「特定技能」外国人の雇用流れ|日本にいる外国人を雇う場合
2024/04/16
労働人口が徐々に減っている中で、人手不足が企業の課題となっています。
人手不足が厳しい分野において「特定技能」の在留資格が新設されたことにより、一定程度の技能・知識を有した外国人を受け入れることが可能になりました。
「特定技能」外国人の雇用流れは、「日本にいる外国人を雇用する」と「海外から外国人を呼び寄せる」の2つに分けることができます。
この記事では、日本にいる外国人を「特定技能」として雇用する流れについて説明します。
「特定技能」の申請基準
特定技能を申請するためには、各分野の「特定技能評価試験」と「日本語能力水準試験」に合格する必要があります。
また、介護分野は「介護日本語評価試験」に合格するのも必要です。
ただし、例外として「特定技能」の業務内容に関連する「技能実習2号」の修了者が試験から免除されます。
「特定技能評価試験」
「特定技能評価試験」は国、もしくは国が選定した業界団体が主導して作成されるため、試験の結果の信頼性が高いと言えます。
「特定技能」の資格を取得するには、その分野における業務内容を従事できる知識と技能を有する必要があります。
「特定技能評価試験」には筆記試験と実技試験があり、同じ分野でも業種によって違う試験を設けている場合があります。
試験に合格するとその分野の業種において2年以上の実務経験を有すると認定されるのです。
「日本語能力水準試験」
日本で仕事に従事するため、また日本で生活するために、基本的な日本語能力が求められます。
日本語能力の判断は、2つの基準がありますが、いずれか満たせば大丈夫です。
ひとつは「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のA2レベルを取得で、もうひとつは「日本語能力試験(JLPT)」N4以上を取得することです。
それに合格すると、外国人が基本的な日本語を理解できて、簡単で日常的な範囲なら日本語でのコミュニケーションができると認定されます。
「介護日本語評価試験」
介護分野の「特定技能」を取得する場合は、上記の日本語試験に加えて、「介護日本語評価試験」の合格する必要があります。
介護分野には日本人と接する業務が他業種より多いので、より高い日本語能力が求められています。
「技能実習2号」の修了
「特定技能」に関連する分野の「技能実習2号」を修了すると、以上の試験から免除されます。
ただし、分野によって係る「特定技能2号」がない場合もあり、その場合は「特定技能評価試験」と「日本語能力水準試験」の両方の合格が必要です。
「技能実習2号」を修了するには、日本で2年以上の実務経験が必要なため、彼らを雇用することで実務能力に対する不安を少なくできます。
日本にいる外国人を「特定技能」として雇用の流れ
雇用までに5つのステップがあります。
- 応募者を募集し、選考を実施
- 「特定技能雇用契約」を締結
- 「1号特定技能外国人支援計画」を策定
- 外国人の在留資格の変更を申請
- 雇用開始
1.応募者を募集し、選考を実施
自社のホームページでの投稿やハローワークや紹介会社や登録支援機関からの紹介など、さまざまな方法で「特定技能」に興味ある外国人を集めましょう。
応募が来たら、まず外国人の在留資格を確認しましょう。
在留資格は、外国人の在留カードで確認できます。
在留カードは、国が中長期滞在する外国人に渡す身分証明書となります。
以下の在留資格は「特定技能」申請できないので、気を付けてください。
- 関連する分野以外の「技能実習」
- 「研修」
- 「特定活動(日本料理海外普及人材育成事業)」
- 「特定活動(特定伝統料理海外普及事業)」
- 「特定活動(製造業外国従業員受入促進事業)」
- 「特定活動(インターンシップ)」
- 「特定活動(外国人起業活動促進事業)」
- 「経営・管理(外国人創業人材受入促進事業)」
在留資格を確認できたあと、外国人の「特定技能評価試験」と「日本語能力水準試験」の結果、もしくは「技能実習2号」の修了証明を提示してもらいましょう。
もし提示できない場合、採用しても「特定技能」の在留資格へ変更できないため、採用は見送ったほうが良いかもしれません。
2.「特定技能雇用契約」を締結
「特定技能雇用契約」はここでダウンロードできます。
「特定技能雇用契約」を結ぶときに、雇用条件書も交付しないといけません。
雇用条件書には、給与や福利厚生、また業務内容に明記する必要があります。
3.「1号特定技能外国人支援計画」を策定
1号特定技能の外国人を雇用するのに、職業生活、日常生活、社会生活を支援しないといけません。
賃貸物件の情報提供や空港からの送迎などを行う必要があり、必須となる支援項目は「1号特定技能外国人支援計画」に記載されています。
くわしくはこちらの記事:「特定技能」の支援計画とは?必須10項目や実施方法も解説
支援計画を策定したら国に提出し、許可を得ることができれば、「特定技能」外国人が受け入れることができます。
支援計画の一部、または全部を国が指定した「登録支援機関」に委託することが可能で、登録された機関の名前や住所などの情報は法務省の「登録支援機関登録簿」に掲載されています。
4.外国人の在留資格の変更を申請
「特定技能雇用契約」を締結して、「1号特定技能外国人支援計画」を策定できたあとは、在留資格の変更申請を行いましょう。
申請する前に外国人が以下の要件に満たしているかどうかを再度確認してください。
- 18歳以上であること
- 健康状態が良好であること
- 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行したパスポートを所持していること
- 保証金の徴収等をされていないこと
- 外国の機関に費用を支払っている場合は、額・内訳を十分に理解して機関との間で合意していること
- 送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は、その手続を経ていること
- 外国人が定期に負担する費用について、十分に理解していること
- 「特定技能評価試験」と「日本語能力水準試験」に合格、もしくは「技能実習2号」を修了したこと
- 「特定技能1号」と「技能実習」として、通算5年以上に日本に在留していないこと
在留資格の変更申請は、原則として外国人本人が行います。
ただし、その外国人を受け入れる企業の職員、もしくは行政書士がかわりに申請するのも可能です。
5.雇用開始
外国人が「特定技能」の在留資格を取得したあとに、勤務の開始ができます。
勤務開始する前に外国人の新しい在留カードを確認して、コピーを取ることをおすすめします。
また、在留カードの期限を過ぎる前に更新の手続きをするようにしましょう。
雇用後、ハローワークに「外国人雇用状況の届出」を提出する必要があります。
3種類の届出がありますが、「特定技能」外国人は基本的にフルタイムでの雇用です。
その場合、雇用保険への加入も必須なので、以下の様式をダウンロードして記入して提出しましょう。
まとめ
人手不足が非常に厳しい14の分野において、一定の技能・知識を有して即戦力として働ける外国人を「特定技能」の在留資格で受け入れることが可能になりました。
「特定技能」を有した求職者の募集から勤務開始まで5つのステップがあります。
確認して、外国人の雇用を円滑に進めていきましょう。
- 応募者を募集し、選考を実施
- 「特定技能雇用契約」を締結
- 「1号特定技能外国人支援計画」を策定
- 外国人の在留資格の変更を申請
- 雇用開始
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