきましょう。
このときのポイントは、「コア業務(自社の中核業務)」と「ノンコア業務(それ以外の間接業務)」の切り分けです。
一般に、アウトソーシングの対象となるのはノンコア業務です。ノンコア業務は、定型化しやすく再現性が高いため、外部委託しやすい特性を持っています。
一方でコア業務は、企業の競争力に直結する重要業務であり、専門性が求められる場合が多く、アウトソーシングにはあまり向きません。
このように、まずは業務の性質に応じて「委託すべきか否か」を見極めることが、アウトソーシング活用の第一歩となります。
インソース(内製)・アウトソース(外注)を判断いただく1つの基準として、下記を参考にしてみてください。
インソースを推奨する業務
- 社内でナレッジを蓄積するべき専門業務
- リソースを投下したい企業のコア業務
- 戦略策定が必要な経営判断業務
アウトソースを推奨する業務
- マニュアル対応が可能な一般業務
- 利益を生まないノンコア業務
- 戦略策定が必要なく、専門的ではない業務
アウトソーシングに適した業務
アウトソースを推奨する業務については前述しましたが、具体的にアウトソーシングに向いているのは下記のような業務です。
- IT関連業務
- 人事業務
- 経理・法務・事務全般業務
- コールセンター業務
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アウトソーシングと人材派遣の違い
アウトソーシングも人材派遣も、外部リソースに業務を委託するという点では共通しています。
しかし、アウトソーシングは「業務や成果物」に対価を支払うのに対し、人材派遣は「業務を依頼する人」に対価を支払う、という点がわかりやすい違いです。
契約の形態にも違いがあり、アウトソーシングは業務自体を委託するため提供する企業と契約を締結しますが、人材派遣の場合は派遣業者と派遣先企業が「労働派遣契約」を締結します。
また、下記のようなケースでは人材派遣よりもアウトソーシング活用を推奨します。
- マニュアルが確立しているが、多くのリソースを割かなければならない業務
- 規則的に発生する業務
- 経営観点で見たときに自社にノウハウを蓄積しなくても問題ない業務
- 新規事業を展開する際など多くの設備投資が必要な業務
アウトソーシングの活用については「コールセンターを委託する際のポイントは?費用や選び方を解説」「アパレル業界注目の販売代行サービス!導入数が増えている理由を徹底解説」でも紹介していますのでご参考にしてください。
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アウトソーシングとシェアードサービスの違い
シェアードサービスとはアウトソーシングの一種で、グループ企業内の1箇所にコーポレート機能など共通している業務を集約する方法です。
多角化経営が進みグループ企業が増えてくると、人事・総務・法務などの共通する業務は人件費やシステム費などコストが重複してしまうことがあります。
そのためシェアードサービスを導入し、それらの業務を1箇所に集約することでグループ企業全体のコストパフォーマンスを高めることができます。
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アウトソーシングの種類
シェアードサービスの他にも、アウトソーシングには「コ・ソーシング」「マルチソーシング」「クラウドソーシング」「オフショアアウトソーシング」の4種類があります。
コ・ソーシング(co-sourcing)
委託先と自社が協力し合う形で業務を進める手法です。
マルチソーシング(multisourcing)
業務ごとに最適な複数の委託先を選ぶ方法です。
クラウドソーシング(crowdsourcing)
個人やフリーランスにインターネット経由で業務を委託する方法です。
オフショアアウトソーシング(offshore outsourcing)
主にベトナムやインドなどの海外企業へ業務を外注し、コスト削減を図る方法です。
まとめ
多角化経営の広がりや人材不足により、専門性や品質が高い業務を素早く導入できるアウトソーシングの需要が高まっていますが、デメリットもあります。
自社でアウトソーシングする必要がある業務を整理した上で、サービスを利用するようにしましょう。
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