【2024版】インサイドセールスとは?基礎知識やメリット・特徴・役割を解説
近年、非対面で行う営業活動であるインサイドセールスの導入は
もはや珍しいことではなくなりました。
新しい営業手法としてインサイドセールスへの注目が高まっていたところに
新型コロナの影響で顧客と接触を図る機会が激減したことが後押しとなり
導入に取り組んだ企業も多くありましたが、
現在は、なし崩し的にインサイドセールスを導入をした段階から
どう戦略的に運用していくかという段階に移行している企業が増えています。
本記事は、インサイドセールスの基礎的な理解に役立つ資料として、
役割やテレアポとの違い、メリットやデメリットなどについて詳しく解説します。
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インサイドセールスとは
インサイドセールスの役割
インサイドセールスとは、見込み顧客(リード)に対して、メールや電話、ウェブ会議ツールなどを活用しながら非対面で行う営業活動およびそのポジションのことです。
また、顧客へヒアリングしながら、顧客の中でも明確ではなかった課題を顕在化することで顧客の検討段階を遷移させたりなど、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)を行います。
問い合わせのあった企業担当者へ、いち早くアプローチをかけたりなどスピード感の求められる業務を担う一方、顧客情報の整理やコミュニケーション履歴の記録など顧客データの管理を担うこともあります。
以前まで商談は顧客先へ訪問するのが一般的だったため、インサイドセールスは内勤で行える商談設定までの担当、と定義するのが一般的でした。
しかし昨今は商談もオンライン上で行うことが当たり前となっているため、インサイドセールスが商談を担当することもあります。
担当する業務の範囲は企業や状況によって様々に異なります。
フィールドセールスとの違い
従来型の営業では、一人の営業担当者が見込み顧客のリスト作成からテレアポ、訪問やクロージングまでの一連の流れを行っていました。
この過程を分業し、非対面で行う商談設定までの営業活動をインサイドセールスが担い、訪問・商談から受注やフォローをフィールドセールスが担う、という分業型セールスモデルの導入が広まりました。
インサイドセールスが担当する範囲は企業によって異なりますが、以前は、インサイドセールスは見込み顧客との関係の醸成が主任務であり、アポイント獲得をすることが目的ではないとする考え方も見られました。
しかし最近では、インサイドセールスのKPIは商談設定に置かれることが多くなっています。
さらに前述の通り、商談のオンライン化が進んだことで、インサイドセールスが商談までを担当する企業もあります。
インサイドセールスに求められる役割の変化については、
後述の5.インサイドセールスの役割の変化でも詳しく解説しています。
テレアポとの違い
インサイドセールスの業務の中で重要な要素のひとつが電話による営業活動です。
インサイドセールスとテレアポの違いが分かりづらいという声もよく聞かれますが、簡潔にまとめれば、テレアポはインサイドセールスの営業手段のひとつです。
テレアポがアポイントを獲得する、という単一の目的のための営業手段であるのに対し、インサイドセールスはテレアポも含めた様々な営業手段によって、見込み顧客との関係値の構築や商談設定を目指します。
業務フローの一例
インサイドセールスを導入して成功した事例
インサイドセールスの導入で、競合他社とのシェアの奪い合いから脱却し、さらには営業組織全体のマインド変化にも繋がった例は少なくありません。
インサイドセールス代行で営業課題の改善や大幅な目標達成をした企業の事例を紹介します。
- 株式会社広済堂HRソリューションズ(HR Tech事業)
『総受注額目標は約200%達成。ノウハウ構築やマインド変化によって組織の体質改善が実現できている』 - ハイブリィド株式会社(ITコンサルティング事業)
『ゼロから安定的にリード獲得が出来る状態へ。営業組織構築に向けたノウハウ獲得にも繋がっている』 - 株式会社RevComm(音声解析AI搭載のクラウドIP電話サービス事業)
『ヒトに依存せずに営業成果を出す仕組みづくりを実現。アポ獲得目標158%を達成したプロジェクトの驚きの裏側』
インサイドセールス導入のメリット
メリットは見込み顧客に効率的にアプローチできること
インサイドセールスを導入する最大のメリットは、営業活動の分業化によって見込み顧客の検討段階の分析がしやすくなり、効率的にアプローチできることです。
