建設業の若者離れの原因と対策を解説!魅力を効果的に伝える方法とは

2024/07/08

現在建設業界では、人材不足のなかでもとくに若者不足が大きな問題となっています。

若者の採用をしようとしても、応募が思ったほど来なかったり入社してもすぐに転職してしまったりして頭を悩ませる企業も多いのではないでしょうか。

これからの建設業界を支える若者が採用できず不足状況が続くと、インフラの維持やベテラン職人の持つ技術の継承が困難になってしまいます。

この記事では、建設業における若者離れの原因と対策についてまとめています。

若者に建設業の魅力を伝えて興味を持ってもらいたい方や、若者の採用と定着対策にお悩みの方はぜひご一読ください。

採用しても若者が定着せず悩まれている方はご相談ください!

建設業界が抱える問題の中で人材不足がありますが、とくに若者が少なくて採用が難しいと悩まれている方は少なくありません。

ウィルオブでは、若い方や未経験の方でも安心して働けるよう研修やサポート体制が充実しており、知識が身についた人材を紹介することができます。建設領域に特化したコンサルタントが、専任技術者、施工管理技士、技能実習、特定技能の採用や管理について幅広くスピーディに対応可能ですので、ぜひお気軽にお問合せください。

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建設業界の現状

まずは、建設業界を取り巻く高齢化や人員不足について確認してみましょう。

建設業従事者の推移

建設業従事者の推移

※参照:国土交通省「建設業及び建設工事従事者の現状

建設業就業者全体が減少傾向にありますが、施工管理といった建設技術者は不足した状況のまま推移していることがわかります。

建設業全体の就業者が減ると一人が担う負担が多くなり、勤務体制や体力面の問題で辞めてしまう人が増えてしまう恐れがあるので、大きな問題といえます。

建設需要の高まり

人手不足が深刻な一方で、国土交通省の「令和5年度 建設投資見通し」によると、2023 年度の建設投資は前年度比2.2%増の70兆3,200 億円となる見通しです。

大型台風や豪雨被害といった自然災害からの復興、大阪万博による建設需要が増加しているため、一人当たりの仕事量が増えてしまい長時間労働や休日の少なさを招いています。

若者の割合が低い

国土交通省の「技術検定制度の見直しについて」によると、

  • 1級土木施工管理技士の技術検定合格者の年齢は10年前に比べ、平均年齢が3歳上昇(34歳→37歳)しているとともに、20代後半~30代前半の人数が約半数に減少
  • その影響により、1級土木施工管理技士の取得による監理技術者についても10年前と比較して、20代後半から30代後半の人数が大幅に減少している

と記載されていることからも、建設業従事者の高齢化が進行していることがわかります。

1級土木施工管理技士保有による監理技術者証保有者の年齢分布の平均が52.5歳となっており、10年後には現役世代が一気に減少する可能性があります。

また一方で、これからの建設業界を支える29歳以下の年齢層の減少が著しく、若年入職者の確保、育成が緊要の問題となっています。

若者離れの理由3つ

全職種合計での就業者数が増えているにも関わらず、就業者数が減少傾向にある建設業界の現状を解説してきました。

ここからは、就業者数がとくに少ない若者がなぜ建設業から離れてしまうか、要因と思われる3つの理由を紹介します。

建設業のマイナスイメージ

建設業には「きつい・汚い・危険」といった「3K」のイメージが強く根付いているため、ワークライフバランスを重視したい若者は就職先としての検討を避けてしまう傾向があります。

ほかにも、労働条件が悪い・上下関係が厳しいなどのマイナスのイメージがあることも、若者の建設業離れの一因と考えられます。

労働に見合った収入が得られない

国税庁が発表している「令和4年分民間給与実態統計調査結果について」の業種別平均給与における建設業の平均給与は約529万円で、全体平均の457万円よりも高い金額でした。

