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インサイドセールスのKPI|正しい目標設定と課題発見・改善の方法とは?

インサイドセールスのKPI|正しい目標設定と課題発見・改善の方法とは?

インサイドセールスにおいて、KPI管理はとても重要です。

営業担当へ案件をパスする側面だけを捉えられがちですが、
関係者と広く接点を持つことになるインサイドセールスチームには、
数値で図るべき指標が多くあります。

だからと言って、やみくもにその全てをKPIに据えていては、
課題発見と解決が遅れやすくなってしまいます。

本稿ではインサイドセールスにおけるKPIについて解説していきます。

なお、インサイドセールスそのものを知りたい場合は、
【2023版】インサイドセールスとは?基礎知識やメリット・特徴・役割を解説
あわせてお読みください。

インサイドセールスの役割

インサイドセールスの役割

KPIを紐解く前に、前提であるインサイドセールスの持つ役割について触れていきます。

インサイドセールスと一言でいっても、いくつかの役割があるのはご存じでしょうか?

実際のインサイドセールスの現場では、自社の状況に合わせて、
強みを伸ばしたり足りない部分を補ったりと、さまざまな運用をしています。

その役割に紐づいてKPIは設置すべきなので、自分がいまやっている・考えている
インサイドセールスの役割を把握しておくことは、KPI設定に良いヒントを与えてくれます。

見込み顧客の後追いと育成を行う役割

リードと呼ばれる見込み顧客に対し、電話やメールで定期的にコンタクトをとり、
顧客が購買したいタイミングを逃さずキャッチする役割があります。

巷で言われているインサイドセールスは、この役割を指していることが多いです。

見込み顧客の多くは、問い合わせをする時点で既に
心の中には決めた会社や商品があるといわれています。

つまり、事前に見込み顧客の印象に残っているか否かで、
商談機会の有無が変わってしまいます。

近年では、リードナーチャリングと呼ばれる見込み顧客の育成に関するノウハウも
広く知られるようになってきました。

リサイクルリードを後追いする役割

最初の商談がうまくいかず失注したとしても、いずれその顧客は購買に至るかもしれません。

そういった、一度失注しても先々に受注の可能性があるリードをリサイクルリードと呼びます。

インサイドセールスチームはリサイクルリードと位置付けた顧客に後追いをして、
関係を保ち続けます。

そして最終的には購買まで結びつける役割を持ちます。

この場合は、専用のトークスクリプトやコンテンツを用いてアプローチすることが多く、
顧客に最適化された内容で発信を行います。

新規営業を担う役割

インサイドセールスは顧客との関係構築をするポジションなので、
インバウンド営業に重点が置かれることが多いですが、
隙間時間を使ったり、あるいは戦略的にアウトバウンド営業を行うケースがあります。

これはBDRと呼ばれる役割で、営業リストを用意して代表電話へアプローチしたり、
キーパーソン宛に手紙を送ったりすることもあります。

インバウンド営業(SDR)とアウトバウンド営業(BDR)の違いについては、
【2024版】インサイドセールスとは?基礎知識やメリット・特徴・役割を解説
詳しく説明しています。

 

よく設定されるKPI項目

KPI項目

まず大前提として、KPIを設定するには正しく数値を測定できていることが重要です。

システム系のツールでも良いですし、エクセル管理でも構いませんが、
数値がきちんと見える化され分析できる状態である必要があります。

データを定期的に分析してKPIの改善に役立てるサイクルを作ることにより、
組織成長がよりスムーズに行えます。

多くの企業では、下記の中から複数の指標をインサイドセールスチームのKPIとして採用しています。

  • 商談化(案件化)数
  • 受注数・受注率
  • 架電数・通話時間
  • メール開封率

それぞれの詳細については、以下で詳しく説明いたします。

商談化(案件化)数

最も基本的なKPIは商談化(案件化)数です。

営業活動を分業するといっても、
最終的なゴールは受注(売上)を作っていくことに変わりはありません。

そのゴールを目指すためのマイルストーンとして
インサイドセールスに課せられている役目は顧客との関係の構築であり、
関係構築の成功の可否を示す指標が商談化数や商談化率です。

多くの企業において商談化数や商談化率が
インサイドセールスの主たるKPIに置かれているのはそのためです。

受注数・受注率

「受注するか否かはフィールドセールスの領域なのでインサイドセールスは関係ない」
と思う方もいるかもしれません。

しかし、売上や事業計画の達成を目的として営業を分業化する上で、
受注もKPIとして見る動きが強まっています。

受注数・受注率をKPIに据えることで、受注確度を意識した商談設定を行うようになるため、
顧客へのヒアリングの精度向上が見込めます。

ヒアリングの精度が上がれば、確度の低い顧客や条件の合わない顧客との商談設定を回避できたり、
フィールドセールスが商談に臨む際に、顧客の状況に合わせた提案内容を準備することができます。

架電数・通話時間

架電数は新人の営業担当者の行動量を図るためのKPIとして設定されることがよくありますが、
インサイドセールスでは行動量の他、電話対応の品質向上や効率化のために
架電数や通話時間をKPIに設定することもあります。

電話の解析ツールを導入して架電数や通話時間などを自動で計測したり、
通話内容をAI解析して評価している企業もあります。

メール開封率

顧客育成の手段としてメルマガ配信を行い、メール開封率をKPIに設定することがあります。

メールの開封数よりも、開封率をKPIとするのが一般的です。

メルマガの開封率は、同じ内容でも下記の影響によって変動が発生しやすいので、
ABテストなどを繰り返しながら開封率の高い条件を探っていくことになります。

  • 件名
  • 送付曜日
  • 送付時間
  • 送付ターゲット(コンテンツの出し分けをしている場合)

