株式会社保健科学研究所さま
一人目の方が入職すると印象は更に良くなり、「良い意味で期待を裏切られた」という声が現場から届いています。
- 課題
-
- 深刻な職員不足であり通常の採用戦略に限界を感じる
- 特定技能外国人の採用に関する不安と不明確さ
- どのように
解決したか -
- 特定技能外国人13名、技能実習生7名の採用による職員不足改善
- 人員基盤の安定や社員の残業時間の減少
- 感染症流行による人員需要増加にも早急に対応
特定技能外国人は介護の採用問題を解決する?受け入れのポイントと効果とは
臨床検査業界のパイオニアとして、全国に拠点を持つ株式会社保健科学研究所。
2004年からは日本の超高齢化社会突入に向け、神奈川エリアで地域密着型の介護事業をスタートするなど革新的な経営をおこなう同社では、2020年から介護の現場に特定技能外国人の採用を進めることを決めました。
その採用活動のなかではウィルオブ・ワーク(以下、ウィルオブ)が提供する外国人雇用サポートサービスKind(カインド)を導入いただき、人材選定から在留資格変更、その後の採用・教育戦略までトータルでご支援させていただきました。
導入決定からおよそ半年で7名以上の採用に成功した保健科学研究所ですが、その背景にはどういった課題があったのか、また今回なぜウィルオブを選んでいただけたのか。
保健科学研究所の介護事業本部 本部長森下光章さまと深澤信二さま、営業担当を勤めたウィルオブ横井・角がこれまでの取り組みを振り返りました。
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外国人の雇用制度については、別記事「介護での技能実習生受け入れのポイントとは?|技能実習生どの現場も解説」で詳しく解説していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
特定技能外国人の採用に舵を切ったのは深刻な人手不足からだった
横井:あらためて今回、ウィルオブの外国人雇用サポートサービスを導入いただいた背景や理由を教えてください。
森下:2020年の10月に入社し現場の課題をヒアリングしたところ、深刻な職員不足であることがわかりました。
また採用活動の仕方にも問題があり、求人媒体に費用をかけても採用がうまくできていないという現状。
具体的には合計1000万円以上の採用費をかけ、最終的に残ったのがパート4名ほどという状況でした。
これは1年以内に何としても職員を確保しなければならないと感じました。しかし情報収集すればするほど、介護業界の人手不足は業界全体の問題であり、通常の採用戦略では難しいことが分かってきます。
また会社としても過去に人材紹介会社からの採用で失敗したこともあり、短期間で採用を進めるにあたり新たな手法にチャレンジする必要がありました。
そこで特定技能外国人の採用についての記事やウィルオブのHPを見つけ、特定技能外国人の採用を検討しましたが、実績や知見がない中で外国人の採用を進めるにあたり、一緒に伴走できるパートナーの存在が不可欠でした。
ただ人材を紹介して終わりという会社に依頼した場合、外国人の雇用で問題や相談したいことがある時に頼れない可能性があります。
そこでウィルオブ以外の特定技能外国人の採用を支援している会社も検討したのですが、ウィルオブからは「一緒に環境をつくっていきましょう」「最終的には登録支援機関を外して自社で運用できるようにしましょう」と寄り添ってくれる言葉や意識があり、弊社での運用イメージまで伝えてくれたので、その安心感から導入を決断しました。
不安はあった。しかし「良い意味で裏切られた」
横井:今回ご依頼いただいた内容は国内の特定技能外国人の在留資格変更にかかる諸業務の支援と人材の紹介でしたが、外国人の採用で不安に感じられたことはありませんでしたか?
森下:まず、外国人を採用してもすぐに辞めてしまうのではないかという不安がありました。
しかし横井さんから在留資格や制度の説明を受けて、すぐに辞めるということはないとわかりました。
またこれまでは日本人の介護経験者しか採用したことがなかったということから、外国人の方がコミュニケーションがとれるか、介護経験がない外国人を現場が受け入れてくれるかという不安がありました。
現場の責任者も最初からポジティブな考え方ではなく、しかし採用も進めなければならなかったという背景もあり、実際に面談に同席して判断してもらうことにしました。
しかし求職者の外国人の方と面接をしてみて、私も責任者も大きく印象が変わりました。
思っていたよりもずっと日本語も上手でしたし、介護業界の知識はなくても働くことに真面目な方が多く、みなさん覚悟や情熱を持って面接に来てくれているということがよく分かりました。
その後一人目の方が入職すると印象は更に良くなり、「良い意味で期待を裏切られた」という声が現場から届いています。
各施設にヒアリングした特定技能外国人の採用希望人数は当初わずか3人でしたが、今では17名まで希望人数が増えています。
人材もウィルオブに継続して紹介いただけているので、安定して採用が進められるようになりました。
職員不足で利用者さんを受け入れられていなかった施設でも、ようやく少しずつ利用者さんを受け入れられるようになってきています。
戦力になってくれる以上に、現場には良い影響があった
横井:実際に採用を進めてみて、現場にはどんな影響がありましたか?
