D2Cがアパレル業界で注目される理由を紹介!成功の秘訣や導入例も解説

D2C(DtoC:Direct to Consumer)とは、仲介業者を介すことなく、自社の商品・サービスを消費者と直接取引できるビジネスモデルを指します。

2000年代後半から注目を浴びているビジネスモデルで、アパレル業界や化粧品業界を中心に採用されています。

なぜいま、D2Cが注目を浴びているのか?

ここでは、注目されている理由やサービス導入を成功させるためのポイントを解説していきます。

合わせて、D2Cの成功事例も紹介しますので、自社のサービスでも導入を検討されている方は参考にしてみてください。

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D2Cとは

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略称で、「メーカーやブランドが代理店や小売店を通さずに、自社のECサイトを通じて、商品を消費者に直接販売するビジネスモデル」を意味します。

従来のビジネスモデルにおいては、商品が消費者の手に渡るまでに、卸売業者や小売業者などいくつかの仲介業者を介することが主流でした。

しかし、D2Cの場合、商品の企画・製造から販売後、直接消費者に商品が届けられるまで一貫して自社のみで対応しています。

その結果、消費者と関係値を構築しやすいなどのメリットが生まれており、近年、アパレル業界や美容業界を中心に導入が進んでいます。

D2Cの市場規模

「売れるネット広告社」の調査によると、2025年、D2Cの市場規模は3兆円に達すると見込んでいます。

その要因の一つに、SNS等による双方向のコミュニケーションの実現が挙げられます。

双方向のコミュニケーションの実現により、しっかりとブランドコンセプトを届けることができることで、顧客との信頼関係を構築していくことができます。

その結果、ライフタイムバリューの形成にも繋がり、市場成長を加速させると予測しています。

また、コロナ禍で非対面・非接触が主流となった顧客の購買行動の変化もD2Cの市場成長を後押しすると考えられています。

参考:株式会社売れるネット広告社「デジタル D2Cの市場動向調査」

D2Cが注目されている理由

ここでは、D2Cがアパレル業界を中心に注目されるようになった理由を2つ紹介します。
D2Cが注目されている理由

SNSの普及

TwitterやInstagramなどSNSの普及により、企業と顧客が直接コミュニケーションをとることができるようになりました。
その結果、メーカーやブランドはコンセプトを拡散しやすくなったほか、顧客に対しピンポイントで広告が出せるなど、商品を拡販する施策が増えたことが注目される理由に繋がっています。

消費スタイルの変化

2008年のリーマンショック以降、初期投資が必要となる「所有」から低コストな「利用」という価値観へと消費スタイルが大きく変化しました。

その結果、定額の料金を支払って利用するサブスクリプションサービスが台頭するなど、
モノを所有せず、低コストで利用できるという消費スタイルがアパレル業界でも主流となりました。

D2Cも物を買うなどの体験に価値を感じて、長期的に利用し続けて欲しいコンセプトを持っている点で共通項があり、注目度が上がってきています。

SPAとの違い

SPAとは「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略で、アパレル製品を扱うビジネスについて表しています。