インサイドセールスは属人的な営業活動に比べて、多数の見込み顧客の状態を横断的に見ることができるため優先順位がつけやすく、また、顧客の検討段階に合わせた提案をしながら最適なタイミングでアプローチをかけることができます。
顧客との関係性を適切に維持し、強化していくうえで非常に効率的な営業手法といえます。
インサイドセールス導入のデメリット
デメリットはしっかりとした組織運営や人員の確保が必要なこと
デメリットは、しっかりとした組織運営が求められることです。
商談から先をフィールドセールスにバトンタッチするにあたり、情報の共有はもちろん、商談を組むべき顧客かどうかの事前ヒアリングも重要です。
せっかく商談設定をしても条件が合わなかったり、時期尚早だったりなどが無いよう、ヒアリングすべき情報の目線をフィールドセールスとしっかり合わせておく必要があります。
また、複数のメンバーで多数の顧客の状況を共有しながら、顧客の状況に合わせた対応をしていくためには、営業支援ツールの整備が必要になることが多く、設備投資や人員の確保が必要です。
インサイドセールスの役割の変化
先に述べた通り、以前までの定義でいえば
- インサイドセールスは内勤で行える段階(商談設定)までを担当する非対面営業
- フィールドセールスは顧客との対面接触(商談以降)を行う外勤営業
とされてきました。
しかし現在は商談をオンライン上で行うことが当たり前となっているため、インサイドセールスが商談を担当する場合もあれば、実際には外勤ではなくても“商談から受注までを担うのがフィールドセールス”と営業プロセスで定義をしている企業も多くあります。
つまり、インサイドセールスやフィールドセールスとは、単に内勤か外勤かという活動場所を表しているのではなく、営業活動を段階によって分業した職務の範囲を表しているものだという理解が必要です。
インサイドセールスが受け入れられている理由
インサイドセールスを導入する企業が特に増えたきっかけのひとつは、顧客と対面で行う営業活動が難しくなった状況の中でも効果の出せる営業手法が模索され、インサイドセールスという手法に着目が集まったからといえるでしょう。
そしてその有用性や効率性が広く認知されるようになり、戦略的な導入を試みる企業が増えていきました。
インサイドセールスの種類
インサイドセールスの手法には大きく分けて二つの形態があります。
SDR(sales development representative)と呼ばれる反響型営業(PULL型)、
BDR(business development representative)と呼ばれる新規開拓型営業(PUSH型)です。
SDRとBDRの比較
| 役割 | ターゲットの状態 | 営業方法 |
---|---|---|---|
SDR | 問い合わせのあった企業などへの反響型営業 | 顕在層 こちらを認知している 購入意欲高い | 担当者への直接的な電話やメール メルマガ配信 など |
BDR | 自社にとってベネフィットの多い企業への新規開拓営業 | 潜在層 こちらを認知していない 購入意欲不明 | 代表電話などへの電話 キーパーソンへの手紙 など |
SDRの役割はPULL型営業で獲得した新規リードとの接触や既存リードとの関係醸成
SDRが担当するのは主に既存リードとの関係醸成やPULL型営業で獲得した新規リードとの接触です。
例えば、ホームページやランディングページからの資料請求や、問い合わせフォームなどへの入力があった企業担当者への最初のアプローチはSDRが担います。
その場合、SDRからの電話が顧客との最初の直接的な接触となることが多いため、SDRのトークスキルやヒアリング力が顧客への印象を大きく左右します。
また、顧客の購買意欲がなるべく高い状態でアプローチをかけることが重要なため、顧客が何らかのアクションをしてからすぐに対応できるように、常にスピード感を意識することが求められます。
BDRの役割はキーパーソンとの接触や認知獲得を狙った積極的なアプローチ
一方BDRは、顧客からの何らかのアクションから関係値がスタートするSDRとは異なり、自社からのアプローチによって営業活動がスタートします。
反響型営業で主なターゲットとなるのは以下のような企業です。
- 認知を得づらい企業
- 繋がりを獲得しづらい企業
- 積極的に売り込みたい企業
BDRは企業情報の事前把握や戦略立てに工数がかかり、かつニーズが顕在化していない企業へのアプローチとなるため、それだけの労力を割いてでも繋がりを獲得したい企業である必要があります。