しかし、建設業の収入は全業種と比べると高めではありますが、大変さに見合った給与ではないと感じる人が多い傾向です。

業務効率が悪い

建設業界は現場で仕事をしなければならない対面主義の業務が多く、テレワークなどのIT技術の導入が遅れている傾向があります。

IT技術を身近に感じて育った若者世代にとっては、デジタル技術の活用が不十分で業務効率が悪いと感じるため、建設業が選ばれにくくなる一因となるのです。

若者離れ対策

若者離れ対策

若者が建設業を避ける理由は上記の3つが大きな理由でした。

若者離れの対策としては、建設業のイメージを一新し、若者が自分の努力に見合った結果が得られる職場であると認識してもらう必要があります。

どのような対策を行うと若者が建設業へ興味を持ち、入職を前向きに考えてもらえるのかについて、以下に4つの対策をあげていくのでぜひ参考にしてください。

マイナスイメージを改善

マイナスイメージが一度ついてしまうと、それを改善するには多くの努力と時間が必要になります。

マイナスイメージは過去の経験者による体験談などが元となっていることが多いため、すべてがそうではなく、プラスの面もあるという部分を明確に打ち出すことが効果的です。

たとえば、それぞれが自社で行っている独自の取り組みを積極的にPRに取り入れて社会へ発信することで、建設業界が本来持つ価値に気付いてもらうことができます。

効果的なアピール方法については「建設業の魅力を伝える方法」の項目でくわしく説明しますので、こちらもあわせてご覧ください。

労働環境の改善

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年平均確報」によると、建設業の月間労働時間は163.5時間で、調査対象産業全体平均136.1時間と比べると30時間近く多くなっています。

2024年4月から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されるので、労働環境の改善だけでなく規則違反をしないためにも労働時間への対応が必要となります。

業務効率の向上

IT技術を活用しての業務効率化は、若者離れ対策になるばかりではなく労働環境の改善にも大いにつながるため、非常におすすめの対策です。

品質管理や経費精算などの細かい計算も速く正確に計算してくれるため、事務仕事の業務効率を向上させることができます。

また、BIM/CIMやドローンなどの新しい技術を積極的に取り入れると、古い技術を使用し続けているイメージがある建設業界のイメージアップにもつながります。

男女問わず働きやすい環境を整える

建設業界は男性の比率が非常に高い業界ですが、今後は女性の活躍も期待されています。

女性が働きやすい環境を整えるため、国土交通省が2021年に「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画」を作成して取り組むこととしています。

女性の入職者を増やし定着できる環境を整えることにより、女性が働く機会を増やせるだけでなく、人手不足の問題も軽減できるので既存社員の待遇改善にもつながります。

時代に合わせた体制への転換

建設業は、プログラマーなどのように最近出てきた仕事ではなく、家や道路を作るといった昔からある、人々の生活においてなくてはならない仕事です。

昔から続く仕事の中では、さまざまなノウハウが蓄積されていると同時に仕事のやり方や考え方などに古い慣習が多く残っています。

ノウハウの蓄積は必要なことですが、なかには今の時代では若者には受け入れられない慣習があることも若者離れの要因と考えられます。

この項目では、若者は建設業のどのような部分に関して時代に合わせた変化や改善を求めているのか、3つほど具体例をあげていきます。

「仕事は見て覚える」教育体制

職人の世界でありがちな「仕事は見て覚える」「技術は見て盗むもの」といった教育体制は、現代にはあわない教育方針です。

はじめて建設業界に転職をする場合は業界での経験がないため、昔からある教育方針についていけずにつらいと感じる方もいます。

教育体制のしっかりしていない世界に放り込まれては、やりがいを見つける間もなく、技術の習得よりも先に退職する可能性が高くなってしまうのです。

若者や経験の浅い人材を育成するうえでは、見て覚えるよりも前に基本的なことを知ってもらえるように、作業の内容や流れなどの研修やマニュアルを用意しておくことをおすすめします。

研修があれば直接先輩から教われますし、マニュアルがあるといつでも見返すことができるので未経験からでも始めやすくなり、若者離れのリスクも軽減できますよ。

時間や場所に縛られる

近頃ではIT化により柔軟な働き方のできる仕事が増えています。

しかし、建設業は決められた場所に物を造っていく仕事のため、ほかの業種のようにフルリモートにすることは難しいです。

そのため、会議はweb会議で行う、現場で行わなくても良い仕事に関しては自由な場所でできるようにするといった、柔軟な働き方をできる範囲で取り入れていく姿勢が必要です。