KPI改善のためのアクション

では次に、運用開始後のKPIが思わしくなく、改善したい場合に
何を見直していくべきかについてお伝えします。

インサイドセールスがうまく機能していない原因として、主に3つの要因が考えられます。

  • 顧客との関係構築ができていない
  • 顧客との接続数(コネクト数)が足りていない
  • そもそもターゲットと商材が合っていない

顧客との関係構築ができていない

顧客との接触ができているのになかなか商談につながらないのであれば、
顧客との関係値の醸成がうまくいっていない可能性があります。

まだ検討段階で顧客の購買意欲が高くないフェーズであれば、
事例集やホワイトペーパーを送ったり、メルマガで定期的な情報提供をするなどして、
購買意欲や認知を高めるための継続した取り組みが必要です。

顧客が既に比較・検討段階にあるにも関わらず商談化ができないということであれば、
トークスキルの低さや提案内容のミスマッチなどが考えられます。

もし実績を上げられているメンバーがいるのであれば、
そのメンバーがどのようなトークステップを組み立てて対応をしているかを分析して
トークスクリプトの見直しを行います。

インサイドセールスチーム全体の商談化数が伸び悩んでいるのであれば、
まずは顧客へのヒアリングの仕方から見直しをしていき、
顧客のニーズをきちんと把握できているのかどうかを検証します。

特に検討段階の顧客は、まだ自社の課題を自身の中でもうまく言語化できていないことも多いため、
そのまま「課題は何ですか」と質問をしても、はっきりとした回答を得られません。

そのため、インサイドセールスが
「この顧客はまだ情報収集段階だからアポイントを取るには早い」
と判断をしてしまうこともあります。

しかし、トークスキルのあるインサイドセールスは、会話の中で
顧客と一緒に課題を導き出し、ニーズを顕在化させて商談につなげたり、
「この人は自社のことをよく理解してくれる」という顧客からの信頼を醸成します。

顧客との接続数(コネクト数)が足りていない

接続数とは対象の顧客と電話がつながった数を指します。

接続数が足りていない原因は、そもそもの架電数が少ないか、
アプローチしているタイミングが良くない可能性があります。

架電数が足りていない原因には主にふたつのパターンが考えられます。

ひとつは架電の前に企業情報を調べることなどに時間をかけすぎている可能性です。

そしてもうひとつは、そもそもアプローチできる顧客の数が十分ではない可能性です。

前者の場合、まずは1件の架電にかかる時間を、
前後の準備や事務処理時間なども含めて明らかにして、原因を探っていきましょう。

後者の場合、リード獲得の施策やリスト入手の方法に問題がある可能性があります。

上記を検証して架電数自体や行動量には問題がない場合、
架電のタイミングが適切ではない可能性があります。

アプローチのタイミングが適切かどうかを検証するには、
まずは時間ごとに接続できた数や率のデータを取ることから始めます。

例えば、数週間の計測期間を設け、その期間中は特定の時間帯にしか架電しないものとするなど、
一定期間の検証をしてみるのも方法のひとつです。

顧客の業界によって繁忙となる時間や曜日、月内のタイミングなども異なるため、
可能であれば実績データと合わせて検証項目に入れると良いでしょう。

また、資料のダウンロードなど顧客からのアクションがあった場合には、
なるべく早く接続を試みることが大事です。

すぐに対応できる体制になっていない場合は、業務フローの見直しが必要です。

そもそもターゲットと商材が合っていない

ターゲットと商材のミスマッチが起こっている可能性がある場合は、
早急に架電リスト・リードリストを検証し、
正しいターゲットにアクションできていたかを明確にする必要があります。

獲得したリードが自社にとって有効ではなかった場合、
架電数が担保できなかったり、商談に至らなかったりという悪影響があり、
リード獲得の施策が適切なターゲットまで届いていない可能性があります。

また、顧客と話をしてみた結果、
顧客が求めるものと自社が提供するものが合っていないと判明する場合があります。

これは、商材の訴求の仕方が適切ではないか、
商材そのものがターゲットのニーズにフィットした内容になっていない可能性が考えられます。

商談や受注に至らない原因が、商材の価格や内容なのか、トークスキルによるものなのか、
競合に負けている要素があるのかなど、いろいろな観点から複合的に原因を探り、
見直しを行っていく必要があります。

見直しのタイミング

見直しのタイミング
インサイドセールスを新たに取り入れた企業では、この新しい営業手法に過度に期待して
初めからKPIを高く設定してしまいがちです。

しかし、顧客との関係値の醸成もインサイドセールスの重要な役割であり、
すぐに商談に持ち込むことだけを目的としないようにすべきです。

商談に持ち込もうとするあまりニーズがきちんと把握できていなかったり、
顧客からの信頼が得られなければ意味がありません。

また、関係の構築からアポイント獲得に至るまでのリードタイムも加味して
目標を設定するべきです。

インサイドセールスを始めてしばらくしても目標と実績が乖離している場合、
まずはKPI改善のアクションを行い、それでも改善しない場合は
KPI
の設定自体に問題がないか見直しましょう。

まとめ

まずは自社が想定しているインサイドセールスの役割を明確にし、
その役割に即したKPIを設定することが大切です。

また、運用していく中で改善すべきポイントがあれば、
まずはその原因を探り、適宜運用や目標設定を修正していきましょう。

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Writing by

SalesMedia 編集部

SalesMediaの記事を制作・配信している編集部です。
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