企業が企画・製造から販売まで一貫して担うスタイルのため、D2Cと同じように捉えられることが多いのですが、以下2点で違いがあります。

一つは、販売経路の違いです。

SPAはECサイトと合わせて、店舗販売も行っています。

それに対し、D2Cは、ECサイトによるオンライン取引で全て完結する点で違いがあります。

もう一つは、ユーザーへの提供価値の違いです。

SPAは、世間のトレンドとニーズをベースに商品化したのち、消費者へいかに早く届けることができるかという効率化を重要視しています。

一方、D2Cは世間のトレンドやニーズを基準にするのではなく、ブランドの世界観を重要視しています。

自社が決めたブランドの世界観に基づいた商品やサービスを提供し、この世界観に共感したユーザーが商品を購入するという仕組みを構築しています。

D2C SPA
販売経路 ECのみ ECプラス店舗
ユーザーへの提供価値 効率化 ブランドの世界観

D2Cのメリット

ここからは、D2Cモデルを導入するにあたって、どんなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

手数料などのコストを節約できる

D2Cは、仲介業者を介すことがないため、流通業者や販売代理店などへ支払っていた中間マージンや販売手数料などのコストを削減することができます。

また、店舗を持たず、自社のECサイトで販売するため、店舗家賃や人件費といった固定費も削減可能です。

顧客と関係値を構築しやすい

D2Cは、顧客との距離がグッと近くなるため、これまでのビジネスモデルと比較し、顧客と関係値を構築しやすくなります。

また、顧客データや顧客の声も収集しやすくなるため、蓄積されたデータをもとに、顧客ニーズを満たす商品開発に繋げることができます。

ブランドコンセプトを直接伝えやすい

顧客に直接販売できるD2Cでは、ブランドコンセプトや商品の魅力を伝えやすいこともメリットの一つです。

SNSをうまく活用することで、顧客と双方向のコミュニケーションが生まれるため、ブランドを身近な存在に感じてもらえるようになります。

その結果、ブランドにファンがつき、継続的な購買活動にも繋がっていきます。

D2Cのデメリット

次にD2C導入におけるデメリットも確認しておきましょう。

自社でECサイトを準備する必要があるなど初期投資がかかる

D2Cは自社でECサイトを準備する必要があるため、初期投資がかかります。

また、費用以外にも流通や販売、サポートなどの仕組みづくりのために、時間や人的リソースが必要となります。

特に立ち上げ時においては、時間・ヒト・カネの負担が大きくなってしまうリスクがあります。

中長期的な戦略となり、短期的に結果を出すことが難しい

D2CはSNSマーケティング等を通じ、ファンを育成し、商品の認知力やブランド力を高めていくビジネスモデルです。

ファンを増やしていくためには、自社ブランドの魅力を伝えられるコンテンツを提供し続けていく必要があり、施策の効果が出るまでには一定の時間がかかります。

そのため、短期的に結果を出したい企業にとっては、あまり向いていないビジネスモデルとなる可能性があります。

D2C導入事例

導入事例

ここからは、日本におけるD2Cの導入事例を3例見ていきましょう。
他社の成功事例を知ることは、成功の近道にもなりますので、是非参考にしてみてください。

女性向けアパレルブランドA社の場合

A社のサービスのウリは、プロのスタイリストがオンラインで、ユーザーのカウンセリングを行うことです。

カウンセリングによりユーザーの体型やニーズを把握し、最適なコーディネートをチョイスしていきます。

スタイリストおすすめのコーディネートは、SNSを通しユーザーへ届けられるため、気に入った商品をいつでも購入できるようになっています。

自分オリジナルのコーディネートという特別体験を、商品とあわせて提供することで、
高いユーザー満足度を誇っています。

男性向けスキンケアブランドB社の場合

男性用スキンケアブランドのB社は、D2Cを通じ、これまで難しいとされてきた男性向け化粧品の収益化に成功しています。

ECサイト、パッケージデザイン、広告で起用するタレントまでコンセプトに統一感をもたせることで、ブランドの世界観を表現しています。

SNSなどのデジタルコンテンツに対し、抵抗を感じない20〜30代の男性が主なターゲットであることもD2Cに適していて、Instagramを中心としたプロモーションでブランドの認知を高めています。

女性向けアパレル企業C社の場合

身長150cm前後の女性をターゲットとしているC社は、XS〜Sサイズに特化したオンラインアパレルブランドです。

「低身長で似合う服がなかなかない」というユーザーの課題に対し、Instagramを活用し、着こなしのコツやコーディネートの提案を積極的に配信することで解決を図っています。

また、Instagramのフォロワーからの意見を商品開発に反映するなど、積極的にコミュニケーションを取ることで多くの顧客獲得に成功しています。

D2C成功のポイント

ここまで様々な角度からD2Cを見てきましたが、最後に、このビジネスモデルを成功させるためのポイントを改めて確認しておきましょう。

SNSの活用

成功のためのポイントの一つ目は、SNSの活用です。

SNSを活用することは、購買への導線作りだけでなく、顧客と直接コミュニケーションを図るための窓口にもなります。

前述の成功事例にもあったように、顧客と積極的にコミュニケーションを図ることが一番の成功への近道です。

そのうえで、SNSの活用は、D2C導入において欠かせないポイントに挙げられます。

ブランドイメージの構築

成功のためのポイントの二つ目は、企業のブランドイメージを構築することです。

D2Cでは、いかに独自の世界観を確立させ、ファンを作ることができるかが非常に重要になってきます。

そのためにはまず、自社のブランドイメージをしっかりと構築することが必要です。

綿密なブランディング戦略をもとに作り出したブランドの世界観は、SNSを介し、顧客に直接伝わっていきます。

その結果、自社ブランドの熱狂的ファンを増やすことができ、D2Cビジネスの成功にも繋がっていきます。

最後に

D2Cは、2025年に3兆円市場が見込まれるなど、マーケティングトレンドになりつつあります。

今回、成功事例で紹介した企業は、いずれもブランドの世界観をしっかり定義し、それを体現するための商品やサービスを提供することで、消費者に選ばれています。

もし、自社においてD2Cを導入するのであれば、今回紹介した事例を参考に、まずは自社のサービス・商品のセールスポイントを顧客視点で見直してみましょう。

地道な作業ですが、D2Cを成功させるための第一歩として、取り組むことをおススメします!

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