自社の商材や事業規模によりターゲットの条件は異なりますが、エンタープライズ企業やレガシー企業など、攻略のハードルが高く、かつ受注できた際のベネフィットが大きい企業を対象とする傾向にあります。
また、アプローチ方法は代表番号などへの電話の他、IR情報などから調べたキーパーソンへの手紙など、1社1社に対して地道なアプローチを重ねていく必要があります。
上記のように、SDRとBDRでは行動に対して得られる結果と期待値が大きく異なるため、それぞれに適切なKPI設定をする必要があります。
インサイドセールスの運用・組織づくり
インサイドセールスを始めるにあたりまず必要なことは、適切な人員の確保と、業務体制の構築です。
また、スムーズな情報共有や適切な顧客データの管理のために営業支援ツールの整備も必要です。
立ち上げ時期はノウハウ不足や過度の期待からKPIを高く設定してしまいがちです。
また、マーケティングがリード獲得数を、インサイドセールスが商談数や商談化率を、フィールドセールスが受注数をそれぞれKPIとして設定することが多いですが、それぞれがちぐはぐな数値設定にならないよう、全体を見て戦略に基づく現実的な数字設定をすることが重要です。
運用期に入ってからは、なるべく多くの商談化を目指すフェーズから、より受注確度の高い商談を設定していくというように、量だけではなく質を目指すような視座も求められます。
また、インサイドセールスの組織運営をする上で課題となりがちなのは、担当者のモチベーションの維持とキャリアプランの描き方です。
顧客の状態が把握できていなかったり、ノウハウが無いままひたすら手ごたえのないテレアポだけをするような運営をしていると、「やりがいを見出せない」「ひたすら電話をするばかりで辛い」という状態に陥ってしまう可能性もあります。
インサイドセールスとは、潜在層~顕在層の顧客に対して、顧客自身も明確化できていなかった課題やニーズを見出し、カスタマーサクセスへと導く最初の入り口となりうるポジションです。
インサイドセールスの導入を検討している企業においては、まず初めにその目的や存在意義をきちんと明確化し、組織をマネジメントしていくことが重要といえます。
インサイドセールス組織の立ち上げや運用については、以下の記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールス立ち上げ|構築に失敗しない9つのポイントを徹底解説
インサイドセールスの運用|組織運営改善の6つのポイントを徹底解説
よくあるお問い合わせ
インサイドセールスとは何ですか?
インサイドセールスとは、見込み顧客(リード)に対して、メールや電話、ウェブ会議ツールなどを活用しながら非対面で行う営業活動およびそのポジションのことです。
また、顧客へヒアリングしながら、顧客の中でも明確ではなかった課題を顕在化することで、顧客の検討段階を遷移させたりなど、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)を行います。
問い合わせのあった企業担当者へ、いち早くアプローチをかけたりなど、スピード感の求められる業務を担う一方、顧客情報の整理やコミュニケーション履歴の記録など、顧客データの管理を担うこともあります。
インサイドセールスのメリットとデメリットは何ですか?
インサイドセールスを導入する最大のメリットは、営業活動の分業化によって見込み顧客の検討段階の分析がしやすくなり、効率的にアプローチできるところです。
デメリットは、しっかりとした組織運営が求められるところです。
多数の顧客の状況を複数のメンバーで共有しながら顧客の状況に合わせた対応をしていくためには、営業支援ツールの整備が必要になることが多く、設備投資や社内人員の確保が必要です。
まとめ
インサイドセールスを取り入れる企業は年々増加しており、今後は分業型セールスモデルが当たり前になると予想されます。
有用性の認知拡大に伴い運用を開始した企業も多く、情報収集をしているうちにいつの間にか競合他社に後れをとってしまうこともあり得ます。
インサイドセールスの導入を検討している企業においては、まず自社にとってどのようなメリットがあるのか、どのように適切な人員配置をして体制を整えるのか、どのようにノウハウを得て業務フローを構築し蓄積していくのかなど、戦略的に検討をしていく必要があります。
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