森下:ひとことで言うと明るくなり、職員だけでなく施設全体に活気が生まれました。
入職した方が仕事に対して情熱的で積極性があったということもありますが、みんなで教育するという共通のミッションができたからこそ、現場に一体感が生まれたと感じています。
また外国人の方はマニュアルを徹底するからこそ、レクリエーションも教わった通りに先導してやってくれるので、他の職員にも良い刺激になっています。
逆に言えば、マニュアルが誤っていれば、外国人の方はその誤った内容に従うしかありません。なのでマニュアルを見直すことでそれぞれの職員なりのやり方になってしまっていた仕事の均一化につながり、今後介護サービスの満足度の向上も期待できると思っています。
横井:特定技能外国人を採用して4ヶ月が経ちますが、今の課題は何ですか?
森下:みんな3年後に介護福祉士の資格を取って在留資格「介護」を取りたいと言ってくれているので、それを叶えるサポートをすることが課題です。
介護の経験もそうですが、日本語の能力も必要になってくるので、OJTでどこまでできるか。別途研修を設けることも検討しなければなりません。
また、今はベトナム語での介護研修動画でそれぞれ熱心に勉強してくれているのですが、やはり学習の進みには差が生まれます。
どの方も長く働いていきたいと言ってくれているので、それをできるかぎり応援する体制を作りたいと思っています。
また本人たちは楽しそうに仕事してくれていますが、悩みもあると思います。
現場では積極的にコミュニケーションを取ってくれていますが、今後入職者が増えることもあり、より気持ち良く働いてもらえる環境を一緒に作っていきたいですね。
横井:素敵な考えだと思います。保健科学様では入職された特定技能外国人の方からの友人の紹介での採用も進んでいるとお聞きしていますが、その理由や秘訣は何でしょうか?
森下:ありがたいことに、働いてくれている外国人の方から紹介を受けることで、より採用は加速できています。
外国人の方はSNSのつながりが非常に強いため紹介をいただきやすいというのもあると思いますが、紹介をいただけている理由としては、日本人と差をつけないことと現場に伝えているためかと思います。
外国人の方も資格を取りたい、長く働きたいということを考えており、それは日本人と変わりません。
なのでコミュニケーションや教育で差をつけるのは違うと思いますし、甘やかすことも距離をおくこともないようにしたいと思っています。
横井:一歩引いたコミュニケーションになり、互いにストレスを溜めてしまうことはよくあると他の法人の問題でも聞いています。
同じ職場で働く仲間としてコミュニケーションができているからこそ、知人に紹介したいと思える場が作れているのですね。
ゆくゆくはより多くの外国人が働ける場所をつくりたい
横井:採用について、今後の展望を教えてください
森下:日本人の正規職員を増員し、特定技能外国人を受け入れられる枠を増やしたいと思っています。
また、働いてくれている特定技能外国人についてももっと給与を上げられたり、先輩にあたる外国人が新人をマネジメントできるような環境を作り、様々な働き方を提案できるような制度をつくっていきたいですね。
働き方だけでなく働く機会も広げていきたいと思うので、現状はベトナム人のみ採用していますが、長期的にはもっと受け入れる国の幅を広げていきたいと考えています。
将来的にはインドネシアやミャンマー、ベトナムなどに介護施設をつくり、働いてくれた外国人が母国に帰ることになった場合も働ける場所をつくってあげたいと思っています。
横井:素晴らしいお考えだと思います。これからも採用面だけでなく、森下さまの理想を体現するためのパートナーとしてお力になれればと思います! 本日はありがとうございました!
おわりに
ウィルオブ・ワークは、介護施設における外国人雇用へ課題を抱えているクライアント企業さまをご支援いたします。まずは、お気軽にご相談ください。
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