例えば、図案や見積書などをネットワーク上にアップロードしておけば、いつどこからでも確認ができるので効率良く作業を進められます。

施工管理や設計、事務員などのリモートワークを取り入れることができる職種から部分的に取り入れることを検討してみてください。

厳しすぎる上下関係

上司から部下、先輩から後輩への教育や指導はどの職種でも必要なものですが、行き過ぎるとパワハラになってしまいます。

暴力行為はもちろんご法度ですし、怒鳴りつけるといった肉体的な被害がない場合でも、パワハラと認定されてしまうこともあるので注意が必要です。

自分の言動がパワハラだと気付いていないケースが多いので、定期的にハラスメント研修を行うことによって、未然に防止することが重要です。

建設業の魅力を伝える方法

建設業の魅力を伝える

素晴らしい取り組みをしていても、世間や若者世代に伝えることができなければその効果は限定的になってしまいます。

より多くの人に建設業の魅力を伝えることができる方法を5つ紹介しますので、できそうだと思ったことから試してみてください。

自社サイトでの広報活動

就職を考える際に、その会社について検索サイトで事前に情報収集する傾向が強いため、自社サイトは取り組みや魅力などを広める広報活動に向いています。

会社の特色、行っている取り組み、採用情報など伝えたい情報を写真やレイアウトなどを自由に作成し伝えることができます。

古い情報だけが掲載されていて更新されていないと見た人が混乱してしまうため、定期的に更新を行うことを忘れないようにしてください。

SNSでの積極的な発信

自社サイトよりも手軽に幅広い世代にアピールできるのが、SNSの活用です。

普段の現場の雰囲気や業務内容に関する紹介をしたり、地域活動をしているのであればその活動報告ができたりするので、社内外の人に自社に関する情報を伝えられます。

ただ、投稿した内容によっては、些細なことでもトラブルに発展してしまう恐れがあります。

個人情報やコンプライアンス面など、投稿前に入念にダブルチェックをするといった社内ルールを決め運用をするようにしましょう。

パンフレットの作成

パンフレットや会誌は、インターネットに触れていない世代も含めて幅広く広報活動を行うことができる媒体です。

定期的に作成する場合は、クイズやプレゼントを行うことで継続的に読んでもらえる確率が高まります。

自社サイトと同じく写真やイラストを用いて自由にレイアウトできますが、紙や印刷にかかる費用がある程度必要になる点に注意が必要です。

よくある質問

ここからは、若者の建設業離れに関してよくある質問を紹介します。

若者が建設業界に入った後に転職してしまう理由はなんですか?

建設業界からの転職を考える理由としてよくあがるのは、給料が上がらない、休みが取れない、人間関係に問題がある、残業が多いといったものです。

これらの若者の定着に影響のある要因は、業界全体で対策を行っていく必要があります。

若者離れ対策」「時代に合わせた体制への転換」で採用や定着に影響のある要因と対策についてまとめていますので、ご確認ください。

若者が建設業界に興味を持つためにはどのような取り組みが必要ですか?

若者に興味を持ってもらうためには、インターネットなどの若者が情報収集を行う場での広報活動が効果的です。

実際に行った建設現場の写真や共感を得られる若い社員のインタビューを掲載することで、おもしろそう、やりがいがありそうと興味を引くことができます。

くわしくは「建設業の魅力を伝える方法」をご覧ください。

若者を採用するために企業側でやっておくと良いことはありますか?

採用対策を行いながら、入社後の定着を促すための対策を進めましょう。

若者が入ってくる前にデジタル化を行って効率化を進めておくと、その後の教育もスムーズにいきます。

他には先輩たちのノウハウをまとめたり教育用の動画を作成したりすると、現場に出る前に効率よく注意点などを学ぶことができます。

まとめ

建設業界の若者離れは、定着してしまったマイナスイメージとなかなか進まない業務効率化といった要因がありました。

対策としてIT技術を取り入れたり女性雇用の促進を行ったりすると、業務効率の向上や人材不足による長時間労働の改善が期待できます。

自社の取り組みや建設業の魅力を若い世代を含む世間に広報することでマイナスイメージを取り払い、建設業へ興味を持ってもらえる効果があります。

若者の雇用促進に向けて、自社でできる対策を始めてみてください。

若者に働いてみたいと思ってもらえる業界になるように、建設業界は業務効率の向上と広報活動により一層力を入れていく必要があります。

若者の人材を希望される方はウィルオブにご相談ください

若者を採用しても定着しない理由や会社でできる対策などの解説をしてきました。しかし、それでも人材が集まらないと悩まれている方は、ウィルオブに相談をしてみませんか?

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